第124話 祝勝会1
後日
アルマさんに祝勝会?みたいなのに誘われたので早速ログインした。
アルマさんに私の友達を誘ってもいいか聞いたらあまり大人数だと困るけど少しなら良いよと言ってくれたのでサユを呼んだ。
祝勝会はアルマさんのお店でやる、サユはアルマさんのお店の場所を知らないから一度街の広場で集合してから私が案内することになった。
「ふ、ふふ……パラのフィギュア、めっちゃ良いなぁ」
私はサユを待っている間にこの前の緊急クエストで貰ったパラのフィギュアをずっと眺めていた。
「フィギュアなのに若干弾力あるしとってもキュート!素晴らしい」
横にあるボタン押すとパカっと口が開くのも良いね!
ちなみにもう一度ボタンを押すと口が閉まるんだけど開けた口の中に指を突っ込んでから閉めるとしっかり指が切断された、めっちゃ痛かった。
一つ文句を言うのなら等身大ではなく半分くらいの大きさってところかな?
これ、ゲームじゃなくて現実でも欲しいんだけど……運営さんに頼んでみようかな?
「不気味な笑顔で何してるの?」
「うわっ!びっくりした」
パラのフィギュアをじっくり見ていたらぴょこんと目の前にサユが現れた。
「これ、例のキノコだよね?確かMVP限定報酬のやつ」
「そう、可愛いでしょ!」
私はサユにパラのフィギュアを見せる。
サユはパラのフィギュアを受け取ってぐるぐる回しながらじっくりと見ていた。
「可愛いかどうかは分からないけどめっちゃ良い出来だね」
サユはそう言って私にパラのフィギュアを返してくれた。
「あ!そろそろ時間じゃない?遅れちゃうよ」
「本当だ。サユ、アルマさんのお店はこっちだよ」
私はパラのフィギュアを仕舞ってサユをアルマさんのお店に案内した。
「ここだよ!」
相変わらず路地裏で誰もいない……あれ?なんで誰もいないの?
アルマさん、めっちゃ有名になったし色んなプレイヤーにお店の場所教えてたから繁盛していると思ったんだけどお店の前には誰もいない
今日は祝勝会するからお店は閉めてるのかな?
「ラビリル!何かお店の扉の前に貼り紙があるよ!」
確かに扉の前に何か貼り紙があった。
"扉を破壊出来るプレイヤーのみお店の品物を販売します――アルマ"
「何これ?お店の扉をぶっ壊せばいいの?」
「そうみたい!ラビリル、やっちゃえ!」
壊していいなら壊しちゃうからね!
私は思いっきり拳を握りしめてお店の扉をぶん殴った。
意外とすんなり扉は壊れた。
「なんか壊れたというより綺麗に割れたね」
確かに魔法研究所の扉はいつも壊して入っていたけど扉本体は壊れていなくて扉が外れて中側に吹っ飛んでいただけだったもんね。
それに比べて今壊したやつは殴ったはずなのに綺麗に真っ二つに割れただけで中側に吹っ飛ぶとかもなかった。
「あ、ラビリルとラビリルの友達?だよね。いらっしゃい」
「アルマさん、こんにちは!今日は祝勝会に呼んでくれてありがとう!」
「初めまして!サユです!」
お店の中に入るとすぐにアルマさんがお店の奥から出てきた。
「みんなお店の奥で集まっているよ、ここからどうぞ」
アルマさんに案内されて私たちはお店の奥に入っていった。
「そういえばなんで扉を破壊しないと入れないようになってるの?」
「ああ、実はね――」
アルマさんの話を聞いた。
第二回イベント後に沢山のお客さんが来たのは良いんだけど貴重なポーションをくれやら作り方を教えてくれやら言われて制限をかけたらしい。
「流石に作り方は教えられないし貴重な素材を持ってきてくれれば作ってあげるのに本体をくれは無理だね」
「やっぱりそういう悪い人もいるんだね」
「もちろん、普通のポーションを買ってくれる人もいるからそういう人用にたまに街の広場で販売もしてるよ」
アルマさんのポーションはめっちゃ美味しいから一度飲んだらただのポーションには戻れないよね、分かる。
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