第123話 決着
「行くよ、パラ!」
飛ばされたパラを思いっきり拳を握りしめて殴る。
ポヨンとした弾力で私とパラはお互いが弾き飛ばされた。
「ラビリルに続くのじゃ!」
あるふぁさんが先導して他のプレイヤーもパラに攻撃をする。
弾き飛ばされた私もすぐに起き上がってパラに向かう。
「ん?あれって……」
パラがプルプルと震えている、あの挙動は……麻痺粉じゃん!
「みんな!離れ――」
私は叫ぶが少し遅く、かなりの広範囲で麻痺粉を撒かれた。
「身体が、動かない、のじゃ……」
「麻痺、でしゅ……」
麻痺粉を浴びた人からバッタバッタと倒れているのが見えた。
そして倒れたプレイヤーを片っ端から食べたり踏み潰したりしていた。
「あーらら、みんな麻痺になっちゃった」
「ベルテ!ベルテは麻痺粉を避けたんだね!」
なんとベルテは麻痺粉から逃げて避けていた。
「まあ、実際に麻痺粉を受けたことあるし……それに避けたのは私だけじゃないよ、ほら」
ベルテが指を指す方向にはエスクードさんやアルマさん、そしてスノーピンクがいた。
アルマさんはなんかポーションを飲みつつ麻痺で動けなくなっているプレイヤーに次々とポーションをかけたり飲ませたりしていた。
「俺はパラの麻痺粉を食らって負けたからな!」
そういえばエスクードさんはそんな負け方だった気がする。
「魔法少女、さっきの防御無視攻撃付与は消しちゃって良いからみんなの麻痺を回復出来ない?」
なんかベルテってスノーピンクの扱い方が上手いよね。
「回復系は対象に触れてないと無理!」
スノーピンクの魔法、便利だけど制約多いね。
「って防御無視攻撃付与の効果無くなってるじゃん!まだ時間あったし自分で回復したでしょ!」
「……バレたか」
あーだから麻痺粉から逃げてこれたんだ。
そうだ、私も効果が切れる前にもう一本のポーション飲んでおかないと死んじゃう。
「ラビリルたち!これを」
アルマさんが遠くから数本のポーションを投げてきた。
それを私は受け取る。
麻痺無効ポーション……5分間、麻痺を無効化するが効果が切れるまで毒状態になる。
絶対にこれ、対私用のポーションじゃん!決勝戦でパラは麻痺粉使わなかったけど使っていたらこのポーション使ってたでしょ。
「いやーアルマさん、助かる〜!」
ベルテは早速ごくごくとポーションを飲んだ。
私も続けてポーションを飲む、やっぱり美味しい。
「じゃ、ラビリル!あとは頼んだ!魔法少女はまた防御無視攻撃付与お願いね」
そう言ってベルテはパラに向かっていった。
「……《全員に防御無視攻撃付与》」
スノーピンクも防御無視攻撃付与を使いつつポーションを飲んでパラに向かっていった。
ベルテの言うことは聞くよね、あいつ。
「では俺も行くか……《武器転移》」
エスクードさんも転移していった。
パラのHPは残り4割くらい、一向に回復しないってことは流石に回復粉は使えなくなっているのかな?ボスが全回復とかズルだもんね。
「よし!」
私はみんなを追うようにパラに突撃する。
パラが私の方に口を開けているのが見えた、あれはレーザービーム?!
「《攻撃誘導》!」
私に向けて放たれたレーザービームはグイッと曲がってエスクードさんに直撃した。
「あとは任せた……ぞ」
レーザービームを受けたエスクードさんは消え去ってしまった。
「おらー!うーん、ポヨポヨしてて効いてる気がしない!ダメージは受けてるから効いているんだろうけど」
ベルテはベルテでポコポコと杖でパラの足元を殴っている。
「ベルテ!同時にいくよ!」
「おっけ!」
私とベルテは同時にパラの両足を片方ずつ殴る。
パラはバランスを崩して倒れた。
「今度は自分からあの中に入るのかー……」
バランスを崩したところにスノーピンクが自らパラの口の中に入っていった、一体何をするつもりなんだろう?
「食べられた恨みを今はらす!《自爆》」
パラの口の中で大爆破をスノーピンクが起こした。
「スノーピンクが爆発したー!」
「魔法少女、良い爆発!」
今までで最大限の攻撃をしたスノーピンク。
さっきの攻撃でパラのHPは1割を切った。
「パラ!これで終わりだよ!」
「ラビリル!いけー!」
私はパラに飛び乗って思いっきり短剣をぶっ刺した。
『"巨大化したパラ"を討伐しました』
『緊急クエストをクリアしました』
『総合MVP……スノーピンク』
『ダメージMVP……ラビリル』
『アシストMVP……アルマ』
『報酬……参加した全プレイヤーのレベルを1上昇、1万G、ランダムバフキノコ×10』
『MVP限定報酬……パラのフィギュア』
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