第122話 ラビリル最強形態

「いやーもうポーションが少ないよ」

「あ、アルマさん」


パラのレーザービームにより超強化されたエスクードさんがちまちまとパラのHPを削っているのを見ているとやる事がなくなったアルマさんが私のところにきた。


「流石に今日だけでかなりの出費だよ、お金はまだまだあるんだけど素材集めが大変だからね」


見たことないポーションを山のように使っていたもんね。


「僕に出来る事は大体やり尽くしたし最後にラビリルにこれをあげるよ」

「何これ?」


アルマさんは私にポーションを渡してきた。


「また爆発するやつ?」

「違う違う、第二回イベントでは使えなかった純粋なバフポーションだよ……ちょっと致命的なデメリットあるけど」


小さな声だけどなんか不穏な言葉が聞こえた気がする、とにかく性能を見てみよう。


私は渡されたポーションの性能を見てみた


最後の力ポーション……1分間、ステータスが2倍になるが効果が切れると死亡する。


「えー……飲んだら確定死亡?」

「効果見ちゃった?そう、確定死亡」


そう言って同じポーションをもう一つ渡された。


「ちなみに説明には表示されない裏仕様で効果が切れる前に上書きで飲むと時間がリセットされるからギリギリで飲めば1分50秒くらいは戦えると思うよ」


まあ、この戦いが終わったらログアウトして寝るだけだし死んでも良いっちゃ良いけど……あと5分くらいしか制限時間ないし仕方ないかー。


「ありがとうアルマさん、ありがたく使わせてもらうよ!」

「頑張ってね、じゃあ僕は適当にまた戦ってくるよ」


そう言ってアルマさんはのほほんとパラの方に歩いて行った。


「ちょっとだけ……ちょっとだけだから!《仲間吸収》」


ベルテがなんか呟きながら周囲にいる仲間モンスターを吸収していた


「お主、仲間モンスターを集め直すのだるいとかなんとか言っていたが大丈夫なのじゃ?」

「だるいけど……仲間吸収した時のステータス強化される快感がめっちゃ好きでついやっちゃう」

「やばい薬みたいじゃな」


私と戦った時に相当な数の仲間モンスター吸収してたのに大丈夫だろうか?もう数えるほどしかいないんじゃない?


「ちょっと〜魔法少女、結界が残ってるから生きてるんでしょ?早く帰ってきて私たちを魔法で強化してよー!」


ベルテが大声で叫ぶと遠くに飛ばされたスノーピンクがちゃんと帰ってきた


「えー……ベルテやあるふぁはともかくラビリルにあんまり助力したくないんだけど」

「そんな事言ってないで焼き鳥とかあげた食べ物の分、働いてね?」

「分かった……《全員に防御無視攻撃付与》これで良い?文字数とか対象が多いから効果時間短いからね!」


確かにステータスの横に防御無視攻撃が追加されてた、効果時間は……1分間くらいだね


「みんな!準備は出来たか?」


そんな事思っていたらなんかエスクードさんが叫びながらパラを持ち上げていた


あの巨体を持ち上げるってどれだけ強化されたの?!


「なんかドラゴン戦を思い出す光景じゃの」


確かにあの時もエスクードさんがドラゴン投げ飛ばしてきたね。


「プレイヤーのみんな〜ラビリルに敵対よろしく!」


ベルテがそういうとプレイヤーの大半が私に武器やら視線やらを向けた。


そしてグンと身体が軽くなる。


「僕はラビリル様に敵意を向けたくないんでしゅけど……」


いつのまにかモブさんも戻ってきていた。


「ラビリルどうじゃ、気分は?……聞かなくとも顔で分かるがの」

「最高だよ、本当に最高の気分!」


私はアルマさんに貰ったポーションを一気に飲み干す。


最大限のステータス強化で俊敏が3000を超えた。


「アハハ!さあ、パラ……お互い壊し合いをしようか!」


エスクードさんがパラを投げ飛ばすと同時に私もパラに向かって突撃していった。

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