第114話 ラビリルVSスノーピンク3

「私の足は……?」


急に足が無くなって状況が理解できていないスノーピンク。


「これなーんだ?」


私はもぐもぐしているパラを持ってスノーピンクの目の前まで運んで見せた。


「それはラビリルの……」

「そう!パラ!可愛いでしょ!」


グッとスノーピンクにパラを近づけてしっかりと可愛さを見せてみた。


「怖い怖い!凄い私に向かって口開けてるー!」


うーん、スノーピンクにパラの可愛さは分からないか。


私はパラを持つのをやめて倒れているスノーピンクのすぐそばに置いた。


「ヒッ!《止まって》!」


私が手を離した瞬間にパラはスノーピンクに飛びつこうとしていたがピタッと動きを止めてしまった。


「パラでもこいつの魔法で動きを止められるのかぁ」


あれ?そういえば私、スノーピンクに動けなくされていたのにパラが動けなくなる前から動けてたね。


大ダメージを受けたら解除されるのかな?


「《ヒール》……あれ?《ヒール》《ヒール》」


なんかスノーピンクが回復魔法を何回も唱えようとしているが発動していないみたいだ。


MP切れ……?いや、これは多分パラが回復魔法を奪ったね。


回復魔法を奪ってもパラが使う必要はないのに奪うなんてパラは良い性格してるね。


「さー……絶望した顔しているところ悪いけどもっと絶望させてあげるよ」


私は動けないパラと倒れているスノーピンクを無視して自分魔法領域の結界に両手で触る。


そして思いっきり結界を殴った。


ピシッと結界に亀裂が入りその亀裂はどんどん広がっていく……。


「あ、あ、どうやって……私の、自由な世界が――」


足は食われ、回復は出来ず、自慢の結界を壊されたスノーピンク。


そして結界が壊されたことでパラの拘束が解ける。


「はい、おしまい……ってね!」

「……んー!んー!」


拘束が解けた瞬間、スノーピンクの頭から飛びついたパラ。


頭を齧られて手をバタバタさせながら抵抗しているがパラは全く動じていない。


「なんか凄いノリノリでスノーピンクの事食べてない?私やあるふぁさんにもノリノリで飛びついてくるけどエスクードさんの時は渋々だったよね」


女の子の方がお肉が柔らかいとかあるんだろうか……?ただ単にそういう趣味をお持ちで?


そんなこと思いながら黙々とスノーピンクを食べているパラを撫でているとスノーピンクが消滅した。


「準決勝の勝者は……ラビリル選手です!」

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