第109話 モブVSスノーピンク1

「もう!さっきからなんで私のこと怒ってるの!何にもしてないじゃん!」


何故モブが怒っているのか分からず不思議そうに言うスノーピンク。


「自分の推しが悪いこと言われたら怒ると思います」


あの興奮して噛みまくっていたモブとは違い静かにスノーピンクを見つめる。


「ふーん、私は事実を言っただけだしー!そんなことよりもう試合は始まってるんだから戦おうよ!」


キラッキラな杖を構えるスノーピンク。


「そうですね……"愚か者に救済を"」


いきなりモブがユニークスキルを使い目を輝かせる。


「えー!いきなりユニークスキル使っちゃって良いの?!」

「いつもは推しの戦う姿をより長く見れるようにしてますから……あなたには最初から全力で行かせていただきます!《スピードモード》」


双刃剣を構えながらスノーピンクに向かう。


「速っ!《オートガード》」


スノーピンクはモブの速度に驚きながらもうまく杖で双刃剣を受け止める。


「スキルによる自動防御ですか、厄介ですね《パワーモード》」


モブはそう言いながら杖目掛けて蹴り飛ばす。


「うわっ!」


蹴りも杖で受け止めたが衝撃が強くて吹き飛ばされてしまう。


「これならどうですか《双剣モード》」


双刃剣が2つに分かれて双剣状態になる。


そして吹き飛ばされて体勢が崩れているスノーピンクに向かって双剣の片方を投げた。


「そんなもの私のオートガードが簡単に弾いちゃうよ!」

「そうでしょうね《スピードモード》」


投げられた剣を弾き飛ばした瞬間にモブが凄い速度で向かってきていた。


「うそっ!まだガード硬直が!」

「攻撃を受け止めた後に数秒程、動けてなかったの僕は見逃していないです」

「やば――」


スノーピンクは動けずモブの剣がスノーピンクの胸に……。


「残念、硬直の隙を狙ってるのバレバレ」

「……誘われてたのは僕でしたか」


モブの剣がスノーピンクの胸に突き刺さる前にしっかりと杖で受け止めていた。


そして双刃剣の片方だけの軽い剣で攻撃したため、力負けをして逆に押し倒されてしまった。


「マジカル〜《ファイアランス》!」

「《シールドモード》」


炎の槍がモブを襲う


「高レベル魔法1つ程度では痛くも痒くも無いです、あるふぁ様の方が素晴らしい魔法ですね」

「ぐぬぬ……!効いてない」


無傷と言って良いほど炎の槍は全く効いていなかった。


「《パワーモード》」


再び筋力を上げたモブが押し倒していたスノーピンクを突き飛ばす。


「……もう耐久値が無い」


双刃剣の片方の剣が既にヒビが入っていた、次に攻撃したら壊れてしまうだろう。


モブは一度スノーピンクから大きく離れてアイテム欄から別の双刃剣を取り出す。


「さて……まだあなたは本気を出さないのですか?」

「え?うーん……あの防御を突破するにはあれ使うしかないかぁ、ラビリルとの再戦まで残したかったんだけど」


スノーピンクが杖を空高く構えた。


「《変身》!」

「眩しっ!」


ピカーっとスノーピンクが激しく光る。


そして光が晴れた後には先程よりもキラッキラでフリフリな服装になったスノーピンクがいた。

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