第107話 勝ったのはどっち?

「第七回戦の勝者は……っていない?!引き分け?!」


2人同時に死んじゃったみたいだけどこれどうなっちゃうんだろう……?2人とも脱落?それとも再戦?


「皆さま、少々お待ちください!こちらで戦闘ログを確認します!」


引き分けになるなら次の戦いが決勝戦になるね。


「ラビリルはどっちが勝ったと思う?」

「うーん、ほとんど同時だったから分からないなぁ」


ベルテとどっちが勝ったかを言い合っているとあるふぁさんとアルマさんが戻ってきた。


「我、負けたのじゃ……」


しょんぼりしながら歩いてくるあるふぁさん。


「まだ分からないんじゃない?負けてないかもしれないよ?」

「そうじゃといいのじゃが……」


あるふぁさんがチラッとアルマさんのことを見た。


「僕的にも同時っぽかったから分からないね」


そう言っているアルマさんは何故か悔しそうな顔じゃ無かった。


「アルマさんはもっと悔しそうな顔しなよ、いっつもなんでもないような顔してるし」


ベルテがバシバシとアルマさんの肩を叩く。


なんかこの2人、すごく仲良くなってない?


「実はそんなに悔しくないんだよ、だって――」


アルマさんが何かを喋ろうとしたらアナウンスが鳴った。


「お待たせしました!戦闘ログから先程の試合の最後をスローモーションで再生したものをモニターで流します!」


パッとモニターにアルマさんとあるふぁさんが映る。


最後の魔法が当たる瞬間だ。


「スローで見ても完全に同時に魔法が当たったのじゃ」

「でも2人とも耐えてるよ?」


完全に同時に当たった魔法を2人とも耐えているのが確認できた。


「根性じゃ」

「根性だね」


スキルで耐えたようだ、しかし残っている魔法が2人を襲っている。


「あれ?なんかあるふぁさんの方、魔法に当たる前に死んでない?」

「本当だ、あるふぁさん先に死んでるじゃん!」


なんとあるふぁさんは魔法が当たる前に死んでいてアルマさんはその後に魔法が当たって死んでいた。


「ということで第七回戦の勝者は……アルマ選手でーす!おめでとうございます!」


由佳さんはパチパチと拍手をしているが私は全然理解出来ていなかった。


「えっと、なんであるふぁさんは魔法に当たる前に死んだの?」


私がそういうと何故か由佳さんが反応した。


「おっ!ラビリル選手、良い質問ですねー」


なんで声が聞こえてるの?!


「まず最初の魔法は2人とも根性というスキルで耐えていますねー、時間がないので細かいスキルの説明は省きますよ?初心者の方は後で誰かに聞くか調べてくださいね!」


由佳さんは続けて話す。


「そしてここ!耐えた後にスローでみると先にあるふぁ選手のHPが無くなっているんですよ!死因は猛毒ですねー」


あー……そういえばあるふぁさんは猛毒になってたんだった。


根性で耐えた瞬間に猛毒でHPが無くなったんだね。


「本当じゃ!我の死因……毒なのじゃ」


あるふぁさんがログを見返したらしい、しっかり毒で死んでいた。


「毒は恐ろしいですねー、せっかく耐えても意味がない!」


そうなると毒耐性とか欲しくなってくるね。


「ということで僅差でアルマ選手の勝利という結果となりました!」


見事に勝ったのはアルマさんでした。

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