第104話 アルマVSあるふぁ

「ところでエスクードさんはもうログアウトしちゃったの?見当たらないんだけど」


もう帰ってきているはずなんだけどどこにもいない。


「あやつは"新しい世界が開けた!"とか言って森の方に走っていったのじゃ」

「そうなんだ……」


ちょっと意味が分からないけど気にしないでおこう。


「お待たせしました!第七回戦、アルマVSあるふぁです!お二人を専用マップに転送します!」


あ、次の試合ってあるふぁさんの番だったんだ。


指が欠けちゃってるけど大丈夫かな?転送するときに治してくれるよね、多分。


「じゃ、勝ってくるのじゃ」

「頑張ってね!」


あるふぁさんは目の前から消えていなくなった。


「プレイヤーの紹介をします!生産職対決を制して勝ち上がりました、アルマ選手です!今回も不思議な戦いをするのでしょうか?」


モニターの先にいるアルマさんは前の試合と違ってローブで隠しているとかはなく単純に全身の装備品が変わっていた。


腰にポーションをかけているのは同じだけど小さな盾を手に持っていた。


「続きまして自称ではなく本当に大魔道士なのかもしれません、が若干ドジっ子な気がします!あるふぁ選手です!ちなみに何故か転送前に部位欠損していたので治しておきました」


あるふぁさんの紹介だけさらに雑じゃない?そして指はちゃんと治してくれたらしい。


あるふぁさんは最初の紹介でドヤ顔していたのに最後にはガックリと項垂れていた。


「それでは第七回戦……開始!」


・・・

・・


「だから我の紹介が雑すぎるのじゃ……それに部位欠損はラビリルのアホのせいなのじゃ!」


悲しくて項垂れてるあるふぁを横目に着々と罠を張っていくアルマ。


「あー!お主、ずるいのじゃ!」


それにあるふぁは遅れて気づくがもう遅かった。


「存分に罠を張らせてもらったよ」

「そんなもの我の魔法でかき消してやるのじゃ!《ファイアボール》×20」


大量の炎の球が現れて罠が隠れているであろう場所に向かって放たれる。


地面などに炎の球が当たり罠が発動する。


「これは罠を張った意味なかったね」

「次はお主の番じゃ!」


まだ残っていた炎の球がアルマに向かっていく。


「いいのかい?そんな無闇に僕に魔法を放っても」


アルマは手に持っていた小さな盾を前に構えると綺麗に魔法が吸い込まれるように当たりなんとあるふぁに跳ね返って行った。


「魔法が跳ね返されたのじゃー!」


あるふぁは跳ね返された魔法を再度魔法を使って相殺する。


「魔法を跳ね返してくるやつ多すぎなのじゃ……またMPが――」


想像以上にMPを消費してしまったあるふぁ。


「しかしどうせ何かのデメリット効果があるんじゃろ?」

「これはアイテムじゃなくて盾判定だからデメリット無しだよ、装備条件とか色々と厳しいけどね」

「無条件で魔法を跳ね返すのはズルすぎるのじゃー!我、どうしろと?」


アルマが盾を持っている限りあるふぁは魔法が使えなくなってしまった。


「ぐぬぬ、こんな早く使いたく無かったのじゃが……短期決戦じゃ!"魔道の力を"」


あるふぁがユニークスキルを使い目を虹色に光らせる。


「いいね、狙い通りだよ」

「さあ、行くのじゃ!」

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