第101話 エスクードVSラビリル3
「《武器変形》」
「やばっ!」
エスクードさんに攻撃しようとしたら大盾を構えてきたのでそのまま大盾を殴ろうとしたらなんと大盾が長剣に変形して長剣の刃の部分を殴ってしまった。
「いったあぁぁい!手がああ!」
拳に刃がめり込んでとんでもなく痛い。
「無闇に大盾に攻撃してこようとするからだぞ!」
「痛い!痛い!痛い!」
刃にめり込んだままの拳にさらに力を入れられて指が切断されてしまった。
「はぁ、はぁ……」
そうだ、この大盾は長剣に変形するんだった……完全に忘れてた。
「指を切断させられるのは痛いよな、わかるぞ!そして気持ちいいよな!」
「これのどこが気持ちいいのか分からないよ!」
めっちゃ痛いし指だけなくなるのすっごい違和感半端ないよ!
「ふむ、そのうち分かるはずだ」
そう言ってエスクードさんが長剣を構えながら私に向かってきた。
「速っ!」
想像以上にエスクードさんの向かってくる速度が速くて指を切断されたのと逆の腕をスパッと切られてしまった。
「うぐっ……腕が――」
「俺のユニークスキルは受けたダメージの分だけステータスが上がる、さっき腹を抉られたから良い感じにステータスが上がったぞ!」
何その効果!私が攻撃すればするほど強くなるの?!そんなのズルじゃん!
……いや、私のユニークスキルだって上限があるんだしエスクードさんのもあるはず。
ただ問題が私の攻撃手段が指の無い拳しかないことなんだよね。
あと蹴りもあるけど下手に蹴ろうとすると足も切られそう。
「痛いのは我慢!突撃ー!」
私は指の無い拳でエスクードさんに殴りかかる。
「その状態でも諦めないのはさすがラビリルだな!」
「楽しい戦いを諦めるわけないじゃん!」
私はエスクードさんの顔目掛けて思いっきり殴る。
しかしさらに防御が上がっているのか微動だにしない。
私は殴る度に痛いのにこれ効いているの?
「欠損状態で攻撃は相当な痛みだろうにそれでも笑って攻撃してくるか」
もうすぐ時間経過で指が元に戻るはず……。
「足元が疎かになっているぞ!」
「ううん、わざとだよ!」
エスクードさんが私の足を長剣で攻撃してこようとしていた。
私はその攻撃を見てジャンプして避けつつエスクードさんに攻撃をしようとした。
「《武器転移》」
「え、消え――」
跳んで攻撃しようとしたらエスクードさんが目の前から消える。
ザクッ
あ、え、足の感覚が……。
両足を切断されて私はバタリと倒れてしまった。
「もう片方の大盾に誘導するのに苦労したぞ」
目の前にいたはずのエスクードさんがいつのまにか後ろにいた、そして最初の方に捨てられた二つ目の大盾が目の前にあった。
「これ、第一回戦で見たやつ――」
最初見た時は全然意味がわからなかったけど今なら分かる、自分の武器と場所を入れ替えているんだ。
「流石のラビリルもこうなっては終わりか?」
「ま、まだ……!」
負けたくない!
ぎゅっと拳を握りしめてなんとかエスクードさんに這い寄って近づく。
「こんな状況でも諦めない……か、それでこそラビリル!」
エスクードさんはそう言って私目掛けて長剣を振り下ろしてきた。
「まだ死なないから!」
なんとか指が元に戻って急いでいつのまにか戻ってきていた短剣を手に持つ。
そしてエスクードさんの強烈な攻撃を短剣で受け止めた。
「うぐぐ……上手く力が入らない」
「そんな状態、力が入らないのは当然だ!」
力が入らず短剣が弾き飛ばされる。
「ラビリル!これで終わりだ!」
そして再度エスクードさんの長剣が私の頭に振り下ろされようとしていた。
あ、これ死んだ――
しかし私の頭に振り下ろされる事はなかった。
「何?!」
なんとパラが現れて私を守ってくれたのだ。
「パラ!!」
パラはモロにエスクードさんの攻撃を受けたのにも関わらず全然ダメージを受けていなかった。
「パラ!エスクードさんを食べちゃえ!」
私の言葉にパラは動き始めた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます