第100話 エスクードVSラビリル2
「遠慮なく俺の顔に殴ってもらって構わないからな!」
「もう!本当にすっごい戦いにくいよ!」
そもそも前の試合でカウンターみたいなの使ってたじゃん、下手に攻撃したらカウンターされちゃうって!
まあ、かなりダメージを与えたから手遅れかもだけど。
「ああ!もう!どうにでもなれー!」
私は考える事をやめて拳を力強く握りしめてエスクードさんの顔面を思いっきり殴った。
「グハッ!」
殴られたエスクードさんは吹っ飛んで倒れる。
今、せっかく構えた大盾を私が殴る直前に離したよね?絶対わざと攻撃を受けたよね?
「こ、これがラビリルの拳……最高だ――」
「もう!そんなに殴られたいなら存分に殴るよ!」
私はエスクードさんに飛び乗って右左とボッコボコに顔面を殴りまくった。
「ああ……夢にまで見た光景だ」
これ、効いてる?
「これならどうだー!」
私はエスクードさんの上でジャンプして顔面に向かってカカト落としをした。
「グハッ……最!高!」
やっぱり効いていないー!
エスクードさんの防御では私の筋力が足りないのかもしれない、そんな問題じゃない気がするけどそう言う事にしておこう。
私は一度エスクードさんから離れて様子を見ることにした。
「ふむ、終わりか……最高のひとときだった――では先程のお礼に真面目に戦うことにしよう!《ヒール》」
「最初から真面目に戦ってよ!」
てか回復魔法使ったって事はさっきの攻撃効いてたんじゃん!
エスクードさんは大盾を拾い直して私を見つめてくる。
「"守れ抗え"……これでいいか?」
エスクードさんがユニークスキルを使う
「"破壊開始"」
続けて私もユニークスキルを使った。
「そう!その目!そしてニッコリと笑顔なのに何故か恐怖を感じる表情!いつ見ても素晴らしい」
「何が素晴らしいのか分からないよ!」
私は叫びながらエスクードさんに向かって突撃していく。
そしてエスクードさんの大盾に思いっきり拳をぶつけた。
「いっ……たい!硬すぎ!」
「本当は肌で受けたいのだが真面目に戦うと言ってしまったからな」
まずはあの鉄壁の大盾を突破しないとエスクードさんにダメージを与える事は出来なさそうだ。
そもそも全身鎧で身を守っているから顔くらいしか攻撃出来る場所ないじゃん。
大盾は確かユニークウェポンだったから壊せないし……まずは鎧を壊しちゃおう!
私はエスクードさんが構えている大盾を避けて両手で鎧を触る。
「一体何を――」
「えい!」
破壊の呪いを付与した鎧に膝蹴りをしてバッキバキに壊した。
「何ぃ?!」
鎧が破壊されて驚いているところに私は続けてお腹に短剣をぶっ刺してぐりぐりっと回す。
「ぐああ!」
凄い痛そうにしているエスクードさんは私を引き剥がして少し離れていった。
「……これはかなり効いたぞ」
私から離れたエスクードさんは痛そうに短剣を引き抜いて適当に捨てる。
エスクードさんの見た目は初期装備になっていた。
防具が壊れると自動的に初期装備になるんだね。
「まだまだいくよ!」
私は再度エスクードに向かって突撃した。
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