第90話 猫の助VSアルマ3
アルマがポイポイとポーションを投げまくる。
「むう……」
それを見て猫の助はハンマーで叩き割ったり避けたりする。
「HP1だから少しでも掠った時点で僕の勝ちだね」
「アルマだって少し回復した程度、私の攻撃が一発でも当たれば死ぬぞ!」
一瞬でも隙を見せた方が負け。
「それはどうかな《閃光》」
「何?!」
アルマが激しく光り、猫の助はアルマの姿を見失った。
「終わりだよ」
アルマは猫の助の懐に入り手に持っているポーションを叩きつけようとしていた。
「まだ負けんぞー!《不屈の心》」
猫の助が何かのスキルを使った後にポーションが叩きつけられて小さな爆発が起きた。
ガシッ
「え……なぜ死んでない」
「ハハハ!ついに動きを止めたぞ!」
猫の助はアルマの腕を掴んで動きを止める。
アルマはなんとか掴まれた腕を引き剥がそうとするが筋力が足りず全然引き剥がせない。
「覚悟はいいか!」
「あーこれは終わったかな」
アルマはなんとか抵抗するが何もできずハンマーが振りかざされる。
「……なんてね《分解》」
アルマは振りかざされたハンマーに手を向けて触れた瞬間に何かのスキルを使う。
スキルを使った瞬間になんとハンマーがボロボロになって砕け散った。
「分解だと?!それは耐久値が相当低くないと使えない生産職の鍛治スキル!ちゃんと試合前にハンマーの耐久値は大丈夫だと確認したはずだぞ!」
「武器の耐久値は試合中も確認しないとね」
武器が破壊されて猫の助が動揺している間にアルマは腕を引き剥がして抜け出すことに成功した。
「まさか武器の耐久値を減らすポーションがあったのか?!」
「途中で気づけば直せたのにね、完全に破壊されては生産職でも直す事は出来ない」
アルマは猫の助から距離をとってまたもポーションを飲み干す。
「一体何種類のポーションを開発したんだ……!」
「まだまだあるよ……例えば対ラビリル用ポーションとかね」
最後の言葉だけは猫の助がギリギリ聞こえるくらいの声で言った。
「まさか決勝トーナメントに出場しているプレイヤーに対するポーションを開発したのか……?決勝トーナメントに出場するプレイヤーが分かってから半日ほどだぞ?!」
「流石に全員とはいかないけどね、どんな能力かも分からないプレイヤーもいるから汎用性の高いポーションとかの方が多いね」
2人にしか聞こえないくらいの会話が続く。
「残り5分でーす!両者頑張ってください!」
アナウンスが届き2人の会話が終了する。
「おっと、話し過ぎちゃったね」
「ハッハッハッ!アルマとはまだまだ話をしていたいが勝敗は決めないとな!」
「今度、共同で何か研究しないかい?ラビリルでも実験台にして」
「それは面白そうだ!ぜひ頼む!」
猫の助は武器を失っている為拳を構えて、アルマは色とりどりのポーションを手に持つ。
「言っとくが武器を失ったとはいえ私は戦いを諦めたわけじゃないぞ」
「まあ、そんだけ立派な身体してるんだから普通は僕相手に武器とか要らないよね。ところでこのポーション、毒霧を発生させる効果があるんだけど実は範囲がかなーり広くてこのマップ全体に届くんだ」
アルマが紫色のポーションを手でくるくる回す。
「おい、まさか!」
「僕のHPは3割ってところ、毒でじわじわと減っているけどね。そして猫の助はHPが1……さてこのポーションを割ったらどうなるかな?」
「やめ――」
急いで猫の助がアルマを止めようとするが距離が空いていたので間に合うはずもなくアルマはポーションを叩き割った。
「根性が無くなった時点で僕の勝利は決まっていたんだよね、ごめんね」
毒霧はマップ一面に広がり猫の助が毒霧に触れた瞬間に猫の助は死んでしまった。
「そこまで!第三回戦の勝利は……アルマ選手です!」
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