第86話 ラビリルVSベルテ2
「まさかベルテがユニークスキルを使ってくるとは思わなかったよ」
「実はラビリルと会ったばっかりの頃から使えてたんだよ?ずっと隠していたんだ」
え、あの頃から使えてたの?!
「全然分からなかった……」
「気分が良いからユニークスキル名と取得条件も教えてあげる、どうせ教えてもユニークスキルだから誰も取れないしね」
自分以外のユニークスキル、取り方知らなかったしどんな感じなんだろう?
「名前は《魔王》そして取得条件は世界で初めて魔物使いを取得すること、それだけだよ」
「確かにベルテはリリース開始初日にサフィを仲間にしたんだっけ?」
「記憶があっていれば多分ね」
私は次の日にパラを仲間にしたから案外惜しかったのかも。
「話はこれくらいにして戦おうか、ラビリルも戦いたそうな顔してるし」
「バレた?」
また私は顔に出てたらしい、破壊者のせいか目の前にいるモンスターの大群に戦いたくてうずうずしていた。
「《魔王の采配》みんな突撃ー!」
ドドドド
モンスターの進軍で地面が揺れる、凄い迫力だ。
「《風龍の――」
スキルを言い終わる前に足元がガクンと下がった。
「え、足が埋まって抜けない!」
急に地面に穴が空いて私の足がスッポリとハマってしまった。
そしてハマった足は何かに掴まれているのか全然抜けない。
「んー!!」
力任せに思いっきり足を引っこ抜くとそこそこな大きさのモグラが私の足を掴みながら穴から出てきた。
「飛行部隊、ラビリルを囲みつつ攻撃!魔法部隊はとにかくラビリルに魔法を放って!」
「わわわ……やばいね」
上空からは空を飛ぶモンスターが私を囲むようにして前からは魔法がとんでもない量飛んでくる。
とりあえず引っ付いてきたモグラを足から剥がして魔法を防ぐ盾にした。
「モグラA〜!ラビリルなんてことを!盾にするなんて卑怯だよ!」
「いや、こんだけ数の暴力をしておいて卑怯とか無いでしょ!」
あと盾にしたモグラの名前ってモグラAなの?!適当すぎない?
まあ、あの数のモンスターを名づけするのは大変だろうし分かりやすいっちゃあ分かりやすいだろうけど。
「モグラAってことは……Bもいるよね」
案の定、また地面に穴が空いて今度は両足が埋まる。
今度は2体で私を拘束しようとしているみたいだけど限界まで筋力が上がった私に力勝負は無理だと思うよ。
今度はモグラを引っ剥がしてから空を飛んでいるモンスターに投げつけてみた。
「おー、落ちた落ちた」
見事に空に飛んでいるモンスターにヒットして墜落していった。
そして撃墜したモンスターを投げて更に撃墜していく。
「アハハ、なんかこれ凄く楽しい!」
「私の仲間モンスターで遊ぶなー!」
魔法が至る所から飛んでくるが全て撃墜したモンスターを盾にして防ぐ。
そして飛んでいるモンスターも攻撃してくるがそれもモンスターの盾を使って防いだ。
「おっと、いけないいけない……あまり遊んでいられる時間もないしちゃんと倒すかー《風龍の加護》《断罪》」
近くにいたモンスターの一部が赤く光る。
このスキル、使うの久しぶりだね。
倒したことのあるモンスターにしか効かないしそもそもワンパンってのが気に入らないから使う機会が少なかったけど今が使いどきだよね。
俊敏を上げて一部が赤く光っているモンスターに切りかかる。
「だいぶ飛んでいるモンスターも居なくなってきたね」
「ま、まだまだ私の仲間たちはいるから!」
確かにベルテの周辺には魔法を使っていたモンスターなどがまだまだ沢山いる。
私は短剣を強く握りしめてある場所に向かって思いっきり投げた。
そのある場所とはベルテの肩に乗っているサフィだ。
「回復役から狙うのは戦いの基本だよね」
凄い速さで飛んだ短剣はサフィに突き刺さりそのままサフィは死んでしまった。
「サ、フィ?サフィー!」
これで回復は出来ないよね?いや魔法を使うモンスターがまだまだいるし回復魔法も出来るかもしれない。
「ラビリル……やってくれたね」
ベルテは目に見えて怒っているのが分かった、それだけサフィのことを大事にしているんだね。
「ほら、もっと私を楽しませてよ!ベルテ!」
どうせまだ何か隠しているんでしょ?ユニークスキルがモンスターを大量召喚出来るだけなわけないし。
「これをやると次の戦いに支障が出るけど負けたら意味ない……か――《仲間吸収》」
ベルテが何かのスキルを使うとベルテの周辺にいたモンスターたちが全てベルテに吸い込まれていきいなくなった。
「ふー……お待たせ」
ベルテはギランギランに目を赤黒く輝かせて私を見てきた。
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