第80話 スコーン、進化する
「一応聞いておくがこれ、いるか?」
腕とかが治って魔法研究所から出ていこうとするとおじさんが例の爆発する包帯を渡してきた。
「うーん、何かに使えるかもだし一応貰っておくよ」
爆発さえしなければかなり高性能な回復アイテムだし貰っておけるものは貰っておこう。
「じゃ、暇な時にまたくるね」
「おう、またな」
おじさんに別れを言って魔法研究所を出ていった。
「さーて、スコーンのレベル上げするかー!」
スコーンを召喚して乗り適当に砂漠を走り抜けながら見つけたモンスターを倒して回った。
「スコーン!《毒液》」
私の指示通りに毒液を放ってモンスターを倒してくれる。
「スコーンは本当にいい子だよね」
パラもいい子だと思うんだけどすぐに反抗して私の手とか腕を狙ってくるから大変なんだよ。
たまに勝手に出てくるし満足したら勝手に帰っていくし。
「この外殻?みたいなのすべすべでカチカチだしカッコいいよね」
私はスコーンの頭をポンポン撫でる。
するとスコーンは張り切っているのか少しだけ走るスピードを上げて目の前にいたモンスターを轢き殺していった。
『スコーンのレベルが上がりました』
『スコーンのレベルが上限に達しました。進化が可能です』
ついにスコーンも進化するね!
『進化先を選んで下さい』
『キングデザートスコーピオン』
『ナイトスコーピオン』
『ダークスコーピオン』
『アサシンスコーピオン』
キングデザートスコーピオン……デザートスコーピオンの王。全体的にステータスが上がる。
進化条件……デザートスコーピオンをレベル20にする。
ナイトスコーピオン……使役者を守ることに特化したスコーピオン。全体的にステータスが下がるがHPと防御、俊敏が大幅に上がる。
進化条件……使役者を庇って死亡したことがある。
ダークスコーピオン……闇魔法を覚えたスコーピオン。全体的にステータスが下がるがMPと賢さが大幅に上がる。
進化条件……使役者が闇魔法を覚えている。
アサシンスコーピオン……素早く動き敵を暗殺するスコーピオン。全体的にステータスが下がるが筋力と俊敏が大幅に上がり少し身体が小さくなる。
進化条件……敵に背後から致命傷を与えたことがある。
「パラより1種類多い……どれにしよう」
とりあえずキングデザートスコーピオンとダークスコーピオンは無しだよね。
ナイトスコーピオンかアサシンスコーピオンのどっちか……。
「アサシンスコーピオンって名前、めっちゃカッコ良さそうなんだけど……身体が小さくなるってのが気になる」
スコーンに乗れなくなるのはちょっと嫌だなぁ。
どれくらい小さくなるのか分かれば良いんだけど分からないよね。
「となるとナイトスコーピオンだけど守るのってパラと少し被るような……」
足は早いらしいけどパラも10分だけ超高速移動するしやっぱりアサシンスコーピオンにしようかな。
「スコーンはアサシンスコーピオンの方でいい?ダメなら私のことを攻撃してね」
スコーンは特になんの動きもなく私のことを見つめてくる、アサシンスコーピオンで問題ないようだ。
『スコーンをアサシンスコーピオンに進化します。宜しいですか?』
「はいっと」
ポチッと進化ボタンを押すとスコーンが光り始めた。
そして光りながらスコーンの身体が縮んでいく……。
そして車くらいの大きさから自転車くらいにまで縮んだ後に光るのが収まった。
「小さくなって可愛さが増した気がする」
見た目は前と変わらないね、かっこよさに可愛さが追加されたね。
『スコーンがアサシンスコーピオンに進化しました』
『スコーンがスキル《影移動》を取得しました』
『スコーンがスキル《透明化》を取得しました』
『スコーンがスキル《神速》を取得しました』
『スコーンがスキル《闇討ち》を取得しました』
『スコーンのスキル《物理攻撃軽減》が消滅しました』
『スコーンのスキル《無敵突進》が消滅しました』
『スコーンのスキル《自己犠牲》が消滅しました』
新たなスコーンの誕生であった。
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