第78話 勝ち?逃げ魔法少女

「予選バトルロイヤルしゅーりょー!予選を突破したプレイヤーは合計で11名でした!」


予選前にいた場所まで転移で戻されると由佳さんが色々と喋っていた。


「現在、集計中です!しばらくお待ちください!」


11名かぁ、誰が生き残ったんだろう……?


特にやることもなく暇だったので適当に歩き回って時間を潰した。


「ラビリルー久しぶり」

「あ!ベルテ!」


歩き回っていると肩をちょんちょんと叩かれて後ろを向くとベルテがいた。


「ベルテもやっぱり第二回イベントに参加してたんだね?」

「まあね、これでも強くなったつもりだよ」


確かに前一緒に遊んだ時と武器とか装備品の全てが変わってる。


ベルテは予選突破したのかな?


「ところでなんか私と同じくらいの女の子がラビリルに勝ったって至る所で言いふらしてるんだけど」

「はい?」

「ほら、あっちの方」


ベルテが指差す方向をみると例の魔法少女が何かを叫んでいた。


「私!なんと、ライバルのラビリルに勝ったんだよ!ねえねえ、聞いて!」


あの魔法少女!絶対に今度はボッコボコにしてやるぅ!


「ね、でしょ?それで実際はどうなの?」

「……」

「え?本当に負けたの?!予選敗退?!」

「予選は突破したから!……あいつは逃げ回っていただけだから!」


そう、普通に戦ったら私が絶対に勝つ……はず。


「お待たせしました!明日の決勝トーナメントのトーナメント表です!」


ついに明日の決勝トーナメント表が発表された。


あの魔法少女とすぐに当たりますように。


第一回戦 エスクードVS暗黒堕天使


第二回戦 ラビリルVSベルテ


第三回戦 猫の助VSアルマ


第四回戦 あるふぁVS闇


第五回戦 モブVSアルテナ


シード スノーピンク


あの魔法少女、シードだ!私と戦うなら決勝か準決勝だね。


そして私の対戦相手はなんと今隣にいるベルテ。


「ベルテも予選突破してたんだ!すごいね!」

「はぁ、初戦からラビリルかー」


ベルテとの戦いはベルテだけではなくサフィの魔法も気をつけないとね。


「やったー!シードだ!」


遠くの方で魔法少女がぴょんぴょん跳ねて喜んでいる。とことん運が良いね。


「トーナメント表は完全ランダムです!あと最終的に3名のプレイヤーが残ると思いますがくじ引きでまたシードを決めます!」


くじ引きかぁ、私は戦いたいからシードじゃない方がいいな。


「決勝トーナメントのルール説明をします!」


そういえば決勝トーナメントのルール説明は無かったね。


時間は30分、回復系、バフ系のアイテムは全て無しだが攻撃系のアイテムはあり。


予選と同じくスキルのクールタイムはリセットされるがアイテム使用や装備品を犠牲にするスキルなどでの消失はリセットされない。


時間経過で勝敗が決まらなかった場合は与えたダメージの総量が多い方が勝ち。


与えたダメージの総量も同じだった場合は制限時間5分で両者残りHPを1にしたサドンデス。


それでも勝敗が決まらない場合はジャンケンらしい。


「ではまた明日、会いましょう!みんなバイバーイ!」


手を振りながら由佳さんは消えていなくなった。


「じゃ、私は最後のレベル上げしてくるよ」

「また明日ね、ベルテ!」


ベルテはレベル上げにどこかへ行ってしまった。


私もスコーンのレベル上げしようかな?


「あ!私に負けたラビリルじゃん!おーい」

「……」

「あれ?聞こえてないのかな?」


呼ばれた気がするが気のせいということにして私は第二層に向かっていった。


「くう!こんなにムカムカしたの初めてだよ!」


ボカっとカカシを殴りつける。


「お、おい……いきなりくるのはいつものことだが今日は一段と凶暴だな、相変わらず扉を蹴飛ばして入ってくるし」


スコーンのレベルを上げようと思ったんだけど今は魔法研究所でストレス発散のためにカカシを殴りまくっていた。


「ちょっとだけムカついててね……とりゃ!」


殴るだけではなく蹴ったり短剣でブスブス刺したりしたりもした。


「ここで暴れる分には構わないがマジで隣の部屋にある貴重なアイテムたちには気をつけろよ?何かぶっ壊しやがったら弁償だからな!」

「うん、わかった!弁償するなら壊してもいいって事だね!」

「違ぇわ!」


違うのか……。

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