第76話 予選バトルロイヤル3

「パラめ…」


HPは全回復したけど腕、凄く痛かったよ?今回は大人しいと思ったのにやっぱりずる賢いよね。


「あれ?何か落ちてる……ってポーション!」


よく見たらそこら中にアイテムが散らばってるじゃん。


「プレイヤーが死ぬと持っていたアイテムは落とすんだね」


回復ポーションあるなら痛い思いして回復しなくても良かったじゃん……。


「ま、まあ回復ポーションを温存出来たって事でよしとしよう」


さて、次の敵はどこにいるかな?


マップを見てみるが当然近くにはいないしそもそも数が減ってきていた。


「とにかく1番近いところに行ってみよう」


1番近いところは……さっきまで私がいた平原になんか1人だけいるね。


他は誰もいないのに何故か1人だけいる。


「誰かを待ってる……?私かな?」


近くにいるのは私だし誰かが私のことを待っているみたいだ。


「誰かな?前イベント上位は分けられているはずだけど……」


私は誰かが待っているであろう平原へと向かって走った。


「ん?あれかな?」


凄い仁王立ちして私のことを見てきている。


「きたね!私のライバル、ラビリル!」

「……誰?」


なんかピンクのツインテールで白いフリフリした服を着た女の人が私のことをライバルとかいって叫んでいた。


背丈は私より大きいね、見た目的には年上かな?


「私の名は魔法少女スノーピンク!あなたを倒しに来たよ!」


なんか魔法少女とか言ってるよ、この人。


「それで魔法少女さんがなんで私のことをライバルとか言ってるの?会ったことあったっけ?」

「え?ラビリルも魔法少女って言われてるのを聞いたんだけど……同じ魔法少女として負けるわけにはいかないじゃん!」


いや魔法少女なんて言われたこと無いんだけど……?


……いや一応、破壊少女って言われているんだっけ?


「魔法少女じゃなくて破壊少女らしいよ?私も認めて無いけど」

「破壊少女?同じようなもんじゃない?」

「同じじゃないと思うけど……そしてそもそもなんで森にいるのが私ってわかったの?」


スキャンされても森にいるのが私ってことは分からないと思うんだけど……。


「え?マップの赤い点を触ればプレイヤーネームが出るよ?」


そうだったの?!そんな機能知らないんだけど!


「そんなことより!勝負だ〜!」


スノーピンクはいきなり杖を構えながら私に向かってきた。


「マジカル〜《ファイアボール》!」


何がマジカルなのか分からないけど普通の魔法を使いながらその魔法と共に向かってくる。


私は魔法を避けてから振り回してきた杖を掴む。


「魔法少女って言う割には物理攻撃じゃん!」


普通に杖で殴りかかって来たんだけど!


「いや〜MP回復ポーション落ちてなくてあれが最後の一発の魔法だったんだよねー!」

「なんで戦いに来た?!」


私は杖をガッチリ掴んで離さないようにする。


スノーピンクは力を込めて杖を引っ張って私から離そうとしているんだけど筋力が私の方が高いみたいで全然余裕だった。


「力強っ!魔法少女なのに!」

「だから魔法少女じゃ無いって言ってるでしょ!」


そもそも筋力は装備品でしか上げてないからね?


「くぅ……このままじゃ杖が取られちゃう!《跳躍》」

「え?」


スノーピンクが急に空高く跳んでいって杖を掴んでいた私も一緒に跳んでしまった。


「私の杖を離せ〜!」

「わわわ!」


いきなり空高く跳ばされて杖を掴んでいた力が弱くなり私は杖を離してしまった。


「高っ!落ちるー!」

「実は私も!」


私とスノーピンク、どちらも空高いところから落下した。


「いたたた……」

「杖は取り返させてもらったよ!」


あんな高いところから落ちたのに元気だね……ダメージはあんまり無いけど普通に痛かったよ。


「今はまだ勝てなさそうだから一度撤退させてもらうよ!ラビリル、また決勝トーナメントで会おう!」

「いや、逃がさないよ?」


なんか逃げようとしているので私は急いでスノーピンクに近づく。


「じゃ!《テレポート》」


腕を掴もうとするがギリギリのところで掴めずスノーピンクは目の前から消えていった。


「消えた……」


なんか転移みたいに一瞬でいなくなったよ。


魔法じゃないよね、MP無いって言ってたし……ならスキルかな?


ピコンッ


「あ、スキャンの時間だ」


スノーピンクはどこまで転移したんだろう?


そう思ってマップを開いてみるが周辺に赤い点は見当たらない。


なので赤い点を近い順にぽちぽち触っていくと見つけたのだがなんと遠くの方にある山のところまで移動していた。


「徒歩だと30分くらいはかかりそうな距離なのに……凄いスキルだね」


あのスキル欲しいなぁ、あれがあればいつでもすぐに目的の場所いけるじゃん。


何か条件とかはあるんだろうけど絶対に便利だよね。


「今度会ったらスキルの取得条件聞いてみよっと」


まあ、簡単には教えてくれないだろうけど。


そんなこと思いながらスノーピンクを追いかけに山の方へと向かっていった。

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