第70話 悪魔再降臨

「ああ!天使の神殿を壊すの忘れてた!」


悪魔に気を取られて大変なことを忘れていたよ……。


しかしもう街に着いてしまった、天使の神殿まではそこそこ遠い。


「また今度にしよ、いつでも壊せるし」


それよりも悪魔だよ、あいつをボッコボコにしたくてしょうがない。


「ふんふーん、あの母親は何処にいるんだっけ?」


前に見つけた場所を忘れてしまった、適当に歩いていたからなぁ。


多分また叫んでるだろうから適当に歩いてたら聞こえてくるでしょ。


「誰か!誰か娘を助けて!」


おっ!いたいた!


やっと見つけた、意外と見つけにくい場所に居たんだね。


私は一連の流れを行なってからクエストのために盗賊のアジトに向かって行った。


「こんにちは!」


やっぱり門番はいないからウキウキで中へと入っていく。


「なんだテメェ!」

「侵入者だ!」


そして言うセリフまで同じ、この人たち一体いつのまに復活しているんだろうね。


クエストを受けたら復活するのかな?


「じゃあねーばいばい!」


目の前にいた盗賊に近づいて1人は蹴飛ばし1人は殴った。


前に戦った時と比べて2倍くらい俊敏が上がってるし余裕だね。


「なんだこいつ……強いぞ!気をつけ――」

「《断罪》」


普段使わないこのスキル、雑魚相手だとめっちゃ便利だね。


次々と現れる盗賊、範囲内にいた盗賊に心臓付近の場所や首などが赤く光る。


私は光っている部分を短剣でぶっ刺したり切ったりする。


「やっぱり一発だと味気ないなー、どうせ一発で壊すなら頭潰したりした方が楽しいよね」


あっやっぱり盗賊が逃げようとしている。


「パラ!盗賊を逃がさないようにしといて!」


前回と同じくパラを洞窟の入り口に置いておいておく。


パラは盗賊を麻痺粉で麻痺させて動けなくしたあと私に向かって転がってきてくる。


「おっと!今回は食べさせないよ?」


何故か口を大きく開けて私の腕を食べてこようとしてきたので避けた。


流石に何度も食べられる私じゃないよ!


「はいはい、拗ねないの!そんな悲しそうな感じで転がっても食べられるのは嫌だからね!」


私が避けた瞬間にパラがめっちゃ悲しそうな目で(目は無いけど雰囲気)見てくる感じがする。


そんなに私の腕食べたいの?凄く痛いから嫌なんだけど……。


「とにかく盗賊頼むね!ドラゴンのお肉なら大量にあるから後であげるね!」


とりあえずパラは盗賊をムシャムシャ食べているのでここは任せても大丈夫だろう。


「私は手っ取り早く盗賊のボスを倒して悪魔をボコボコにしないと!」


私は道中の盗賊を適当に蹴散らしながら奥へと進んでいった。


「お前か、侵入者というのは」


玉座で座って私を見上げるムキムキな男の人、盗賊のボスだ。


「そんなところで座ってないではやく来てよ!」

「良くも俺様の手下をやってくれたな」


やっぱり若干話が噛み合わない。


「俺様が相手をしてやろう」


盗賊のボス Lv25


前戦った時はそこそこ高レベルだと思ったんだけど悪魔とか天使さんに比べたらあんまりだね。


「《風龍の加護》!速攻でぶっ壊す!」

「何?!」


盗賊のボスがゆっくりと立ち上がるのがもどかしくて立ち上がる前に殴りかかった。


「この!貴様!卑怯だぞ!」

「卑怯?悪党が何を言ってるの?」


押さえつけて盗賊のボスを殴り続ける。


「あはっ!まだ耐えてよ?こんなんじゃ私は止まらないからね!」

「グヘッ!ちょ!まっ!」


盗賊のボスが何かを喋ろうとするが喋る前に顔を殴っているので喋ることが出来ていない。


『"盗賊のボス"を討伐しました』


私が一方的に殴っていると盗賊のボスは死んでしまった。


「あー終わっちゃった……まあ、後は悪魔で楽しもっと」


私は入り口に戻ろうとして思い出した。


「そうだ!攫われた女の子忘れるところだった」


そもそも一応の目的は攫われた女の子を助けることだったよ、悪魔のせいで忘れるところだった。


奥の部屋で女の子を発見して盗賊の生き残りがいないか様子を見つつ入り口まで運んで歩いた。


「あ、パラ!お疲れ〜」


しっかりと盗賊を逃さず食べてくれたパラにドラゴンのお肉をあげる。


そしてやっぱり私自身を狙っているようでたまに食べようとしてくる。


『特殊条件をクリアしました』

『悪魔が降臨します』


「よーし!こい!悪魔!」


私は女の子を置いて少し遠くに離れ悪魔の降臨を待った。

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