第68話 三つ目の素材ゲット!

『"ドラゴン"を討伐しました』


「ドロップしない……」


十数体くらい倒したんだけど1つもドロップしない。


でもなんかもっとレアそうなドラゴンの心臓とかは2つもドロップしたんだけど……。


パラは私の手と腕食べて満足して帰っていっちゃったし。


「完全に倒すのが作業になっちゃってるんだよね」


攻撃パターンが同じだからヒットアンドアウェイでチマチマ削るだけで勝てる。


ただ近づいていると途中の粉塵爆発が避けれないんだけどHP半分しか受けないから避けずに攻撃を受けて耐えてる。


「色々工夫して倒してたんだけど飽きてきたなぁ」


初手で両目潰してドラゴンを機能不能にしたりスコーンに乗って弓で攻撃しまくって倒したり短剣のみで倒したり。


パラみたいにドラゴンに噛み付いたこともあったね、普通に鱗が硬くて歯が砕けた。凄く痛かった。


『レイドボス"ドラゴン"に再戦しますか?』


何回このメッセージを聞いたんだろう……。


「もう!血液なら搾り取ってやる!」


血液でしょ?搾り取ったら手に入るよね!うん。


「"破壊開始"」


今まで温存しておいた破壊者を使い破壊モードになる。


「搾り取るなら筋力いるからね!」


私はドラゴンのブレス攻撃をピョンピョン跳ねて避けつつドラゴンの両目をぐちゃっと潰した。


「アハハ、これでもう何も見えないネ!」


ドラゴンは一心不乱に爪攻撃をしたり至る所にブレス攻撃をしたりしている。


私はドラゴンの上に乗って攻撃を躱す。


「さて、どうやって搾り取ろう……大きすぎてつねることくらいしかできそうにないね」


とりあえずこの鱗が邪魔だなぁ、剥がそっと。


私はドラゴンの鱗をベリッと剥がしてポイポイ捨てる。


「剥がす時の音が気持ちいいね!楽しくなってきた」


ドラゴンの鱗を剥いで剥いで剥ぎまくっていくとなんかドラゴンの見た目が凄いしょぼくなってきた。


ドラゴンもなんとか私を離そうとして大暴れしているが残念ながら私には攻撃が届いていない。


「ほら!血液出してよ!ねえ!」


鱗が無くなって肌?みたいな場所が丸見えなドラゴンにブスブスと短剣を刺しまくる。


「めっちゃHP減ってくじゃん!」


今までチマチマ削っていたのが馬鹿らしくなるくらいの凄い勢いでドラゴンのHPが減っていった。


肌丸見えだと相当痛いらしいね。


短剣で鱗ごとぶっ刺した時もあったんだけどあれよりもダメージ受けている気がするんだけどなんでなんだろう……?


レッサードラゴンも沢山現れてきた。


「あーあ、手下呼んじゃうから私の筋力がもっと上がっちゃった!」


そうだ!絞るなら尻尾がちょうどいい感じじゃん!


私はそう思ったので早速スパッと短剣で尻尾を根本から切った。


「むむ!」


レッサードラゴンが群がってきて邪魔だったので適当にドラゴンを蹴っ飛ばしてレッサードラゴンにぶつけた。


「さて、どうせ意味ないと思うけど腹いせに尻尾から血液を搾りとってみよう!」


尻尾を手に持って思いっきり絞ってみる。


尻尾は私の筋力に耐えきれず捩じ切れてしまった。


「楽しかったけどやっぱり意味ないね!」


ブチって感じで千切れて意外と爽快だった。


「そろそろドラゴン倒しちゃお」


やっぱり目が見えないから私のところに向かってこないし適当に攻撃してるから大体がレッサードラゴンに当たってレッサードラゴンが死んでる。


そしてレッサードラゴンが死んだことで粉塵爆発をしているが私は離れていたから当たっていない。


私は粉塵爆発をドラゴンがしたのを確認するとすぐに近づいて肌剥き出しの場所に再び短剣を刺しまくった。


『"ドラゴン"を討伐しました』


「お、おー!ドラゴンの血液、ドロップした!やったー!」


なんど確認してもアイテム欄にドラゴンの血液が表示されている、そして何故かまたドラゴンの心臓がドロップしていた。


「あと一つ……もう嫌なんだけど」


今日はもう寝ようかなー、また夜更かししすぎると明日が辛いし。


誰かこのドラゴンの心臓とドラゴンの血液を交換してくれる人いないかな?


持ってそうなのはこの前のレイドパーティメンバーの人たちだけど貴重なレアドロップを交換といえど渡してくれるとは思えないし。


「魔法研究所のおじさんとか持ってないかな?なんかアイテムの研究とかなんとか言ってたし持ってるかも?」


持ってなかったら寝よう、持ってたらお金を大量にあげて何がなんでも貰おう。


私は早足で魔法研究所に向かっていった。


「おじさん、いる?」


バンと扉を蹴っ飛ばして中に入る。


「またお前か!扉をもっと大切にしてくれよ!」

「扉そのものを壊してないんだから良いじゃん、それよりも!ドラゴンの血液って持ってない?」


おじさんがすぐに現れて泣く泣く扉を直しはじめた。


「ドラゴンの血液?持っているがそれがどうし……」

「ちょうだい!」


私は勢いよく叫ぶ。


「お、おう……凄い勢いだな、しかしあんな貴重な素材はそう簡単にはやらんぞ?」


私はすぐにアイテム欄から沢山の素材を取り出す、あとお金も。


「ここにドラゴンの素材が沢山、そして大量のお金が……」

「ぐっ……しかしそれらは普通の素材だ、俺でも頑張れば手に入る。金も同じだ」


こうなったらあれだよ!


「あれー?こんなところにドラゴンの心臓が……」

「よし、交渉成立だ!ドラゴンの血液なんていくらでもくれてやるからドラゴンの心臓をよこせ!」


いえーい!ドラゴンの血液ゲット!


やっぱりドラゴンの心臓は激レアドロップだったんだね。


おじさんのあげてもあと2つ残ってるんだけどどうしよう、これ。


私はおじさんと素材を交換する。


「おお、これがあれば……」


なんかおじさんがぶつぶつ何か言って研究を始めちゃったから私は何も言わず扉を蹴飛ばして出ていった。

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