第67話 また食われた
「そろそろクールタイム終わるかな?」
時間的には24時間が経ちそうだしドラゴンと戦うかー。
流石に新装備にしてるとはいえあのドラゴンを1人で倒すならユニークスキルじゃないと無理そうだもんね。
30分でどれだけ倒せるか、すぐにドラゴンの血液がドロップしてくれると助かるんだけどそんなおいしい話は無いよね……。
『レイドボス"ドラゴン"に再戦しますか?』
「よし!行ってみよう!」
はいと選択すると目の前にボスゲートが現れたので私はゆっくりと中へ入っていった。
ドラゴン Lv25
「前と同じだね《風龍の加護》」
スキルを使って俊敏を上げグンと身体が軽くなる。
ドラゴンは私に向かってブレス攻撃をしてこようとしていた。
「それはもう何度も見たよ!」
地面を強く蹴るように跳んでドラゴンのブレスを避ける。
そしてそのままドラゴンに向かってドロップキックをかます。
「あ、なんか目ん玉にキックしちゃった」
適当にドラゴンの顔を蹴ったらちょうど目ん玉でグチャって潰れちゃった。
ドンドンと地響きをたててドラゴンが後ずさる。
私がドラゴンの前に着地するとドラゴンは潰れていないもう片方の目で私をジロリとにらみつけてきた。
「これ、両方の目を潰せば簡単に勝てたりする?」
私は短剣を手に持って無事な方の目に向かって投げてみた。
しかしドラゴンは短剣に気づいてペシっと爪で短剣を弾いた。
「まあ、そんなうまくいかないよねー」
ヒョイヒョイっとドラゴンの爪攻撃を上や横に跳んだりして避ける。
避けては近づいて殴ったり蹴る、それを繰り返して地道にドラゴンのHPを削っていった。
「なんかだんだん作業になってきた」
近づいている時にブレス攻撃はほとんどしてこないし爪攻撃はよく見たらちゃんと避けられるし《風龍の加護》を使っている間なら攻撃出来るくらい余裕で避けられる。
ドラゴンは鱗が硬いから殴ってもあんまりダメージが無いけどチマチマと減らしていけばこのまま勝てそうだね、最初に大ダメージを与えられたのが大きかった。
「あ、なんか手下呼んできた」
レッサードラゴン Lv15
そういえばHP半分切ると手下を沢山呼んでくるんだった。
なら、私も呼んじゃお!
「パラ!存分に暴れちゃっていいよ!」
私の前にパラを召喚する。
パラはレッサードラゴンを見つけると一目散にゆっくりとコロコロ転がっていった。
「おー次々とレッサードラゴンが麻痺になってるね」
レッサードラゴンはパラを見つけると噛みつこうとして逆に麻痺粉で返り討ちになっていた。
パラはバッタバッタと倒れて動けない沢山のレッサードラゴンをパクパク食べてる。
しかし賢さが高くないはずなのに何故あんなに麻痺粉が効いているんだろう……レッサードラゴンも賢さ低いのかな?
「とにかく私もパラに負けないように頑張らないと!」
「とりゃとりゃ!」
初手で片目を失ったドラゴンはなんか少し動きが鈍い気がする、視野が狭くなっているからかな?
しかしもう片方の目は狙ってはいるんだけど潰せなさそうだ。
ドラゴンが徹底的に目だけは守り通そうとしている。
「両方の目を潰せたら楽に勝てるんだけどなー」
あれ?なんか私の周りに赤い粉みたいなの舞ってない?
「あ、やべっ……」
ドカンッ
激しい爆発で私は遠くに飛ばされた。
「痛い……うう、こんな攻撃もあったの忘れてたよ」
ただ前よりも防御が高くなってるからまだ半分くらいはHPが残ってるもんね!
ドラゴンの方を見るとドラゴンは吹っ飛ばされた私に追加でブレス攻撃をしようと口を大きく開けていた。
しかしドラゴンはブレス攻撃をする前になぜか吹っ飛ばされて転んでいた。
「え?何が起こったの?」
目を凝らしてドラゴンを見ると小さな何かが高速で動いているように見えた。
「あっ……あれパラだ」
パラはぶっ壊れスキル《スロースタート》でドラゴン相手に無双していた。
高速で体当たりしてドラゴンを吹っ飛ばしているみたいだ。
シュンッ
「へ?なんか私の横をパラが通って……」
なんか急に腕の感覚が無くなったんだけど……。
「ぎゃあああ!私の腕がああああ!」
またパラに食われたー!めっちゃ痛いいいい!
こんどは手じゃなくて腕ごと食われた!
『"ドラゴン"を討伐しました』
あ、ドラゴン死んだ。
そしていつのまにかパラが私の前にいる。
「ちょっと、パラ!流石の私も今回ばかりは怒るからね!いきなり腕食べるのはやめてよ?めっちゃ痛いんだから!」
私がぷんぷん怒るとパラは反省したのか私の前でちょこんと座り込んで頭を下げた。
おお!パラが謝るなんて……。
「もう、今度からは食べないでね!ドラゴンを倒してくれたのはありがたかったから」
パラの頭をポンポンと撫でてる、相変わらずぷにぷにふよふよで気持ちいい。
バクッ
「ぎゃあああ!私の手がああああ!」
撫でていた手も食われた私であった。
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