第63話 光る目の秘密

「見てみてあるふぁさん!新しい攻撃方法!」


ミイラの包帯を引っ張ってグルングルン回す。


ミイラも包帯にくっついているので一緒に回ってミイラを吹き飛ばした。


「ちょっ!危ないのじゃ!我に当たるのじゃー!」

「アハハ!たーのしい!」


あるふぁさんはヒョイっと簡単にミイラを避けてくれるので私は構わずミイラで遊び続けた。


「だいぶ数が減ってきたね」

「あと数十体くらいじゃな」


あるふぁさんの方を見てみると何故かあるふぁさんが焦っているように感じた。


数が減っているのになんで?もしかして時間が掛かってるから何かこの後予定でもあるのかな?もう深夜だけど。


「よし!最後の仕上げじゃ!」


なんかあるふぁさんの目の光が弱々しい気がする……最初の頃は虹色の光が強く輝いていたはず。


そして今もどんどん弱くなっているように感じた。


「《ファイ――あ」


あるふぁさんが魔法を放っていると目の光が無くなりいつものあるふぁさんに戻ってしまった。


「あ!ユニークスキルの効果時間!」


私の破壊モードは30分+倒した敵の分だけ1秒延長だけどあるふぁさんのは短い時間で延長とかもないのかも。


私のがまだ20分くらいあるからあるふぁさんのユニークスキルの効果時間は10分くらいかー。


「バレてしまったのじゃ……」

「あるふぁさんのは短いんだね」


いやーこれは第二回イベントでもしあるふぁさんと戦うことになったら有利な情報ゲットしちゃったね!


最悪、勝つなら時間を稼げばいいってことだね!


あと目の光でユニークスキルの効果時間がある程度わかるんだね、私もなのかな?


「ラビリルは……まだまだ続きそうじゃな」


あるふぁさんが私の目を見てきたということはやっぱりそういうことなんだろうね。


「あとはラビリルに任せるとするのじゃ……我はもうMPが」

「任せて!」


最後の方は小声でよく聞こえなかったけど、とにかく残り少ないミイラで遊んでこよっと。


本当このミイラ、物理に強いのか沢山殴ってもあんまり壊れないし最高だね。


その分、魔法ですぐに焼け死ぬから魔法に弱いのかもね。


実際私はミイラと遊んでたから8割くらいあるふぁさんがミイラ倒したし。


『"ミイラの群れ"を討伐しました』

『ボス撃破のお知らせ!第二層西エリアであるふぁパーティがミイラの群れの初討伐に成功しました!おめでとうございます!』


「終わったー!」

「お疲れなのじゃ」


いつものごとくいつのまにか宝箱が出現している。


私は破壊モードを解除して宝箱に近づいた。


「開けて良い?開けるね?」

「どうぞなのじゃ」


何があるかなー、特に欲しいものはないけど珍しいものだといいな!


私はパカリとゆっくり宝箱を開けて中身を見る。


「えっと、盾?」

「大盾じゃな、我らには不要なのじゃ」


宝箱には1つの大盾と沢山のお金が入っていた。


「金は金欠じゃったからありがたいのじゃ、大盾の方は……エスクードにでも売っておけば大金になるのじゃ」

「ええ……確かに大盾好きそうだけど」

「我に任せとくのじゃ」


そういうことなので大盾はあるふぁさんに渡してお金は半分に分けた。


「ふわぁ……じゃあ、我はもう寝るとするのじゃ」

「私も寝ようかな、明日も学校あるし」


あー土日が待ち遠しいなぁ、前はそんなこと思わなかったのに。


「次に会うときは第二回イベントかな?」

「そうじゃな、それまでにエスクードから大金ぶんどっておくのじゃ」


可哀想なエスクードさん。


「じゃあおやすみー」

「おやすみなのじゃ」


私たちはお互いに分かれてログアウトした。


「んー今日も楽しんだね!」


ベッドでゴロンと転がり身体を伸ばしてリラックスする。


明日はさっき大量に手に入れたミイラの包帯を魔法研究所のおじさんに渡して……。


色々なことを考えている間に私はいつのまにか眠りについていた。

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