第46話 第二層へ
「それでこれからどうする?私は一度戻ろうと思うのだが」
このボスゲートみたいな第二層への道?というか扉?の前で話す。
「俺は行くぞ……と行きたいところだが明日は仕事だ、ログアウトするとしよう」
「我は猫の助の様子を見に戻ろうかと思うのじゃ」
え?みんな帰るの?
「それでラビリルは……行きたそうだな」
「まあ、我らは大体やり尽くしてレベル上げか隠しイベントを探すくらいしかやることなかったのじゃから仕方ないじゃろ」
だからなんでバレてるのー。
「じゃあ、私が1番乗りで行っちゃうね!色々楽しんじゃうもんね!」
新しい場所はどんなところなんだろう。
まだフレンド登録していないあるふぁさんと一応エスクードさんも登録して私たちは別れた。
そして私は第二層への道へ進む。
「眩しっ!」
目を開けると砂の世界が広がっていた。
「おお、なんかエジプト?みたいな感じだ」
日差しも強いけどゲームだからか特に暑さとかはない。
『第二層へようこそ。ここはオアシスの街です』
『第一層へ戻る場合は後方のゲートをお使いください』
どうやらさっき出てきたゲートでそのまま戻れるらしい。
『第二層到達記念に美味しい水をアイテム欄に贈りました』
美味しい水?なんか聞いたことあるような……。
「美味しい水ー!一本100Gだよー!」
なんか至る所でNPCが美味しい水を売ってる、そして高い。
「ペットボトルに入っているのなんかシュールだね」
美味しい水を取り出してみると至って普通なペットボトルに入った水だった。
売っているのもみんなペットボトルのお水。
「まあ、そこんところはゲームっぽいよね」
世界観は違うけど便利だもんね。
「とにかく外に出てみよう、また東とかいけない場所あるかもだし」
懸命にお水を売っているNPCを横目に私は街の外へと向かった。
『第二層では広大な砂漠が広がっており東西南北の奥地にボスゲートがあります。推奨レベル25〜』
ヘルプくんが色々教えてくれた、奥に進むほどモンスターが強くなっていくのだろう。
「こんなに日差しが強いのに全然暑くないねー不思議」
サンサンと日差しが私を襲うがちょっと眩しいだけでなんともないのが不思議でたまらない。
「ん?なんかHPの下に青いゲージ?みたいなのが増えてる」
今気づいた、そして少しづつ青いゲージが減っている。
『水分ゲージです。外にいる間、少しづつ減少し無くなるとHPが減少します』
『街中では減少しませんが回復もしません』
『水分ゲージは美味しい水を飲めば回復します。ポーションや飲み物などでは回復しません』
なるほど!だからみんなお水を売っていたんだね!
「ごくごく……おお、確かに回復した」
さっき貰った美味しい水を飲むとすぐに水分ゲージが回復した。
「なら早速、街に戻ってお水を買いに――」
買いにいこうと思い私は気づいてしまった。
「美味しい水……水筒!」
忘れ去られていた第一回イベントの限定アイテムの水筒。
確か美味しい水が無限に飲めるっていう性能だったはず。
「あ、回復した」
水筒を取り出して水を飲むとしっかりと水分ゲージが回復した。
「それになんか水分保護っていう効果も付いてきたんだけど……」
説明を見たら数分間、水分ゲージが減らないらしい。
とっても便利だ。
「お金もかからないし最高じゃん!」
こんなところで活躍するとは思ってもいなかった。
「なんか微妙とか思ってごめんね!」
ここでは重宝しそうだ。
ちなみにパラには水分ゲージとかあるのかな?
そう思ったのでパラを召喚してみる。
「パラには水分ゲージとか無さそうだね」
砂漠にキノコは辛そうだと思うんだけどなんともないんだね。
しかし足元の悪い砂漠ではパラは動きにくそうだった。
めっちゃぽてぽて転けてる、可愛い。
そんなこと思ってたら地面から大きめの蛇が現れてパラがパクッと丸呑みされてしまった。
「パラー!!!」
デザートスネーク Lv24
「良くもパラを……」
そう思って攻撃しようと思ったのだがよく見たらパラのHPは全くと言っていいほど減っていなかった。
「生きてるの?丸呑みされて?」
デザートスネークは私をジロリと見てくる。
「とにかく生きてるならあいつを倒してパラを取り返す!」
そんな事言っていたらいきなりデザートスネークが倒れはじめる。
「え?何?」
少し近づいてみると死んではいないようで長い身体をピクピク動かしていた。
「ああ!パラの麻痺粉!」
このデザートスネークは麻痺していた。
食べられたのにパラはデザートスネークの身体の中から麻痺粉を撒き散らしたらしい。
「多分パラは捕食しているんだと思うけど筋力低くて食べるの時間かかりそうだし私も攻撃しちゃお」
私は足を上げてデザートスネークの頭を思いっきり踏み潰した。
「お、死んだ死んだ」
そのままデザートスネークは砂のように消えていった。
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