第45話 レイドクエスト3
「ドンッドン!俺に攻撃してくれぇ!もちろんラビリル達も良いぞぉ!」
嬉々としてドラゴンに近づき爪攻撃で切り裂かれながら叫ぶエスクードさん。
なんであれで死なないの?!
「なんなのじゃ……まあ良い、我らもいくとしよう」
アルテナさんとあるふぁさんもドラゴンに向かっていく。
俊敏は私が1番高いようで1番にドラゴンの前までたどり着いた。
そして私にも爪攻撃が襲ってくる。
「アハハハッ!残念」
爪攻撃に対して回し蹴りをして吹き飛ばす。
「ラビリル!飛べ!」
後ろから叫び声がして咄嗟に飛ぶ。
すると飛んだ瞬間にオレンジ色の光線が私の下を通っていった。
ジュッと音がしてドラゴンの腕が焼ける。
「《ファイアボール》×50」
そしてとんでもない量の魔法がドラゴンに放たれる。
「最高の熱さだ……」
「あ、すまんのじゃ」
ちなみにとんでもない量の魔法はエスクードさんにも当たっていた。
「しかし何故エスクードは死なない?」
「逆に倒したくなってきたのじゃ」
回復魔法を使っている様子もない。
なんだが余裕が出来てきた。
そして再度ドラゴンのブレス攻撃が来ようとしていた。
それに気づいた3人はアルテナさんは謎のビーム、あるふぁさんは魔法、私は隠していた短剣をドラゴンの頭にぶつけた。
見事にみんなの攻撃が当たりドラゴンが後退る。
「うぉぉ!いくぞラビリル!」
そして尻尾を掴んだエスクードさんがドラゴンをブンブン振り回し始める。
「ねぇ、なんで私の名前言うの?!こっちに投げ飛ばそうとしてない?」
あれ?隣にいた2人は?
「頑張るのじゃ!」
「さすがに私もあれは受け止められん」
いつも間にか2人とも私から離れていた。
そしてドラゴンの巨体が私に投げ飛ばされる。
「マジ?やるしかないかー!」
グッと足に力を入れて思いっきり飛ぶ。
さらに拳に力を込めて……。
「飛んでけー!!」
投げ飛ばされたドラゴンを殴り返した。
「何ぃ!グハッ!」
そしてドラゴンはエスクードさんと共に壁に叩きつけられる。
『"ドラゴン"を討伐しました』
『レイドクエストをクリアしました』
『第二層への道が開かれます』
「ふむ、良い笑顔じゃ」
「最高に楽しそうだな、ラビリル……おっと」
私が余韻に浸っているとトンと肩を叩かれて無意識に叩かれた方向を殴ってしまった。
アルテナさんは私の拳を受けとめる。
「あっ……アルテナさん」
「前もこんなことあったな、この前は不意打ちでやられたが」
「ごめんなさい」
最後の吹っ飛ばすやつ、めっちゃ楽しくて我を忘れてた。
私はこれ以上何か被害がある前に破壊モードを解除する。
私が解除するとアルテナさんとあるふぁさんも目の光が収まっていったので解除したのだろう。
「ところでエスクードは死んだのか?」
「ドラゴンに潰されおったのじゃ……ふむ、生きておるな」
ドラゴンが消えていくとエスクードさんが目をキラキラさせてこちらを見ていた。
「ラビリル!良い攻撃だった!む?もうユニークスキル解除したのか?もったいない」
至ってピンピンしているエスクードさんがこちらへ向かってくる。
「お主、あのゾンビ的生存能力はなんじゃ?」
「秘密だ!俺の顔をラビリルが殴ってくれるなら喜んで教えるのだが……ラビリルにだけだが」
「ヒッ!」
目をギラギラさせたまま私を見てくる。
「ラビリル、こやつなど放っておいてあの巨大な宝箱を見にいくのじゃ」
ドラゴンが消えて巨大な宝箱が出現していた、そしてボスゲートみたいなものも出現している。
多分あれが第二層への道なんだろう。
「これ、私が開けて良いの?」
「どうせ誰が開けても戦ったメンバー全員に報酬が配られるのじゃ」
そうなんだ、じゃあ開けちゃおっと。
ガチャリと大きな宝箱の蓋を開ける。
「ん?何これ?」
中には虹色の水晶?みたいなのが入っていた、しかし4人分だけ。
「む?なんじゃ?スキルオーブ?」
「見た目はスキルオーブだな」
アルテナさんとあるふぁさんも宝箱の中を覗き始める。
「うぉ!これめっちゃ凄い報酬だぞ!」
真っ先にエスクードさんが虹色の水晶を手に取る。
「なんじゃなんじゃ……!」
「これは……なかなか良いアイテムではないか」
私も手に取って説明を見てみる。
虹のオーブ……使用すると自身の求む武器(ユニークウェポン)に変化する。武器を望まない場合スキルオーブ(魔法)、スキルオーブ(物理)のどちらか選択した方に変化する
スキルオーブ(魔法)……未所持の魔法関連のスキルをランダムで1つ取得できる
スキルオーブ(物理)……未所持の物理関連のスキルをランダムで1つ取得できる
「おおっ……!」
これは強い!
「ところでユニークウェポンとはなんだ?」
「なんじゃ、知らないのか。その剣がユニークウェポンだと思っていたのじゃが」
アルテナさんはユニークウェポンというものを知らなかったらしい
「これは普通の剣だぞ、《太陽剣》は私のユニークスキルの一部だ」
「ユニークスキルを発動させなくとも使えるのか!ずるいのじゃ」
「その分色々と制約があるのだが……というか私だけか?ユニークウェポンを知らないの」
アルテナさんが私たちを見てくる。
「我はこの杖なのじゃ、性能はいわんぞ」
「俺はこの大盾だ、《攻撃誘導》のセットスキルがある」
そしてみんなが私を見る。
「えっと、私はこの短剣だよ」
短剣を持って見せる。
ちなみにさっき投げ飛ばしたのになんで手元に戻っているのかというと武器などは放置されたと判定された時点で勝手に元に戻る。
「戦闘中も気になっていたのじゃが、それどこから取り出しているのじゃ?」
「ひ、秘密だよ」
「まあ、我も秘密にしとるからお互いさまじゃな」
もう一つユニークウェポンを持っていることは教えない。
「ふむ、とにかく別格の強さをもつ武器だということは分かる……後で使うことにしよう」
「お披露目は今後あるであろう対人戦イベントでじゃな」
「ハッ!対人戦イベントでならラビリルに殴って貰えるのでは……?」
もし対人戦イベントがあってもこの人とは戦いが起きませんように。
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