第42話 レイドパーティ大集合

そして一週間が経った。


テスト勉強であんまりゲームができなかったけど出来る限りレベルを上げたりした。


「集合場所は噴水前……っと」


そして約束のレイドクエスト集合場所に着いた。


いつもは初心者の人ばっかりの場所なのだが今日は立派な装備をしている人の集まりが出来ていた。


今更なんだけど私、ソロなんだけど良いのかな?みんなパーティでいるのに。


「おお、ラビリル!こっちだ」


私に気づいたアルテナさんが手を振ってきた。


アルテナさんの近くにはいつぞやのボス戦の時にいた人たちがいた。


この人たちなんて名前だっけ?


「こんにちは!」

「これで全員集まったな」


どうやら私が最後だったらしい。


「おーい、あるふぁ!全員集まったぞ」


あるふぁさん、どんな人なんだろう?


「むむむ!了解じゃ……なんか少なくないか?」


声の先には私よりも背が小さな女の子がいた。


あの人があるふぁさん?私と同い年?


まあキャラメイクで見た目変えれるし見た目は関係ないか。


「これで全員だぞ。合わせて11人だな……む?すまん、少しログアウトする」


そう言ってアルテナさんは消えてしまった、何かあったのかな?


それにちょっと待って?11人って言ってた?20人までいけるんだよね?


「まあよい、これだけ実力者が集まれば勝てるじゃろ。」


そしてあるふぁさんらしき人は私の方を見てきた。


「お主がラビリルか!我は大魔道士あるふぁ!今日は共に頑張ろうぞ」


「あ、うん。よろしく!」


凄い大きな杖持ってるね、大魔道士って自分で言ってたくらいだし相当な魔法使いなのかな?


「おおっ!ラビリルではないか!今日は一緒に戦えて嬉しいぞ!」

「あ、猫の助さん。こんにちは」


猫の助さんは遠目から見てもすぐに分かった。


大きな身体で背中にでっかいハンマー背負ってるんだもん、分かりやすい。


「猫の助、我がラビリルと話しているんじゃ、邪魔をするではない」

「良いではないか!私もラビリルと話がしたいぞ!」


なんか言い争い始めたんだけど……。


「それにしてもあるふぁ、其方のパーティメンバーは無しか?レイドクエストと聞いたんだがこれで全員集まったらしいし1人なのだな」


グサッグサッ


「ぐふっ!」


あるふぁに言葉の刃が突き刺さる。


普通に私にも突き刺さった。


「我だけではない!ら、ラビリルもソロじゃ!それにあっちで座って佇んでいるエスクードとやらもソロじゃぞ!」

「ハッハッハッ!すまんすまん、そうであったな!」


なんと5パーティ中、3パーティがソロでした。


「ちょっと良いか……」


今の話を聞いていたのかエスクードさんらしき人がこっちに来た。


「なんじゃ、エスクード!文句ならそこの筋肉バカに言うのじゃ」


あるふぁさんがそう言うと何故か私をジロリと見てきた。


「いや、別に文句は無いんだが……ラビリル、ちょっと頼みがある」

「な、なんでしょう……?」


なんかこの人凄い私のこと見てくる!ちょっと、いや結構怖い!


「ラビリル!俺の事を殴ってくれ!出来れば決闘で!」

「へ?」


この人、急に何を言い出すの?!


「エスクード、お主……そう言う趣味だったのか」

「ハーッハッハッ!趣味は人それぞれだぞ、あるふぁ」


いや、猫の助さん!笑いごとじゃ無いから!


「あの生き物を物として見るような目、倒したら倒したで興味を無くすその目!そして今!俺をジットリと軽蔑するような目!そんな目をされながら殴られたくて殴られたくてもう我慢ができないんだ!」

「……」


怖い!凄い怖いよ!この人!


「エスクード、こやつは未成年じゃ……垢BANなるぞ」

「いやいや、未成年じゃなくともギリギリのラインだな!」


だから2人とも笑ってる場合じゃないって!誰かこの人止めてくれー!


私が後退り、離れていくとエスクードさんはどんどん私に迫ってくる。


「出来る事ならば例のユニークスキルを使って殴って欲しい!がこれからレイドクエストがあるからそれは我慢する!」


ゾワゾワと悪寒がして咄嗟に猫の助さんの裏に隠れた。


「ほら、あのラビリルが怖がっているではないか!いい加減にするのじゃ」

「笑いごとでは無さそうだな!ハーッハッハッ」


いや笑ってるじゃん!


「仕方ない……か、では代わりにあるふぁ!私を殴れ!」

「なんで我なのじゃ!」


2人が庇ってくれたおかげでなんとか逃れることが出来た。


代わりにあるふぁさんが犠牲になったけど。


「少し席を外している間にこれはどう言う状況だ?」


再度ログインして戻ってきたアルテナが今の状況に困惑していた。


「おらっ!歯食いしばるのじゃ!」

「グフッ!もっとだ!」


決闘と呼ばれる街中でもお互いダメージを与えられるモード?みたいなやつでボコスカとあるふぁさんがエスクードさんを一方的に殴っていた。


しかしエスクードさんのHPは全くと言って良いほど減っていなかった。


「あはは……」

「ハーッハッハッ!ラビリルの周りは面白いな!」


私のせいなの?!絶対違うよね?!


結局、エスクードさんが満足するまで決闘は続いた。

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