第35話 ガーディアンゴーレム戦
「そういえば公認プレイヤーになったんだよね?生配信見たよ……授業中に」
「あはは、なんか成り行きで……って聞き捨てならない言葉を言わなかった?!」
今、授業中って……いやリアルタイムなら時間的にそうなるんだけどさ。
「気のせいじゃない?ほら、モンスターが来たよ」
「誤魔化された気がする……」
吸血コウモリ Lv8
「コウモリだ、よいしょ!」
真っ直ぐ突っ込んできたのでそのまま殴ってみた。
大量のゴブリンを倒してレベルもそこそこ上がっていたので筋力にステータスポイントを振っていないのにワンパンだった。
「よっわ……」
「当たり前でしょ……推奨レベルとどれだけ離れていると思ってるの」
ベルテとパーティを組んでいるのでお互いのレベルは分かる。
ラビリル Lv27
パラ Lv19
ベルテ Lv11
サフィ Lv7
ベルテも前よりかなりレベルが上がってる。
「ほら、あれならちょっとはラビリルの攻撃に耐えられるんじゃない?」
「ん?おお、硬そう」
ベルテの示す先には石?岩のような石像がいた。
ロックゴーレム Lv7
ロックゴーレムは私たちに気づいたのかこちらに向かってくる。
「なんか動き遅くない?」
「まあ、石だし……その代わり筋力と防御が高いモンスターだよ」
私は自分から近づいてロックゴーレムの腕を殴ってみた。
バゴッ
「はえ?壊れちゃったよ」
身体ではなく腕だったので死んでは無いけど簡単に壊れてしまった、噴水の方が数倍硬かった。
「他のプレイヤーとか剣などに弾かれてたのよく見てたんだけど……魔法には弱いから私にとってはいい経験値だったよ」
「なんか拍子抜けだよ、ベルテ倒す?」
「良いの?やっちゃうね《ウォーターアロー》!」
ベルテの杖の先から水の矢が出てきてロックゴーレムを貫く。
ベルテの魔法も強くなってるね、そういえば私の闇魔法イベントで全く使わなかったよ……完全に忘れてた。
そもそも破壊モードはMP全て使うし無理だったけど。
それに今は修正されて破壊モード中にMP回復しても意味ないしね。
「やった!レベルアップ!」
「おめでとー」
ベルテのレベルが12に上がっていた。
それからはすばしっこいコウモリを私が適当に相手してベルテがゴーレムやら他のモンスターをって感じでどんどん先へと進んでいった。
ちなみに壁とか壊してショートカットしようとしたんだけど全力でベルテに止められた……。
「ここ、塔なんだけど?むやみやたらに柱や壁を壊していたら崩れるから!」
「えー、別に崩れてもどうせ治るから大丈夫だって」
「治るだろうけど私達も含む試練の塔の中にいる全プレイヤーが死ぬから!PK判定になったらラビリル大変な事になるよ?」
確かにそれは大変だ。PKしすぎると街に入れなくなるらしいしやめておこう。
「で、結局ボスゲートまで来ちゃったね」
「またキャリーされてここまで来ちゃったよ……」
ボスゲートには少しだけ列が出来ていたので並ぶことにした。
並ぶと「なんでここにラビリルが!」みたいな顔を他のプレイヤーにされる。
「嫌だー、ラビリルに寄生してボスまでキャリーされるとか掲示板に書かれるー」
「そんなことないって、友達と一緒に遊んでるだけだし私はコウモリしか倒してないし」
「そのコウモリが試練の塔で1番厄介なんだよ……小柄で素早いしダメージはそこまでないけど受けたら回復されるしたまに群れで出るし」
群れでも出るんだ、今回は単独しか現れなかったから運が良いね、私にとっては群れで来てほしかったけど。
そんなこと思っていたら私たちの番になった。
「ほらほら、ボスに行くよー」
「限界までは私が戦うからね!」
ベルテの背中を押してボスゲートの中へと入っていった。
「なんかロックゴーレムに似てる?」
「ゴーレム自体は同じ名前だしね」
ボスゲートに入るとロックゴーレムの図体を大きくした後スリム化したみたいな見た目のゴーレムが私たちを待っていた。
ガーディアンゴーレム Lv10
「動きも遅そうだしベルテ1人でも勝てるんじゃない?」
「なんか勝てそうな気がしてきた!《ウォーターバレット》!」
水の球が弾丸みたいな速さでガーディアンゴーレムに飛んでいった。
バシュンッと当たり、水飛沫が飛び散る。
当たった場所は少しだけ削れていた。
「さらにー《ウォーターカッター》!」
今度は水の刃がガーディアンゴーレムを切り裂こうと飛んでいく。
胴体にヒットして少しだけ切り傷がついた。
「サフィは《ファイアアロー》《ウィンドアロー》《ウォーターアロー》《ソイルアロー》」
サフィどれだけ魔法使えるの?!
サフィからさまざまな色合いの魔法がガーディアンゴーレムに向かって放たれる。
それに合わせてベルテが次々と魔法を撃って撃って撃ちまくった。
「はぁ、はぁ……もうMPないよ」
「ガーディアンゴーレム結構ボロボロになったね」
至る所に傷だらけで元々動きが遅かったのにさらに鈍くなってる。
「あとはラビリルに任せる……私は疲れた」
「りょうかーい!1発で終わりそうだなー」
腕をぐるぐる回して私はガーディアンゴーレムに向かっていく。
十分に近づくとガーディアンゴーレムは腕を振り下ろし攻撃してこようとする。
「その腕もボロボロだねー」
振り下ろされるところを迎え撃つように殴るとやっぱり折れてしまった。
「想像よりは硬いね、ちょっと手がヒリヒリしたよ」
普通、石や岩を本気で殴ったらヒリヒリどころじゃ無いのだが防御が上がっているラビリルには全然効かなかった。
ちなみにHPは少しだけ減った。
「もう一本の腕も壊そうと思ったけどもういいや、じゃあね」
床を踏み込んでガーディアンゴーレムの身体めがけて飛んだ。
そして思いっきり殴り破壊した。
『"ガーディアンゴーレム"を討伐しました』
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