第34話 ベルテと遊ぶ

「やーっと!沢山出来るー!」


私は頑張った、めっちゃ勉強してテスト範囲を全て完璧にした……多分。


別に勉強は嫌いじゃない、ゲームする前はそれしかしてなかったし。


いや最近はちょっと面倒くさいなとか思ってるけど……。


今日はやることいっぱいだ、朝は約束しているベルテと遊んでお昼は配信をする。


ベルテが来るまで暇だから放置していたスキル調整の情報でも見るかー。


「ふむふむ、ほうほう……なるほど、修正されたのは《破壊者》と《断罪》だね」


"破壊モード"……自身のステータスを収束させ攻撃時には筋力、移動時には俊敏に集まる。ただし収束時その他のステータスはHP、MPの2つを除き全て0になる。


目視した対象(モンスター、プレイヤー問わず)が自身よりレベルが低い場合、萎縮させて動きを鈍らせる。萎縮させた数が10体ごとにHP、MPを除く全ステータスを1上げる。この上がったステータスも破壊モードにより収束される。


自身に敵対している対象(モンスター、プレイヤー問わず)が多いほど全ステータスが上がる(1体につき1上昇、*上限は自身の収束ステータスの3倍まで)


さらに両手で触れた物体(装備品、建造物問わず)に破壊の呪いを付与する。


破壊モードの継続時間は*30分、ただし対象(モンスター、プレイヤー問わず)を破壊する度に*1秒増加する。*任意解除可能


*破壊モード中、他のスキルは発動しない(セットスキル、自動発動スキルは除く)


《断罪》……発動時に指定された箇所を攻撃すると必ず倒せる、範囲は自身を中心に半径10m(MP消費無し、クールタイム1時間)(指定された箇所は対象者にも見える)


*自身より高レベル、未撃破のモンスターには効かない。


【*】が修正した部分


「全然強いじゃん、継続時間も延長がしにくくなった代わりに30分に増えてるし」


てっきり延長無くなって10分とかだと思ってたよ、ちゃんと任意解除出来るようにもなってるし。


「断罪は……元々このスキルあまり使いたくなかったし関係ないね」


1発で壊れるの嫌だもん。


他にも沢山のバグ修正してくれてるっぽいし頑張ってるんだね、あの土下座してた人達。


「おーい、ラビリル!」

「あっ!ベルテ!久しぶり!」


やっとベルテが来たみたい。


「そこまで久しぶりという訳じゃないでしょ、1週間ぶりってだけで」

「そうかな?ところでベルテはイベントどうだった?私は2位だったよ!」

「いや知ってるよ…私は5万位くらいだったっけ?覚えてない」


私がVサインをすると呆れた顔で見られた。


「限定アイテム見せてよ、どんなんだったの?見せたく無いなら良いけど」

「別に便利だなー、程度で特に役に立たないアイテムだったから良いよ。ほら」


私は不思議な水筒を取り出してベルテに渡す。


ちなみに譲渡不可だったので本当にあげることは出来ないが持ち主が許可した場合のみ渡して説明を見る事くらいは出来る、使用は出来ない。


「ふーん、確かに役に立たないね。これ美味しいの?」

「美味しいっちゃ美味しいけどまあ水だからね」

「こう言うのは水好きに悪いかもだけど所詮水だもんね」


2人とも大体同じ感想だった。


「そういえばベルテの装備が初期装備じゃなくなってるね」

「魔法使いっぽいでしょ?生産職の人にそれっぽい感じで頼んだんだよ、お金もラビリルがめっちゃくれたし」


青いローブに青い宝石のついた杖、青い髪飾りも可愛い。


そういえばパラの件とかボス戦とかで凄いお金持ちになってたねベルテ。


「魔法使いっぽいて割にはとんがり帽子?みたいなのじゃなくて髪飾りなんだね」

「あーあれね……被ってみたけど視界が埋まって邪魔だった」


確かに大きいとちょっと邪魔そうかも。


「どこ行く?始まりの平原?」

「最近は試練の塔でレベル上げしてるからそこにいこう」

「おっけー」


試練の塔かぁ、まだ行ったことないからちょうど良いしボス倒しちゃおうかな?


「その顔、ボス倒そうとしてない?」

「分かっちゃった?」

「ラビリルは顔にすぐ出るから」


いつも言われるけどそんなに顔に出てるんだ……。


2人並んで試練の塔まで歩く。


「おお、ここが試練の塔……高いね」

「ほら行くよ、サフィも出ておいて」


ポンッとサフィが現れる、未だに街中では出さないようだ。


魔物使いのスキルは広まってるのに出さない理由を聞いたらサフィは珍しいモンスターだからいちいち出現場所とか街中だと聞かれるらしい、ついでにナンパされるからうざいとベルテは言っていた。


「あれ?でも確かパラもレアなモンスターだと思うんだけど私は誰も聞かれないよ?」

「誰があんな楽しそうにモンスターを虐殺するようなプレイヤーに近づこうとするよ……」

「酷い!別に私は普通の女の子だしぃ!」


ぷんぷんと怒る私に続けてベルテが言う。


「あと――単純にパラの見た目が……誰も欲しくないでしょ」

「うぅ……パラ可愛いのに誰も分かってくれない」


ちなみにパラはずっと私の頭の上で寝てるの?ってくらい身動きひとつ取らずに立っている。


「確かに触り心地はちょっと良いけどさぁ……」

「でしょでしょ!」


ベルテが私の頭の上に乗ってパラを掴み触り始める。


「捕食が本当やばいんだよね」

「キュートな牙だと思うんだけどなぁ、しっかり見れば分かると思うよ?見る?」

「絶対にやめて」


本気で拒絶されてしまった。

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