第8話 パラ可愛いよ

《魔物使い》……仲間にしたモンスターを自由に召喚、送還することが出来る。ただし召喚出来る数は1体限定。


取得条件……敵対心のない友好的なモンスターに対して仲間に誘い仲間にする。


「ふむふむ、ペットになる宣言だったけどパラそれで良かったの?それにバリバリ最初は敵対してたよね」


ぎゅっとパラを抱きしめながらスキルの説明を眺めている私。


どんなに強く抱きしめても壊れないぬいぐるみって感じでとても良い、現実世界ではぬいぐるみもすぐに壊れちゃって……いや壊したわけじゃないんだよ?勝手に壊れたんだって。


「パラのステータスが見れるようになってるじゃん!どれどれ――」


パラ Lv1

種族 フォレストマッシュ


HP50/50 MP10/10


筋力 50 防御 5

賢さ 50 俊敏 1

幸運 1


スキル《麻痺粉》《麻痺無効》《捕食》《打撃攻撃無効》《復活》


「パラのレベルが1になってる!仲間になって弱くなっちゃったの?」


でもステータスかなり高いね、私の1番高い俊敏と同じくらいの筋力と賢さでレベル1ならかなり強い?


スキルも沢山あるし。


「とにかくスキルも見てみよう」


ポチポチと詳細を表示させる。


《麻痺粉》……MPを10消費して自身を中心に一定範囲に麻痺の粉を振り撒く、麻痺した相手より賢さが高いほど麻痺の効果が継続する。


《麻痺無効》……状態異常の麻痺にならない。


《捕食》……状態異常の敵に対してのみ攻撃する事ができる。ダメージは2倍、与えたダメージの半分を回復する。食べる事で自身により良い成長が促される。


《打撃攻撃無効》……打撃攻撃に対してダメージを0にする。


《復活》……倒されても24時間で復活する。


「ほー殴っても蹴っても投げ飛ばしても叩きつけてもダメージがなさそうに見えたけど本当にダメージ0だったんだ、だから今強く抱きついても平気なんだね」


それにもし倒されちゃっても24時間で復活するならレベル上げに参加させても大丈夫そう。


あとパラが途中から麻痺の粉出さなくなったの絶対MP切れだよこれ、レベル1だと一回しか使えないじゃん!一回しか麻痺粉使えないって事は1体しかモンスターを倒せないって事だよね?なんてこった。


「いや……ウルフなら複数体現れるし同時に何体も麻痺すればいいのかな?」


そもそも状態異常なら攻撃できるって説明に書いてあったし私が麻痺なり毒なりなんとかしてそういうスキルを覚えればパラも攻撃出来るかも。


「でもパラの攻撃……ってどう考えてもあの口開けるよね」


あれで食われた身としてはちょっとトラウマなんだけど……。


「パラ、ちょっと口開けてみて」


抱きしめているパラを一度置いて少し離れる。


予想通りホラーな口が開いて分かっていたのに少し身震いをしてしまった。


「おおぅ……ちょっと失礼して――結構しっかりした歯?牙?だね、うんもう良いよ」


しっかり見たおかげで少し慣れたし多分これからも見続けていけば慣れるだろう。


最初は気持ち悪いと思っていた見た目も今は可愛く見えてしょうがないしこの口も愛嬌だね。


「よーし、今日はボスを目標にしてたしボスゲートを探すついでにパラのレベル上げをしよう。パラ行くよー」


テクテク歩くと後ろから凄いゆっくりとパラがついてくる。


「遅っ!あー俊敏1だった……そもそも仲間になる前から凄い遅かったね」


私は一生懸命追いかけてくるパラの所に戻り持ち上げて抱きしめながら森の中を歩いた。


「パラいけー、よしそこで《麻痺粉》!」


道中単独のウルフに遭遇したので早速麻痺粉を試してみる。


ちなみにウルフの噛みつき攻撃はどう考えても打撃攻撃っぽくないので私が手に持って避けている。


「おおっ!ウルフが倒れて動かなくなっ――」


ウルフが麻痺粉を浴びて倒れると共に私もパタリと倒れた。


HPの横に麻痺と表示されていた。


「うそ、仲間な、の、に……」


フレンドリーファイアありなんて聞いてないよー。


麻痺で上手く喋れない中なんとかパラに指示をする。


「パ、ラ……《捕食》」


指示を受けたパラは私の手から逃れてウルフの元へとゆっくり向かっていく、そして大きな口を開けてバクバクと食らいついた。


『パラのレベルが上がりました』


ウルフを全てを平らげて倒したらしい。


「あう、ちょ、パラ、跳ね、遊んで、助け」


ウルフを倒すと私の元へと戻り倒れている私のお腹でポヨンポヨン跳ねて遊び始めた。


賢さが低く全く抵抗力が無いので数分ほど麻痺が続いたあとにやっとお腹トランポリンから解放された。


「あうぅ……酷い目にあった――まさか仲間なのに麻痺を受けるなんて思っても居なかったよ」


私は仕返しとばかりにパラを本気で抱きしめるが全くのノーダメージである。


「このこのーよくも私のお腹で遊んだなー!」


横やら縦やらに引っ張って伸ばして潰して凹ませて遊んでいると途中からパラも突進してきたりして楽しかった。


ちなみに凄いゆっくりと突進してくるパラはとても可愛かったよ。

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