第3章 ラオベルグラッド王国の復興

第35話 ラオベルグラッド王国の復興

side ラオベルグラッド王国王妃エメリア

 

 早いもので、レオと結婚して5年が経ちました。

 今では可愛い子供が2人も生まれ、相変わらず強くて精悍で寡黙なのにどこか可愛らしい旦那様であるレオと4人家族になりました。


 子供たちの名前は私たちの名前を文字ってエルドとメルリアです。

 本当はもう少し長い名前ですよ?エルドヴァイスとメルリアレアです。

 短くするとエルとメル。

 それはそれは天使で可愛い私たちの子供です。


 エルがお兄ちゃんで、私に似たプラチナブロンドの髪を持ち、勇敢で妹の面倒を見ようとする可愛らしい男の子です。

 メルが妹で、レオに似たナチュラルにカーブする黒髪を持つ、おませさんかつ天真爛漫な女の子です。

 

「むにゃむにゃ……」

「すーすー」

 

 そんな2人は光と木の大精霊ヴェルディア様の体の上で寝ています。

 寝顔が可愛すぎて脳が溶けそうです。

 ちょっと食べていいでしょうか?ダメですね。はい。はむはむするくらいにしておきます。

 眠っているのにくすぐったがった表情がかわいい♡

 

 ヴェルディア様は2人を決して落とさないように背中に揺りかごをくっつけてその巨体を横たえています。

 一緒に寝ていますね……。

 

 私がこのラオベルグラッド王国に嫁ぐにあたって、なんとついてきてくれてこの城に居ついたヴェルディア様は、子煩悩を発揮して2人の世話を手伝ってくれて、今では2人ともとても良く懐いています。

 子供たちからすると少し怖いらしいレオよりも懐かれているかもしれませんね。


 そんなことを言うとレオが凹むので言いませんが。

 でも、レオ。子供たちはあなたのことを尊敬していますわ。

 だから気にしないでくださいね。

 

「子供たちは寝ているか」

 そこへレオがやってきました。

 子どもたちを起こさないように足音も声も潜めながら。

 

 このレオ……レオメルドの頑張りによって、このラオベルグラッド王国は5年で大幅な復興を実現しました。

 各地に散っていた人々を改めて国民として迎え、国中で街や街道の整備が進められています。


 ラオベルグラッドの守り神様は王国の復興を喜び、凄まじい速度で資材の調達に協力してくださっています。

 金属製の樹とか、なかなか反則的ですわね。


 残念ながらディルクはバルグート王国に戻ってしまいましたが、王族の縁戚の娘と結婚したので、今は騎士団長として頑張っていますわ。

 実家はもともと伯爵家で、この前侯爵家にあがったので家柄に問題はありませんし、ディルクの強さは騎士団の中では群を抜いています。

 副騎士団長なら戦いにはなるでしょうが、副騎士団長も全力でディルクを推してくれています。


 国王陛下はライエル様の起こした事件によってだいぶやつれてしまいましたが、この前お会いした時にはやるべきことをやると力強く言われていました。

 ライエル様のことでは失敗したと思われているようでしたが、従弟の子を王太子として育てるようです。

 お会いした感じは可愛らしい男の子でしたので、ぜひ立派になることを期待しています。


「遠征か何かでしょうか?」

 レオが久しぶりに旅装をしています。どこかで問題でもあったのでしょうか?


「あぁ、リア。ギ―フェンドの街を復興する工事のために衛兵団と大工や職人を派遣していたんだが、どうも夜になるとモンスターが出るため進捗が思わしくないという報告が上がってきたんだ」

「そうでしたか」

「留守の間、子どもたちを頼む。それから……」

 ギーフェンドは魔族によって壊滅させられ、遺棄されていた昔の街です。

 この街はほぼ壊滅させられていたため、片づけを行い、再度街を建設し、復活させる予定なのです。

 この計画が遅れるのは避けたいでしょうね。


 今急速に進む王国の復興の中でも、交通の要所として名高いこの街は優先度が高い案件なのです。


 ただ、特に精霊たちや、ラオベルグラッドの守り神さまから警告のような声は上がっていないので、このモンスター討伐は息抜きですわね。

 

 レオは真面目過ぎて書類仕事なども一切手を抜けないので重要性の低いものは手伝っていますが、それでもストレスはたまるでしょうから。

 きっと大臣に就任したバラックさんというレオの叔父様や従姉のリューナさんが気を回して、短期間の遠征を組んだのでしょう。

 

 もともと村でレオとともに生活していた元王族の方々がみんなこの城に移ってきているので心強いのです。


 

 それでも、対処方法がよくわからない黒い影のようなモンスターということで、レオは警戒しています。

 だからしっかりと武装して行くのでしょう。


 この姿を見ると、一緒にロデリグ大陸を旅した頃を思い出します。


 いけません、ちゃんと話を聞いておかないと。

 真面目なレオは最後まで細かく指示やお願いを言っていました。もちろんその言葉通りにしますわ。

 

「わかりました。こちらのことは気にせず行ってきてください。ただ、くれぐれも無理はしないでくださいね」

「あぁ、ありがとう」

 しっかりと抱きしめ合って、お互いの存在を感じあった後にキスをして、レオを見送りました。


 どうか精霊様方、レオを見守ってくださいませ。




 *----

ということで第3章スタートです!

果たして黒い影のようなモンスターとは何なのか?

レオメルドとエメリアの活躍にご注目ください。

ざまぁは……内緒です(確信犯www)


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