第17話 キズナの分析
「よーし! いいぞ太陽!」
キズナは太陽に惜しみない
修正を感知したバグが反応し、抵抗を見せてくるかと思ったがそんなことはなかった。
キズナは最初の一歩が成功に終わったことを確認し、ほっと胸を
「第1段階は成功。観測中の太陽の運命にも、それに関する数値にも異常はナシ。なかなかいいスタートじゃん」
シナリオも正常に進行していた。
途中危ないところもあったけど、太陽の行動も予定通りの行動だった。
物語の
キズナの心に
「うん、この調子なら問題ないね」
太陽の運命を
このまま上手いこと進行すれば、バグは問題なく取り
元の幸せな運命へと進んでいくことだろう。
シナリオどおりならば、太陽はこのまま彼女を
図書館と言えば静かで落ち着ける場所だ。
そのような場所で、運命を
バグが何かしらの抵抗を見せる可能性はあるものの、充分対応できる
「さてさて、彼女……八舞真奈ちゃんだっけ? 彼女の状態は、と」
続いてキズナは真奈の運命へ画面を切り替えた。
「うん、太陽の運命と交わってる……うん? 交わってるんだけど、何だこれ?」
真奈の運命を確認して、キズナはいぶかしげな表情を見せた。
真奈の運命は太陽と問題なく交わっている。交差している。
しかし――、
「なにこの
キズナの言うう通り、2人の運命は何重にも、
決して解けることのない――、まるで、DNA構造のように。
こんな絡まり方、見たこともない。
天界にあるデータバンクにも記録されていないと思う。
これはいったい……?
キズナは経験と知識から、一つの
「これはもしや……多分今のイベントで、予想以上に太陽への好感度が上がった?」
それが原因で運命が一気に絡まり合って、こんな形に交差している。
キズナはそんな答えを出した。
念のため真奈の心の声も確認したが、好感度の上昇が確認されている。
「茂手くんって意外と力持ちなだったんだ」
「お姫様抱っこ、か。恥ずかしいけど嫌じゃないわね」
「ちょっと、かっこいいかも」
若干チョロイン
年頃の
自分を助けてくれた王子様に、案外コロッと転ぶものだ。
「うん、これはボクの予想正解じゃない?」
とりあえずそう判断していいかもしれない。
まだまだ
キズナは映像を切り替えた。
「ふふ……太陽ってば嬉しそうな顔しちゃって」
タブレットに
恥ずかしさと嬉しさが入り混じった表情だ。
完全に舞い上がっている。
「まあ、無理もないか。ずっと片思いしていたみたいだしね」
浮かれる太陽を眺めたキズナは、思わずそう微笑んだ。
自らの胸の奥でこの時生まれた、
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《あとがき》
キズナサイドのお話なので短め。
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