第2回カクヨム短歌・俳句コンテスト【俳句の部】

@yourmess

心の背丈伸びてゐる/小里京子

白杖持つ素手の明るさ向田忌

月見うどん動物とだけ目を合はす

天井に寅と午との睦まじき

下書きの筆圧強し姫椿

木漏れ日の洗礼受けて改まる

雪淡く心の背丈伸びてゐる

父未だポラリスを持つ桜桃忌

ここからはあの人のうち冬館

鬱明けて鬱入るまでの並木かな

誰からも梳いてもらえぬ垂髪

若芽湯がく鍋に職あり我になし

好きですと言へば終いの絵双六

北窓開く病歴を打ち明ける

ふらここや門限過ぎて独りなり

姓名に濁点欲しい南天摘む

上手く笑う必要はなく片時雨

支給日のフルーツサンド食べ難し

龍の玉撃ち抜いてでも逃れたし

流し場にcorn pot ageと落水す

体育館キッズルームに星走る

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