第3話 リジェルと魔法

 この世界せかいでは魔法まほう一般的いっぱんてきではありますが、かぎられたひとしかそれを使つかえません。


 魔力まりょくうちめた、一種いっしゅ才能さいのうのある人が使つかえるといったかんじです。


 一般いっぱんには「魔道具まどうぐ」とばれるものを使つかいます。魔法のランタンとか、こちらの電化製品でんかせいひんのような感覚かんかくで。なので、こちらの世界とあまりわらない生活せいかつ電気でんきわりに魔法を使つかうことでおくれるというわけです。


 裏話的うらばなしてきにいえば、あまりった世界かんつくってもそれを説明せつめいするだけで字数じすうようしますから。そのわりに読者どくしゃあたまのこらない、肝心かんじんなことがぼやけてしまうなら、いっそたような世界、だけれど魔法ありでちがいもあるとそうしました。


 人間にんげんのほかに、魔族まぞくがいます。


 この世界では「光魔石こうませき」といったものが採掘さいくつされ、それが魔法の媒介ばいかい、あるいは魔道具の媒体ばいたいともなりますが、きたではその純度じゅんど非常ひじょうたかいものがれます。それにさらされつづけていた人間が魔族へと、動植物どうしょくぶつ魔物まものへとなが年月ねんげつすくなくとも1万年まんねん単位たんい)で変質へんしつしていったのです。


 人間の秘めたる魔力要素ようそ遺伝的いでんてきなものがつよいですが、突然変異的とつぜんへんいてき家系かけいのなかでいきなり魔力を秘める人がてくる場合ばあいもあります。げん王家おうけでは、本家筋ほんけすじには魔力をものはいませんでした。とついできた王妃おうひに、その血統けっとうをたどるとさらにつよい魔力があったようです。


 リジェルは隔世遺伝的かくせいいでんてきなもので目覚めざめえたというところでしょう。

 モニカも、ヘイエルも、父王ちちおうも、魔力はありません。


 そんなリジェル。


 あかぼうのときから魔力を発揮はっきしていました。まさに伝説級でんせつきゅう千年せんねんまえ聖女せいじょにすらなぞらえられるほどでした。


 おさないころはその魔力を意識いしきする、しないにかぎらず大暴おおあばれ!


 王城おうじょうとうひとつまるまる破壊はかいしたことさえありました。


 みなみなおそれすらいだいたものです。


 それがあるから、十数年後じゅうすうごのモニカなんて(大暴れといっても)かわいいものとられている側面そくめんはあります。モニカのそれはいわばまだ人間レベル、リジェルは災害さいがいとまでいわれていましたから。


 10さいのころ、とある事故じここり(別頁べつページ)、それ以来いらい、リジェルは魔力を制御せいぎょしなければいけないと自覚じかくし、きました。


 生真面目きまじめあにささえるべく、魔力の制御、ならびに魔法のけんさんもんで、もともとあたま回転かいてんはやかったものですから、めきめき頭角とうかくあらわしたのです。15才のころにはもう同盟どうめい見渡みわたしてもならぶ者はいないといわれるほどの賢者けんじゃに。かみこえ物語ものがたりつづけば、いずれ正体しょうたいかします)さえけるようになったのです。


 そのおおきすぎるちからは国の治世じせい不安定ふあんていにする側面も持ちます。(本編ほんぺん参照さんしょう


 そのため、第一だいいち王位継承者おういけいしょうしゃである兄ヘイエルから推挙すいきょかたちで、名誉職めいよしょくである「大神官だいしんかん」のかんされることとなったのです。政治せいじからはとおざかりましたが、王国おうこく魔術師団まじゅつしだん顧問こもんともなり、あらたな魔法、魔道具を開発かいはつすることもしています。魔法じんによる転移てんいシステムをつくり上げたのもリジェルです。


 リジェルは普段ふだん、「王家のかお象徴しょうちょうとして、記念行事きねんぎょうじとうであいさつすることもおおくなっています。国民こくみんにはそれゆえひろく顔をられた存在そんざいですが、おもてにあってはすまし顔、いわば仮面かめんをつけているので、のときは案外あんがい気付きづかれません。それをかして、気軽きがるまちることもあるようです。たましいひゃくまでも、ちゃっかりしている子なのです。


本編【モニカとおともだち、なかよくできるかな? ~幼女は今日も元気です!~】

https://kakuyomu.jp/works/16818093087798611891


【「モニかな」シリーズ!】コレクション

https://kakuyomu.jp/users/t-Arigatou/collections/16818023212218807947

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「モニかな」裏話(仮) @t-Arigatou

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