第7話とりあえず因果応報 蛇足
とある男爵邸
「旦那様、本日も公爵様ならびに伯爵様よりタマモ様の捜索の進捗状況報告の催促がございました。」
私は執事。今日も旦那様‥‥イルバウム男爵様の執務室に赴き報告をあげました。タマモ様とは私がお仕えするこのイルバウム男爵家の御三男様であらせられます。
正確にはあらせられたで御座いましょうか‥‥
「まったく、暇なものだな。毎日毎日飽きもせず。
進展なしとでも送っておけ。」
執務室にて机に項垂れる男爵様。
あれは一月程前になるでしょうか、伯爵様のご令嬢の御召し物を汚されたと報告がありお怒りになった旦那様はタマモ様を自ら追放されてしまわれました。
しかし、追放されたの次の日。なんと伯爵様自らご令嬢と共に当家に謝罪に来られました。
しかしもうタマモ様は‥‥
タイミング悪く同日すこし時間がずれて、前々から親交のあった公爵家の御令嬢が生誕日の宴の招待状を持って訪問されたのでした。
旦那様はタマモ様の追放を高らかに宣言しあろうことか「ご安心くださいあの不出来な畜生はあなた方の前に2度と現れませんので」とおっしゃられまして‥‥仰られてしまいまして
その言葉を聞いた伯爵令嬢リーダ様と公爵令嬢ヒメリア様は言葉では表せない程に狼狽し泣き出してしまわれ伯爵様ならびに公爵家の騎士様は大層お怒りになられて仕舞われました。
男爵様におかれましては自身の発言に自信をもっていらっしゃったようで‥‥
その後はもう戦場でした。怒り狂う高位貴族様方に弱小木っ端男爵が晒され男爵様はいい歳かっころげて泣きべそかいながら股間を濡らしている始末。
「利用価値?それ以前に小さな子供を追放など良くできたものだな?あの子を畜生と言うが貴様はその畜生にすら劣るわ」
「わだし‥‥ごめ‥‥んな‥‥ざ‥‥‥‥」
「どうするつもりっすか?公爵様はタマモ様を大層お気に入りっす。生死どころか行方もわからないこの状況を報告してあんた自身、無事でいられますかねぇ?」
「許さないから、今まではタッくんがいたからタッくんが怒らないでっていうから‥‥
ひっく‥‥許さない‥‥
ごめ‥‥ん‥‥ね‥‥タッくん‥‥」
私でも逃げ出したかったです。普通に怖い‥‥恐ろしい‥‥
正直どう納めたのか記憶が曖昧です。タマモ様の行方の捜索。見つかり次第この場のメンバーの前で旦那様の“誠意”のこもった謝罪まではなんとか
上記の条件にこの日はどうにか納めていただきました。
ヒメリア様の生誕祭がリミットとのこと。旦那様、どうかお達者で。私は辞める準備しておきますので。
-ー-ー-ー-ー-ー-ー-ー-ー-ー-ー-ー-ー
『ふーん‥‥これならさあーしらがすぐに手を出すこと無くね?てかあの二人もしかして?』
『とりあえず燃やしておくで御座るか?』
『ダメダメっしょ。すぐに◯るのは簡単じゃね?
でもあーし的にはもっと苦痛とか後悔とかして欲しいわけよ。だからさ』
『なるほど、とりあえず人同士で ということでござるな』
『ザッツラ~イ🎵』
何やら物騒な神々しく輝く聖鳥と荒々しく燃え立つ巨獣の会話。どこで見ているとか気にしちゃいけない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます