エンドレスチルドレン

定食亭定吉

1

三十九歳。独身男。タロウ。仕事嫌い。定職に一度も定職に一度も就くことなく、短期離職を繰り返し今に至る。

(何でこの俺が働かなければいけない?)

今日も短期バイトの物流倉庫で台車を乱雑に押しながら。

「そんな適当にやるなら、辞めてもらってもいいよ」

管理者 Aはタロウの悪態を何度も見かける。

「わかりました。では、契約は早いですけれど」

すぐ様、退職するタロウ。そのまま、事務所に向かい、タイムカードを切り、職場を退職。こんな事は初めてでない。しかし、その度に傷付いたような感じだ。近所にある公園ベンチで、昼食を摂取。顔見知りの猫が太郎の膝上に乗る。ご飯粒を何粒か与える。腹を空かしていたのか、迷わず食す猫。取り敢えず、ここでの食事も一生ないと思われる。そんな事もあり、味も噛み締めるように食べる。弁当とは言え、ご飯を詰め、肉を乗せた感じだ。十分程で食し、自転車で自宅に帰宅する。数分で自宅に到着。ドアポストには催促状らしき書類が刺さる。それを手にすれば案の定だ。最早、事遅しだ。今週中に入金なければ、この物件を強制退去させられるという事だ。まだ、一週間あると捉えられる。だが、家賃三万八千円も工面できないような感じだ。今日で退職したバイト給与まで一ヶ月近くある。 

 取り敢えず鍵を開け、自室に入室する。換気をし気分を入れ替える。不要紙に支払い先を書き出す。毎月のようだが、自転車操業状態だ。光熱費始め、サラ金といった具合だ。三十九歳になっても、毎月、同じ状況でざっと合計十万円程。不足という感じだ。財布を見ても、コインが一円玉で三枚程削られた感じの物がある。通帳は無駄に多く十円程だ。どの銀行もゼロに近い残高だ。

 今までの人生のツケが来た感じだ。そして、仕事をするなら眠りに付いてもいいと思うタロウ。布団を敷いて昼下がりなのに眠ろうとしていた。そして、どうせ永眠する気なら遺言を書いてやると思った。バイト先で支給されたノートにスラスラと今までの人生を振り返り書き出す。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

エンドレスチルドレン 定食亭定吉 @TeisyokuteiSadakichi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る