第6話

保健室で夢先が目をさました。

「黄埔さん」

夢先がもう一人の黄埔に目をつむって

シッカと抱きついた。

「キャーッ、痴漢」

もうひとりの黄埔が大声をあげて

目をつむった。

「バカ、夢先くんのバカ」

黄埔が顔を手で覆って

保健室からいきおいよく飛び出した。

「あれっ」

夢先がキョトンとした。


「バカモンーっ」

担任のカミナリが落ちた。

「夢先―っ、この大事な時期になにを

やっとるんじゃ」

「スイマセン」

「ヘタすりゃ警察沙汰だぞ。しっかりしろ」

担任が保健室から出て行った。

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