第4話

「夢先、しっかりしろよ、ボーっと

して」

授業中後ろの席から鏡が鉛筆で

夢先の背中をツンツンした。

「あっ、わるい。なんかいった?」

「ったく、夢の中で夢先が黄埔に似た

彼女のことを夢見ていた、と。ゴロがいいや」

「鏡くん、ひどいわよ」

夢先の右隣の席から黄埔が鏡に

苦言を呈した。

「そこ、やかましい」

担任が三人を怒鳴りつけた。

「ええ、今日は転校生をひとり紹介する。

入れ」

ドアが開き少女が顔を見せた。

「あっ」

夢先が驚いて心臓をバクバクさせた。

彼女だった。

散歩中に出会った犬を連れた少女。

鏡と黄埔が夢先と少女の顔を交互に見比べた。

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