第8話
ラバーマスクの裾をビニールテープで固定した首にラップでしっかりと巻きつけると、そのままラバーマスクもラップで包み込んでいく。
体の時と同じように何度も何度も。
途中、チューブを通す穴をあける時だけは手が止まっていた。
今の自分がどうなっているかは音だけで分かる。黒いラバーマスクもラップを何重にも巻かれて白く見えている。
そして、ビニールテープが首元から巻き付けていく音が聞こえ始めた。
試しに頭を動かそうとしたが、全く動かない。
最後に何か硬いものが、私の顔を挟む込むように圧迫してくる。
どんなものかは分からないが、金色の装飾品の類だという事はなんとなく分かる。
顔の圧迫が済むと両肩にも圧迫を感じる。
唯一動く事を許されていた私の頭は厳重に密閉され、私は完全に人間椅子となった。
私に許されたのは生きるための呼吸だけ。
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