第77話 人外魔境メガネ決戦⑤(sideM)
「――はい、ありがとうございます! ――え? メガネくん? はい、居ますよ? なぜ分かったんですか? ――なるほど、宇宙の波動を読み取ったんですね」
何が『なるほど』なの?
ツッコミどころ多すぎて付いていけないんですが?
「――へえ、メガネくんには正体を明かしてるんですね。――ええ、出来ますよ」
『やあメガネくん、元気かね?』
教頭の声だ。
「は、はあ……まあ……。教頭先生は何してるんですか?」
『なあに、ワタシは今、北海道に来ていまして』
え、えええええええええええええええええええええ?
教頭先生マジで北海道に行ってたぁ。
ぶっ壊れたコスモレーダー頼りに
『なかなか極悪非道六神獣及び魔王は見つかりませんが』
そりゃあね。
『ですがメエーメエー安メエーメエーさメエーメエージンギスカンに関しメエーメエーてはメエーメエーご安メエーメエー心をメエーメエー』
なんかメエメエ聞こえますが?
ごめんなさい何言ってんのか分かりません。
もしかして羊の群れにでも襲われてます?
『あ、ちょっメエーメエーこちメエーメエーしばらくメエーメエー』
ここでメエーメエーと鳴き声だけが続いたのちに……。
『チュドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!』
大きな爆発音が、スマホから聞こえてきた。
そして、
『申し訳ありません、先ほどから雑音を届けてしまいまして。もう大丈夫ですよ』
なにやったんですか教頭?
『ご心配なく。ただ、スマホゲーム内で大量発生した羊を根絶やしにしただけです』
現実でその辺に居た羊を根絶やしにしたとしか聞こえませんが?
ボクの考えすぎですよね? そーですよね?
『丁度いい。これだけの羊の肉は現地のドワーフにも食べきれませんし』
ドワーフ?
『ですのでジンギスカンの件はご心配なく! 明日の朝までには届けますぞ!』
ではまた! と教頭は通話を切った。
ツッコミどころぶん投げて通話終わったよ。
大丈夫なのこれ?
「というわけだから、幽霊さん。明日の朝には届くから安心して」
「あ、はい、えとえと、ありがとうございます」
顔が引きつってるよ幽霊さん。そりゃそうだよあんな通話聞かされたら。
『ドン! ドン! ドン!』
と、ここで廊下の先から大きな物音が。
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