第73話 人外魔境メガネ決戦①(sideM)
どうも、メガネです。
自前の寝間着を見られたくなくて、黒ジャージで寝ていたメガネです。
本名は
さっき同じ部屋の人が体調不良を訴えたので、今から先生に報告に行こうとしてるところです。
(えっと、まずは
ボクは旅館の薄暗い廊下を歩いていた。
正直、岩田先生に良いイメージはありません。
あの時、とても強引に席替えさせられたことを忘れていません。
(確かJ部屋に泊まってるはずだけど……)
薄暗い廊下を進みゆく途中のことだった。
「ねえ……ワタシと遊ばない……?」
とても線の細い声で、背後から話しかけられた。
振り返ってみると、見たことのないセーラー服姿の女の子がそこに立っていた。
おかっぱで小柄なその女子は、とてもあっさりとした顔立ちだった。
薄く笑みを浮かべたまま、女子は続ける。
「キミ……もう帰れないかもね……?」
クスクスと、女子は笑った。
「……あの……どちらさま――」
でしょうか、と言おうとした時、ボクは気づいてしまった。
女子の足が、透けていることに。
(えっ……これって……)
気づいたボクの表情を見てか、女子はクスッと笑った。
「ねえ……分かっちゃった……?」
ククククク……と女子は笑った。
うん……間違いない……。
幽霊だね、彼女。
うん……でも何だろう……。
「えっと、幽霊ですよね?」
「ええそうよ。驚いて声も出せないようね」
いや出してますよね。
自分でもビックリするくらい冷静なんですがこっちは。
「ふふっ。さあて、どうやって恐怖のどん底に陥れようかしら」
……なんだか向こうの幽霊さん……。
ボクを怖がらせようとしてるけど……。
全然怖くないわ。
そりゃそうだよ。
フルアーマー系女子とか
幽霊なんか可愛いくらいだよ。
誰か元のボクに戻してくれませんか?
そうすりゃ空気読んで怖がるから。
ウッキウキで登場した幽霊さんの役割果たさせるから。
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