第47話 人生ゲームは向こうでやります
「よし、分かったトアリ。ともあれ今はまず課外授業だ。その作戦会議をするぞ」
「えー?」
いや「えー?」じゃなくて。
「その前に人生ゲームやりませんか?」
何でだよ。
「悪いけどそんな暇は無え。いいから早くトアリが課外授業に行けるような作戦立てなきゃ駄目だろ。明日なんだぞ?」
「私が課外授業にねえ……。とりあえず人生ゲームとかトランプを向こうでやりましょうか」
うん、そうだね。
やってもいいけどその前にオマエが行けるようにしようか。
そろそろ真剣に作戦会議しようか(怒)。
「初日は京都だ。新幹線で移動するんだけど、ここまではまあ、大丈夫だよな?」
「無理無理。新幹線が無理。汚染度かなり高いし」
引っかかるの早いな。
「新幹線は別に大丈夫じゃねえのか?」
「いやー、無理ですよ。あそこ、かなり汚染されてますよ?」
「何でだよ?」
「だって色んな人が利用してるじゃないですか。電車のトイレも同じく」
「だから?」
「中にはトイレを済ませた後、手を洗わない人が居るでしょう? そんな人が利用してたら、自ずと電車内の至る場所がその菌に塗れてるってワケですよ」
なんか妙にリアルな話するなこういうときだけ。
「……まあ……。なんかそう考えたら確かにちょっと……ってなるけどさ」
「でしょ?」
「うーん……。確かに俺も、公衆便所とかに前から抵抗があったから分からないでもない。でも電車の座席は我慢できないか? 防護服もあることだしさ」
トアリは渋々「はあ……」と頷いた。
「んでさ、新幹線での移動、一時間半ぐらいなんだけど。その間のトイレは我慢するって方向でどうだ?」
ふむ、とトアリは頷いた。
「なるほど。それなら出来なくはないかも、ですね。学校でも我慢できてますし」
「えっ? ずっと我慢してんのか?」
「いえ、したくなったら帰宅してます」
帰宅してんのねいちいち。
「あんな汚染された区域に人が立ち入るべきではありませんし(笑)」
おまえは今、学校中の女子を敵に回した。
「じゃあ移動時間は我慢する作戦でいこう。時間が無いからサクサク決めてくぞ? かなり腹も減ってきたし」
「じゃあ昼食タイムにします?」
「……別にいいけど……。一応訊いとくぞ? ここでは食べない、よな?」
「当たり前じゃないですか。ここには汚染物質を持ち込まない、使わない、作らないようにしてますから」
なにそのオセン三原則。
「食事はリビングでとるようにしていますから。早速行きましょう」
俺たちはスリッパに履き替えて、一階のリビングに向かった。
リビングに入ると、そこでは何と、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます