第45話 中身ってホント大事だよね
「ちょっと五月蠅いですよ。そこの対峙する
「いやいやいやいや! そりゃそうなるって! もうGにツッコム余裕とかねえから! つーか何? マジ? おまえマジで
「当たり前じゃないですかー。私は私であり、私であるって紹介したはずですが?」
「いやフルアーマーバージョンではしたけども! そのバージョンでは初だろ!」
「あー、そういやそうでしたっけ?」
「そうなの! いいからその服装なんとかなんない? 目のやりどころに困るから!」
トアリはあぐらをかいた状態で「ええー?」とめんどくさそうに目を細めた。
「嫌ですよ。折角汚染度ゼロの部屋で落ち着けてるのに」
「い、いいから着てくれって! ノーブラだろそれ……」
「あー、まあそうですけど……。はぁ……なるほど……。
「うん、そうだね! この際それでいいからちゃんとした服着ようか!」
「はいはい……」
トアリはその辺に散らばっていたピンクのTシャツを羽織った。
「これでどうです?」
「あ、ああ……大丈夫……」
俺はトアリの向かい側に座った。
折り畳み式の机を挟んだ向かい側に、鞘師トアリが座っている。
でも今のトアリはいつもと違う。
防護服を着ていないトアリ。
モノッ凄く可愛らしい女子に変貌したトアリ。
「マジか……」
俺は正に『頭を抱えた』。
「何ですか? そのリアクションは?」
「いやだってさあ、まさかトアリがねえ……。これで中身も完璧だったらな……」
「完璧じゃないですか、中身」
防護服の中身はな。
「防護服の中身の中身の話してんの、俺は」
「防護服の中身の中身――」
アッと、トアリは気付いたようだ。
「ちょっと! 失礼じゃないですか!」
だからオマエにそれを言う権利は無いからな?
「私だって誰彼構わずGって呼んだりしませんよ! 城ヶ崎くんがGであることが悪いんですからね!」
Gじゃねっつの。
「悪いけどGとはゴキブリのことではなく、生物的にゴキブリと酷似しているがゆえにゴキブリと全く同じである人間のことを指してるだけです!」
「それ結局ゴキブリってことだよね!」
「ええ! そうですが!」
何でさっきからオマエの方がキレ
「トアリ、おまえやっぱホンット防護服状態と変わらないな……」
「城ヶ崎くんも変わりませんよねー。Gであること以外」
いい加減Gから離れようか。食傷気味なんだよこっちは。
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