第2章 フルアーマーと課外授業の準備

第40話 作戦会議をしよう


 緊急事態発生。

 トアリは課外授業の準備すらしていなかった。

 このままだと課外授業出席は物理的に不可能、なのだとか。


「ってなわけで……」


 昼休み、俺はトアリと一緒に下校することになった。


「昼食取るためにいちいち家帰ってんじゃねーよって言いたいとこだけど、今はまあ見逃してやる。それより明日の課外授業だ」


 俺とトアリは校舎から校門に向かってグラウンドを歩いていた。


「まずトアリ、家帰って昼食取ってこい。んで、俺は例の喫茶店で弁当食べて待ってるから、ちゃんと来るんだぞ。そこで作戦会議だ」


「ふふっ。ぼっちめし二日連続ログインですね」


「毒飛ばしてる暇あったら作戦考えようか! 課外授業行きたいっつったよな!」


「ああ……そのことなら、行きたいけど、行ったら負けかなーって思い始めて」


 なに言ってんだコイツは。


「……いいから作戦会議すっからな。そのために五時限目からサボるハメになってんだから」


「まったく、しょうがないですよねー」


「そりゃオマエだっつの!」


 いつものやり取りをしながら校門に差し掛かった時だった。


「あれ? 城ヶ崎じょうがさきさん?」


 と、呼び止められた。

 鞘師さやしなるみだった。セーラー服姿で今日は手ぶらだ。


「なるみちゃんこそ、何でここに?」


 俺は立ち止まった。するとトアリは、なるみちゃんの横に立ち、やれやれといった感じでため息を吐いた。


「実はさあ、城ヶ崎くんがどうしても私に課外授業に来て欲しいって聞かなくて。まあまだ私以外に友達居ないからしょうがないよねー」


 しょうがないのはオマエだオマエ。


「ああ、そういうこと」


 なるみちゃんは察するように言った。


「大体分かったから大丈夫だよ、城ヶ崎さん。あっ、私はいつもお姉ちゃんが昼食取る時、一緒に家に帰ってるの。その付き添いなんだぁ」


 へえ、と俺は声を出した。

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