第39話 あっ
「ほんじゃまあトアリ、早速なんだけど、明日から始まる課外授業について考えるか」
「あっ」
「……『あっ』?」
聞き返した俺に対し、トアリは両手でギシュリと頭を抱えた。右脇に挟んだ全ての俺の指名手配っぽい写真が床に散らばる。
「おい、どうした?」
「そうでしたそうでした……。課外授業って明日からでした……」
「ああ……。トアリまさか、準備してないのか?」
「そんなのしてないに決まってるじゃないですか! 必ず課外授業が破滅に向かうでしょうって自信があったので!」
「マジかよ……。じゃあ、昨日の五限目に課外授業の日程表とかも貰ってなかったり――」
アッと、俺は声を上げた。
「トアリ、そういやおまえ、昼食の時間になった途端、消えたよな? 六限目が始まるまで……」
「え、ええ。だってあんな汚染されたエリアで昼食を取ることなどできませんから」
俺はその汚染されたエリアで独り寂しく弁当つついてたんだけどな。主におまえと愉快な仲間である
「家に帰って昼食を取りました」
まさかの帰宅?
「じゃあトアリ、課外授業の細かい日程とか知らないのか?」
「知りません知りません!」
「マジで? マジで準備してないの?」
「してませんってば! ああどうしようどうしよう! もう無理! 不可能! 課外授業先のエリア全てを除菌してから行かなくてはなりませんから準備に三年かかりますし!」
なにするつもりだった。つーかそれだとハナから行けねえだろ。準備完了した頃はもう既に卒業してんぞ。
「お、落ち着け。俺が何とかしてトアリを課外授業に行けるようにするから」
「無理です無理ですぅ! ゴキブリが手を差し伸べたところで汚染度が上がるだけ!」
ゴキブリ設定まだ生きとったんかいぃ。
『皆さんおはようございます! 今日も
こっちも健在だし朝早ええええええええええ!
【第一章】
出会い
─おしまい─
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