第33話 叫ぶ六神獣
「……なあおまえ、もしかしてホントは行きたいのか?」
「そ、そんなことありませんしぃー! 別にみんなが行くのに私だけ行かないっていう寂しい感じになるから破滅へ向かわせようとしてるわけじゃないですしぃー!」
まんま
「心中隠すの下手だなおまえ。全身は隠せるのに」
「う、うるさい!」
ギシュリと音を鳴らして腕を振る
「まあそう言うなって。鞘師が俺にある協力してくれるってんなら、俺も協力――」
『生徒会副会長の
ちょっとやめてくんないこのタイミングで校内放送。
「ええとだな、改めて……」俺は気を取り直して、「ちょっとした条件付きなら、俺、鞘師が課外授業に行けるよう、協力してやらないでもないぞ?」
「……え?」
鞘師はとても驚いたような声を出した。
「ただし、その後、俺に協力してもらうことになる。友達ができるように協力するのは後回しで、今は汚名返上に、な」
『皆さん、極悪非道六神獣にはご注意を!』
「え?
今大声で通り過ぎたろ。
「極・悪・非・道・六・神・獣! まずはその汚名返上に協力してもらうんだよ!」
『極悪非道六神獣にはご注意を!』
「うるせえええええええええええええええ!」
俺は堪らずスピーカーに向かって叫んだ。
「いとをかし」
「おかしくねえから! マジでヤバイのこのままだと! 変な二つ名は付くわで高校デビューどころじゃないんだよ! つーかちょっとここ離れようか! あのバカ(加藤)がちょくちょく入ってくるから!」
俺たちは校門に向かってグラウンドを歩きながら、話の続きをする。
「で、だな。話は大体分かったか? 鞘師」
「ええ。私が無事に課外授業に行ければ、席替えしてくれたお礼(友達作りに協力)の前に、汚名返上に協力すればいいんですね?」
「ああ。噂の方の誤解も解きたいが、まず汚名返上しねえと――」
『極悪非道六神獣にはご注意下さい!』
「うるせええええええええええええ!」
グラウンドまで届いてくる校内放送に、俺は叫んだ。
「で、だな」俺は息を整えて、「まずは汚名返上しねえと始まらないしさ」
「なるほど。でもなあ……。城ヶ崎くんには無理だと思いますよ? 私を課外授業に行かせることは」
「まだ無理って決まってねえだろ? いいからどうしたら鞘師が課外授業に行けるか、言うだけ言ってみ?」
「そうですねえ。まず、汚染されたクラスメートたちをマグマで熱消毒して」
まず、の時点で無理になったんだけどどうすんだこれ。
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