第15話 コンビニ(sideM)
こんばんは。
皆さん、ご機嫌いかがですか?
ボクはこれから黒のジャージ姿で、コンビニに弁当を買いに歩を進めているところです。
もうすぐ夜の七時を回りそう。ちゃっちゃと買って、ちゃっちゃと帰らないと。
え? あんた誰だって?
ほらほら、覚えてない?
今日、
覚えてるよね?
牛乳瓶の底のようなメガネをかけた男子ですよ。
ええ、鞘師トアリさんのとばっちりを受けて最前列になったメガネです。
一応、
鞘師トアリさんのとばっちりを受けた(これ何回言うんや)メガネ、という認識でオッケーです。
別にとばっちりを受けたことに対して根に持ってませんよ?
ホントだよ?
「夜は冷えるなあ……」
呟きながら、ボクはコンビニに入った。そして何気なく本のコーナーに目をやると……、
「ぶつぶつぶつぶつぶつぶつ……」
何やらブツブツ言ってる男子が目に入った。雑誌を立ち読みしてる。その、髪を少し茶色く染めた男子は、よく見ると
(……あれは……)
ボクはようやく認識した。彼が
城ヶ崎くんは、クラスでは良くない噂が立っているけど……。
下校する時、下駄箱で「席替えのことは気にすんなよ」とボクに声をかけてくれたので良い人だと思います。
皆は誤解してるようだけど。
(なにしてるんだろう……)
声をかけようと、城ヶ崎くんに近づいた時だった。
「ふっふっふ……。俺はもうエリートなんだ。ほらこの清キラ高校のワッペンを見るがいい凡人どもよ。俺は普通じゃない、エリートエリートエリート……」
などと、ぶつぶつ言ってるのが耳に入り、ボクは立ち止まった。
(え、ええええええええええええええ?)
じょ、城ヶ崎くん?
どうしたの?
なんか様子がおかしいけど?
「何でさっきから粘ってんのにエリートって
二時間も粘ってんの?
清キラの生徒だって指さされるためにそこまでしてるの?
何がキミをそこまでさせるの?
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