第9話 手紙

手合わせの基本の礼を取り、直ぐに着替えてリディアルド殿下の所に向かう、っと言うか相談した日からリディアルド殿下が勉強会の終わりの時間に短時間でも必ず来るようにとお忙しい中会ってくれるのでそれに甘えてる。


「ルカアイール・ホンディール様がお越しです、リディアルド殿下宜しいでしょうか」


「かまわん、通せ」


扉を開かれ挨拶をしてから着席~ふわっふわ~だがキリッと表情を決めて


「リディアルド殿下、その本当に私が作ったマドローヌで宜しいでしょうか、まだまだ拙い作りでお恥ずかしいのですが」


ふわりとリディアルド殿下が笑みを浮かべ


「ありがたい、この場で食したいのだがもう一人呼んでも良いか?」


ノーとは言えないよね?皇太子様だよ?勿論イエス!をしたらお茶を先に頂きもうお一人が来るのを待ちながら


「叩きめしたらしいな」


「あ・・・申し訳ございません」


「いや、ルカ良いんだ、本来ならそれが普通だ王族でも訓練には多少の傷が着きものだ、大怪我には神殿での癒しが使える」


「はぁ、ですが・・」


「問題ない、ルカはよくやってる」


そのあと少ししてもう一人のお方が入室してきたが!この方は!?リディアルド殿下の婚約者でおられるブレイク公爵のナナリアーナ・ブレイク様


「お呼びでしょうか、リディアルド殿下」


しずしずと入ってきた綺麗な輝く黄金の髪に小さなお口にちょっと垂れ下がった丸いおめめは綺麗な秋の枯れゆく葉の色、その髪色と会わせると秋の夕暮れだ、美しさに惑わされぬように気を引きつつめよう!


「お初にお目にかかります。我が国の光の皇太子リディアルド殿下の婚約者でおわす、ナナリアーナ・ブレイク様、私はルカアイール・ホンディールでございます。以後お見知り置きを」


「国の光の皇太子リディアルド殿下と幸福なことに婚約者の地位を授かった私、ナナリアーナ、ルカアイール・ホンディールの正式な挨拶を受け入れます。これからはナナと呼んでくださいまし」


え!?次期王妃をナナ呼びは、っとチラリとリディアルド殿下を見ると困った顔なので


「次期王妃なるナナリアーナ・ブレイク様、敬称で呼ぶことはできません!私が不敬罪になってしまいます!」


何で略称呼びを許されたの!?取り敢えずリディアルド殿下がちょっぴり困ってたので辞退


「ナナ、ルカが作ったお菓子があるのだよ?まずは茶会としよう」


むちゃくちゃ優しい声でお茶会スタートでも、ブレイク家のナナリアーナ様は食さない、んーリディアルド殿下が私が作ったマドローヌを進めないから手にしない、例え私が食しても、まーこれはリディアルド殿下へ作ったマドローヌなのでリディアルド殿下が食されるなら問題ない


「ブレイク様、不格好な物をリディアルド殿下にお渡しして申し訳ありません。この様なことは二度といたしません」


リディアルド殿下の顔が揺れて表情が、微かに見えたが・・・分からなかった、と言うが読み解けなかった。


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