第3話 謎の木箱の中には、まさかのアレが?!
木箱の蓋を両手で持ちあげると中に絹のような光沢のある布に包まれた何かが入っていた。
「開いた……」
思わず呟くと、神子がこれまで見たこともないほど嬉しそうな顔で言った。
「よかった!! この箱を開けることが出来るなんて!! やはりリョウ様が勇者様の魔導士様で間違いありません!! 皆様、急いで陛下と大神官様にご連絡を!!」
「はい!!」
え?
もしかして、この箱を開けられるまで、俺って魔導士認定されてなかったの?
再び神子を見ると、心底嬉しそうな可愛い顔で笑っていた。
ふぁ~~、めちゃくちゃ可愛い!! はぁ~~何、その笑顔。箱開けただけでそんな嬉しそうな顔してくれるなら、俺何個でも箱開けちゃうよ?!
神子様の最高に可愛い笑顔にすっかり見とれていると、神子様が俺を見ながらにっこりと微笑み、布をゆっくりと開きながら言った。
「こちらが、リョウ様の魔法媒体でございます」
俺の目の前には、以前配信で見たみぃ~みゃちゃんが『隠者』というテーマで芸術を表現したというエロ……じゃない、芸術性の高いカードが置かれていた。みぃ~みゃちゃんは長いローブを来ているが、持っている杖にローブがひっかかり、長い足が惜しげもなく晒されて、もう少しで見えてはいけないものが見えそうだ。さらに杖がひかかった拍子にランプが胸の位置に持ち上げているので、胸の谷間が見えている。
え?
これが、俺の魔法媒体?!
「これ……もっと見てもいい?」
俺が尋ねると、神子様は「はい、もちろんです」と答えた。魔法カードをめくっていくと、次々に現れるみぃ~みゃちゃんのエロ……じゃない芸術的なカード。
カードは合計22枚もあり、その絵柄は全てみぃ~みゃちゃんのエロ……じゃない芸術性の高いものだった。中には配信ではまだ公開されてないカードもあった。俺はカードを震える手を持ちながら神子に尋ねた。
「これ、本当に俺がもらっていいの?!」
興奮と歓喜と不安が入り乱れる俺に、神子がにっこりと微笑みながら「はい」と答えた。
神様~~ありがとう!! まさか、異世界でみぃ~みゃちゃんのレアカードが手に入るとは!!
俺が神様に感謝を伝えていると、神子が立ち上がって「それではこのカードをリョウ様専用のカードにいたします」と言って俺たちの目の前のソファーから立ち上がった。
そして、ゆっくりと俺に手を差し出した。
「リョウ様、一度そのカードをお預かりしてもよろしいでしょうか?」
「あ、はい」
俺はすぐにカードは手元に戻ってくると思ったので、神子にカードを差し出した。
神子は、カードを先程までカードが入っていた木箱に入れると部屋の中に置いてある祭壇のような場所に箱を置いた。
そして、神子はアルを見ながら言った。
「それでは、勇者様。こちらへ……体液をお願いしたします」
アルはなぜか照れた様子で、神子を見ながら言った。
「また……先程のを?」
神子は頷きながら言った。
「はい。どうしても勇者様の体液が必要ですので」
体液?
そういえば、さっきもそう言ったね……。
え? 体液って……。
俺が混乱していると、神子がアルの前に立って腰を屈めた。
もしかして、体液って……?!
え? 目の前でそんなエロ……?! いや、ダメだろ?!
「それでは勇者様、失礼いたします」
「ああ」
神子はアルの両脇の下に手を入れると「あはははは!!」と部屋中にアルの大きな笑い声が響いた。俺の目の前では必死にアルの身体をくすぐる女神様のように優しく微笑む神子。そして笑い転げる勇者。
これは一体……どんな状況?
唖然としている俺を横目に、アルが笑い過ぎて、目から涙が零れた。神子はすかさず、アルの涙を小瓶に採取するとアルから離れた。
「勇者様、無事に採取できました」
アルは肩で大きく息を整えながら「そうか……それはよかった」と答えた。なるほど、体液とは涙だったようだ。
そして、神子はみぃ~みゃちゃんのエロ……じゃない芸術的なカードの上にアルの涙を垂らした。
「な!!」
いきなり俺の大切なみぃ~みゃちゃんの上に他の男の体液が付着した瞬間。カードが金色に輝き、カードに書かれた絵が全て消えた。
「は?! な!!! え?!」
俺は愛しいのみぃ~みゃちゃんエロ……じゃない芸術性の高い絵柄が消えて大混乱だ。そしてカードは光になり、俺の口の中に入り込んだ。
「うっ!!」
全く痛みはないが、身体の中が熱くなる。身体の熱が落ち着き祭壇を見ると、みぃ~みゃちゃんのカードが消えていた。
「あれ? カードは?」
俺が呆然とした後に震える声で尋ねると、神子は笑顔で言った。
「カードは全て、リョウ様の中に入りました。これでリョウ様は魔法が使えるようになりました!!」
俺の中にみぃ~みゃちゃんが?
何それ……もう、俺……みぃ~みゃちゃんのエロカード見れないってこと?
「嘘だろ~~~?!」
俺はショックのためか、魔法が使えるようになった反動かよくわからないが、気を失ってしまったのだった。
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