望月未玖の独白

 晴とあまり話さなくなったのは中学2年生。クラスが離れ、お互いに友達ができ、一緒にいることがなくなった。


 晴とは家族付き合いで昔はよく一緒にバーベキューしたり、年越しを過ごしたりと家族じゃないのかと思うほど同じ時間を過ごしていた。


 高校2年生。中学1年生以来、久しぶりに同じクラスになった。けど、教室で話すことはあまりなかった。


「未玖、今度はこのグループ全員で遊びに行こうよ」

「おっ、賛成! 行こ行こ」


 友達と話していると近くから視線を感じて辺りを見渡すと本を手に持っている晴と目が合った。


(もしかして一緒に行きたいのかな……)


 晴があまり騒がしい雰囲気を好んでいないことは知っているが、もし一緒に行きたいと思っているのなら……。


「晴も来る?」

「どこに?」


 本を読んでいる晴を誘ってみたが、どうやらこちらの会話は聞こえていなかったみたいだ。


「カラオケ。歌おうよ」

「いや、いい」

「え~、こっち見てるから行きたいのかと思ってたよ」

「カラオケはあんまり好きじゃない」


 うん、わかってた。久しぶりに晴と遊べると思ったけど、やっぱり騒がしいのは苦手かぁ。


「じゃ、また別の機会に遊ぼっ」

「おう」


 もしかして同じクラスになれて嬉しいと思うのはもしかして私だけなのかな……。


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【完結】『白の天使』と呼ばれている清楚系美少女は、ある日をきっかけに仲良くなりました。 柊なのは @aoihoshi310

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