第30話 オポチュニティズ②
車には若い男2人、若い女3人、パメラ様の他に女の子2人が乗っていた。
長剣を持っている男女はメチャクチャ強いから、魔物の襲われても安心だ。
そのうえ、若い女3人とも凄く綺麗だから、
一緒にメシを食うだけで金を払ってもいいくらいだ。
なんとかお近づきになりたいが・・・
戦っていなかったひょろっとした男が家のおもちゃを地面に置いた。
なんだ、コレ?
そして、空を歩いた女と背の低い男と一緒に魔力を込めたら、
おもちゃの家が本物の家になりやがった!マジか!
「お、おい!」
「ああっ!」
俺たちは彼らに向かって跪いて、懇願した。
「「「兄貴、姉御、どうか俺たちを舎弟にしてください!」」」
「えっ、イヤだけど。」
ガビーン!
全く考えずに背の低い男が断りやがった!
「あっ、花梨はどう思う?」
背の低い男が金髪の女、花梨に声をかけたが、
「えっ、イヤだけど。」
ガビーン!
花梨も取り付く島もなかった。
九郎にどうぞって言われたので、
彼らについて家に入ろうとしたら、花梨に呼び止められた。
「アンタたち、ちょっとじっとするじゃん。臭すぎ!」
顔をゆがませた花梨がクリーンをかけてくれた!
そして、家に入ると、彼らと同じ服をたくさん持ってきた。
「その服、ボロボロじゃん?よかったら着替えなよ。」
花梨は口は悪いが、面倒見はいいらしい。
「ありがとう、姉御!」
「姉御、言うな!」
ジャージと言うらしい、彼らとお揃いの服を着たら、
見たことのない能力を持つ彼らと仲間になったようで誇らしかった。
トイレ、風呂、キッチンなんかを説明されると、
コテージを見てからずっと興奮しているボリスさんが土下座した!
「お願いです!俺にこれを売る手助けをさせてください!」
「えっ、イヤだけど。」
ガビーン!
やっぱり、全く考えずに背の低い男が断りやがった!
「あっ、花梨はどう思う?」
背の低い男が金髪の女、花梨の姉御に声をかけたが、
「えっ、イヤだけど。」
ガビーン!
やっぱり、姉御も取り付く島もなかった。
背の低い男、三蔵(16歳)がこのパーティのリーダー。
剣は凄いが、見も知らぬ俺たちをコテージに迎え入れてくれる甘ちゃん。
カスパーによれば、甘ちゃんではなくって、チビだが懐が広いってことらしい。
俺たちのボロい武器を見て、余っている武器をくれた。
助けたお礼も要らないらしいし、懐が広いっていうよりバカだと思う。
もしかして、美女ぞろいのハーレム野郎かって観察してみたら、
誰にも手を出していない、ヘタレ野郎だった。
ただし、花梨の姉御にも、アルテにも、グレイスさんにも、
少しだが色気を持たれていて、一人に絞ればイケルのでは思うが、
このまま3人ともに愛想をつかされてしまえ!
だけど、舎弟にしてください!
ひょろっとした男、九郎(16歳)。
車やコテージをリアル化する凄い魔術師。
だけど、サポネ(12歳)はともかく、ミレーネ(5歳)、
男の子であるパメラ様(12歳)を本気で好きなヤバいやつ。
パメラ様に手を出すカンジだったら、ぶん殴ろうと思ったけど、
誰にも触れようとせず、熱愛する変態だったので、
このまま監視を続けることにした。
金髪の口の悪い女、花梨(16歳)
可愛くて、空を歩く凄い魔術師。
その強さは見ることは出来なかったが・・・
三蔵と九郎、そしてこの花梨の三人がこのパーティの中心だ。
よく三蔵と九郎をからかっているが、悪意は全くないので、
だれも花梨のことを悪く思っていないみたいだ。
そして、サポネへの溺愛が凄い!
猫人の少女、サポネ(12歳)
三蔵、九郎、花梨への忠誠心が凄い少女。
マッドウルフの魔石を集め、キラッキラした瞳で、
「魔石、取ってきたにゃ!」
って三蔵たちに報告する姿は、可愛すぎて、三蔵たちに嫉妬してしまった。
そして、我が神、パメラ様(12歳) めちゃくちゃ綺麗で可愛い男の子。
男の子。
2度、言っちゃった。
男の子とは思えないくらい綺麗で、可愛い。
グラディシュカ修道院へ行く途中らしい。
パメラ様を見ていると、「博愛」「正義」「無償の愛」とかの、
胡散臭い言葉がマジであるって思わされる。
そんなことを思いながら、パメラ様を見つめていたら、
目があってしまい、にっこりと微笑まれた。
パメラ様のためなら死ねる!
残念なことに、当然なのだが、俺たちよりも三蔵たちを信頼している。
悔しい。
アルテ(18歳)、犬人で常にパメラ様の隣にいる、護衛かつ一の信者。
悔しい。
俺もあの位置に立ちたい。
パメラ様を守ることに命を懸けている。
パメラ様に邪な視線をくれる九郎を敵視していて、
パメラ様が三蔵に話しかけると、三蔵に視線のレーザービームを発射していた。
だけど、事あるごとに三蔵と九郎にしっぽを振っているチョロインだ。
グレイスさん(21歳)、元商人の未亡人。
未亡人!くぅ~!
目元のほくろが色っぽくて、胸と尻がめちゃくちゃデカいのに、腰が括れている!
ああ、グレイスさんの胸で窒息したい!
いや、お尻でもイイ!
グレイスさんの作ってくれた夕食をたっぷりと食べた。
マジ、美味すぎた。
「俺のため、毎日、ご飯を作ってくれないか?」
キリっとした顔で告げてみたい。
ミレーネ(5歳)、グレイスさんの娘。
天真爛漫でヤバい。
ニッコニコの笑顔で、初対面の俺たちの膝に座ってくるんだ。
・・・俺の子どもにならない?
グレイスさんの作ってくれた夕食にも魅了された俺たちは、
全く懲りずにもう一度、土下座した。
「「「「兄貴、姉御、どうか俺たちを舎弟にしてください!」」」」
「えっ、イヤだって言っただろ?
兄貴ってなんだよ?お前らの方が年上だろ?」
またまた、三蔵に、考える間もなく断られてしまった。
三蔵たちがカデックのこと、グラディシュカ修道院のことを聞きたいらしいので、
知っている限りのことを教えた。
彼らの反応が大きかったのは金ランクパーティ、バッドデイのことと
グラディシュカ修道院の院長、ギーター主教のことだった。
ほんの少しでも役に立ててよかった。
女たちがお風呂に入るということで、俺らは1時間ほど、家の外へ放り出された。
三蔵と九郎は家の中なのにな。
ああ、俺らも信用されたいわ。
でも、夜の荒野で、こんなにのんびりしたのは初めてだった。
「なあ、彼らのことどう思う?」
「俺はあいつ等に全部、賭けるぞ!」
ボリスさんは旗幟鮮明だった。ギャンブラーの血が騒いだらしい。
うん、絶対に、商人じゃないわ。
「・・・カスパーはどう思う?」
カスパーは面白くもなんともなさそうに話し出した。
「彼らは英雄だよ。きっと、後世、物語の主人公になってる。
俺たちは彼らと一緒に戦うべきだ。」
「へ~、慎重派のカスパーにしては珍しいな。」
「まあな。だけど、ここからが問題だ。
彼らと一緒にいて、銅ランクの俺たちが役に立つか?
彼らをいつか襲う、圧倒的な力を前に、逃げずにいられるか?
戦ったとしても、五体満足に生き残れるか・・・だな。」
確かに、英雄には巨大な困難が立ちはだかる。
そして、今、カデックの街の周辺は魔物で溢れている・・・
「・・・お前、予言者だったのかよ?」
少し怖くなった俺はまぜっかえすたが、カスパーは話を逸らせた。
「ライナーとルイはどう思う?」
「彼らがいなかったら、俺は死んでたっす。
だから、俺は彼らに恩返しするっす。命を賭けるっす。」
ライナーの答えはライナーらしく、やっぱり生真面目だった。
無口なルイは、ライナーの言葉に大きく肯いただけだった。
「決まったな。
弱くても、一緒にいなくても、情報を集めるとか、
できることはあるハズだ。
たっぷりと恩返しして、いつか「舎弟になってくれ」って言わせようぜ!」
「「おう!!!」」
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