第7話 天才か~
設定・・・適当です。深く考えないでね。
※具現化・・・プラモを生み出すこと。時間かかります。
今の九郎だと、1日に武器セット2個か車1個くらい。
実は、3日に一度くらい銃火器の練習しているので、
あんまり溜まっていない。
※リアル化・・・完成したプラモをリアルにすること。
今の九郎だと武器はすぐに出来るが、
ランクルは少し時間がかかる。
※プラモ化・・・ランクルとかをプラモに戻す。時間はかからない。
武器セットは作るのが簡単すぎて、魔力がたまらない。
武器セットは一度リアル化したら、
使い捨てなので未使用でもプラモ化は無理。
プラモ化している時は、ずっと九郎の魔力が充電されている。
それでは、どうぞ。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
俺、九郎、花梨はニヤニヤしながら奴らに近づいていった。
「た、助けてくれ!頼む!」
命乞いをしてきたアウグストを花梨が嘲笑った。
「アウグスト、アンタの惨めな顔、ウケる。」
バン!
「ぎゃっ!」
俺はアウグストの右耳を打ち抜いてから、冷酷そうな顔をつくって尋ねた。
「俺たちを追跡することを誰かに話したか?」
「い、いや。
騒ぎがないから不審に思って、お前らの死体を見に行ったんだ。
死体がなかったから、こいつに花梨を探してもらったんだ。
そうしたら、東へ移動していることが分かって、
そのまま急いで追いかけてきたんだ。
だから、誰にも話していない、本当だ!」
フンと鼻で笑ってから、九郎と花梨と視線を交わした。
二人とも嘘はついていないと判断したようだ。
「た、助けてくれ!金なら払う!馬も!剣も!」
「お前ら殺したら、全部、手に入るだろ?」
俺が冷たく言い捨てると、九郎もノリノリで加わってきた。
「僕たちが欲しいのは君たちの命だよ。」
「ま、待て!
慌てるな!
く、国からもっと金を持ってこさせる!
それとも身分の方がいいか?推薦する!貴族に推薦するから!
助けてくれ!」
「いらね。そんなの信じられるかよ!」
「そうだね~、じゃあ、君たちの知っている仲間の能力を話してみなよ。
いい情報だったら、助けてあげるよ。」
九郎が見たことのない悪い笑みを浮かべていた。
「ほ、本当か!」
それから、アウグストたちは聖女オフィーリア、仲間のフレーゲル、オフレッサーや
スカウトしているクラスメイトの富士谷勇気【大魔導師】、対馬宗次郎【雷神】、
佐々与次郎【金剛】、仏生寺 善【剣帝】、浅枝鈴也【拳帝】の情報を
ベラベラと我先にしゃべり始めた。
3人が全ての情報を言い終わると、アウグストが惨めったらしく哀願してきた。
「これが俺たちの知っているすべてだ。
どれも重要で、秘密の情報だ!
嘘なんかない、すべて本当だ!だから助けてくれ!」
「う~ん、どうする?」
悩むふりして二人に尋ねた。
「僕たちには本当かどうか分からないよね。」
九郎がとぼけると花梨が嬉しそうに肯いた。
「だね、だね!
アウグストは昨日、アッシたち3人を殺したし、
アンタはアッシをマーキングしているから、どこまででも追いかけて来れるじゃん?
アンタは三蔵と九郎を殺して、アッシをレイプしようとしたし。
と・い・う・こ・と・は、3人とも、殺すしかないじゃん?」
「た、助けて!」
「マーキングはもう消している!本当だ!」
「じょ、冗談だったんです!信じてください!」
男3人は涙と鼻水を垂れ流しながら、惨めに哀願してきた。
「わかった、わかった。楽に殺してやるよ。」
バン!バン!
奴らの額に穴が開いて、ばったりと倒れると、もう臭い息を吐くこともなくなった。
「余裕だったな。」
「だね。それより、全く心が痛まないんだけど。」
「俺も。」
「アッシも。」
「心も体も強くなったってことだろ?
悪党殺して心を病んだら割にあわないからな。」
俺と九郎、花梨は右腕をぶつけ合い、左腕をぶつけ合い、
胸をどーんとぶつけて、最後、両手でハイタッチした。
「「「イエ~!」」」
街道を東に行く、裕福そうな商人に馬3頭を格安で売り払って、
また辺りに人がいなくなってから、九郎がプラモのランクルを丁寧に地面に置いた。
「ちょっと待った!」
ランクルをリアル化する前に花梨がストップをかけた。
「どうしたの?」
「魔法ってイメージが大切じゃん?
この車をリアルにするとき、細部を具体的にイメージすることが大切なんよ。
つ・ま・り、コンビニで弁当とかを買って、お出かけするイメージ!」
俺と九郎はその発想に驚き、固まった後、ハモって絶叫した。
「「・・・天才か~!!」」
花梨がにんまりと笑った。
「まあよ!もちろん、弁当だけじゃダメ!
お茶とデザート、ジュース・・・旅行だから、お菓子も必要じゃ~ん!」
得意げな花梨の念押しに、俺と九郎はまたハモって絶叫した。
「「天才か~!!」」
九郎がドキドキしながらプラモに魔力を込めると、本物のランクルに変化した。
俺たちはワクワクしながら、一斉にドアを開けると・・・
3つの大きな、セブンのプラ袋がある~!
中身は唐揚げ弁当、500mlのウーロン茶ペットボトルと
コーラペットボトル、イチゴショートとポテチが3セットだった。
「「「やった~!」」」
俺たちは、右腕をぶつけ合い、左腕をぶつけ合い、
胸をどーんとぶつけて、最後、両手でハイタッチした。
車の座席に座ってから、貪るように唐揚げ弁当を食べた。
6日ぶりに食べた日本の食事は最高に美味しかった。
「美味い!最高だ!唐揚げも!米も!美味い!」
「うんうん!」
3人ともあっという間に食べ終わり、ウーロン茶を飲み干した。
「ふ~、美味かった。九郎、ありがとう。」
「いや、花梨の発想のおかげだよ。」
「う~ん、でもさ、九郎の発想、貧弱だよね!」
「うわっ!まさかのダメ出し!美味いって言ったばかりなのに!」
「いや、美味しかったんだよ!
だけどさぁ、普通、別々のモノを出すでしょ?
同じやつを3つずつってさぁ・・・」
「厳しい~!」
「「「アハハ!」」」
運転席に俺、助手席に花梨が座った。
徹夜明けの九郎は、後部座席をフラットにして布団を敷くと、
横になってすぐに眠ってしまった。
九郎は徹夜で武器を制作していたから疲れ切っていて、
朝食抜きで歩きずめだったからな・・・
街道は8メートルくらいの幅があり、当然、舗装はされていないが、
大きな窪みとかはなく、なかなか走りやすかった。
青い空、広大な畑が広がっていて、
まっすぐな街道を時速30キロメートルくらいで走っていった。
花梨は車のオーディオをいじっていたけれど、
当然、ラジオは鳴らず、TVも見られず、音楽も鳴らなかった。
「う~ん、ここも直さないとね・・・
あとは・・・スマホの充電、出来るようにしないと・・・」
ぶちぶちと文句を言っている花梨に問いかけた。
「なあ、花梨の能力、教えてくれる?
どうやって、アウグストの腕を切り落としたんだ?
どうやって、空を歩いたんだ?」
「ソレ、訊いちゃう?訊いちゃう?」
花梨はご機嫌になって、俺の頬をツンツンした。
「しょうがないから、教えてあげるよ~。」
「いや、俺たちも教えただろ!」
俺のツッコミを全く気にせず、花梨は声を張って話し出した。
「アッシの二つ名は【リバティアイランド】!」
「あれ?【トランスポーター】じゃなかったっけ?」
びっくりして、花梨を凝視してしまった。
「わき見運転、あぶないじゃん!」
少し、街道を斜めに走ったもんだから、叱られてしまった。
「ごめん、ごめん!」
「ふっふっふ!二つ名が進化したのだ!
荷運び人から、空間を自由に固定出来るようになったじゃ~ん!」
「空間を固定って・・・空を駆けたり、歩いていたのは、
階段みたいに空間を固定したってこと?」
「そうそう!すぐに壊れちゃうんだけどね。」
「凄い!楽しそう!俺も歩きたい!出来る?」
「無理無理!固定できるのはほんの1秒くらいだし、見えないし。
まあ?ケガしてもいいなら、やってアゲルけど?」
「止めとくわ。・・・アウグストの腕を切り落としたのは?」
「あれも空間魔法だよ。長い剣のような形に固定して、切り裂いたってことじゃん。
名付けて、エアブレード!」
「おおっ、廚2っぽい!
見えなくて、長さも自由な剣か!
カッコいいし、無敵じゃない?
お前、最強じゃね~か!」
「まあよ?でも、まだ剣はもろいんだよね。
アイツは鎧を着ていなかったから、斬れたと思うんだ。」
「なるほど・・・」
さっき、馬を売った商人に追いつきそうになった。
「どうする?車、見られちゃうけど、追い抜くか?」
「ゴーゴー!」
花梨の楽しそうな掛け声を聞いて、そのまま追い抜くことにした。
馬が驚き、馬車は少し立ち止まってしまったけど・・・
「意外と驚かれなかったな。」
「そりゃあね。アッシの光学迷彩で、この車を隠していたから。
まあ、振動や?エンジン音?があったから、
何かが追い抜いたのはバレたけどね。」
「・・・それに、デカいアイテムボックスあるんだろ?
お前、有能すぎるな!」
「まあよ!尊いアッシを、丁重に敬いたまえ、三蔵クン!」
「ははぁ~!」
「「アハハ!」」
「でも、三蔵も凄かったじゃん!
拳銃なんて初めてじゃん?
しかも2丁拳銃で、二人の右手、左手を同時に打ち抜いたじゃん!」
「ふっふっふ!俺に惚れるなよ?」
キラリと白い歯を見せた。
「ないない!身長があと、29センチ伸びたら考えるわ!」
「がび~ん!」
あんなにかっこよかったのに、たった1センチしか、好感度上がらなかったよ・・・
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