第11章「ミオの秘密」- ミオの転生者としての宿命が明らかになり、チームに亀裂が生じる
ワイらは、森の真実を知り、さらなる戦いへと身を投じる。
ワイ「よし、いよいよ決戦や!みんな、気合い入れていくで!」
リナ「はい!私も全力で戦います!」
ゴウ「ああ、みんなで必ず勝利や!」
ミオ「…。」
…とその時、ミオが何やら暗い表情を浮かべる。
ワイ「ん?ミオ、どないしたん?」
ミオ「…ごめん、みんな。実は、私…」
その言葉に、一同の視線がミオに集まる。
ミオ「私、転生者なの。前の世界で死んで、この世界に来たの」
ワイ「な、なんやて…!?」
リナ「ミ、ミオさん…それって…」
ゴウ「ちょ、ちょっと待て!どういうことや!?」
衝撃の事実に、ワイらは言葉を失う。
ミオ「ごめんなさい、黙ってて…でも、私にはある宿命があるの」
ミオの口から、衝撃の真実が語られる。
ミオ「私、前の世界で魔王と戦って負けたの。だから、この世界に転生して、また戦わなくちゃいけないの」
ワイ「魔王…あの巨大魔物のボスってことか…?」
ミオ「ええ。私、前世の記憶を取り戻したの。魔王を倒さない限り、私は永遠に戦い続けなくちゃいけないの」
リナ「そ、そんな…!ミオさん、一人で抱え込んでたなんて…!」
ゴウ「ちっ、仲間だからって、何も言わんとはな…」
ミオに向けられる視線が、複雑なものに変わっていく。
ワイ「…ミオ。お前、ワイらを信用しとらんのか?」
ミオ「え…?違うの、ワイ!私は…」
ワイ「黙って抱え込むくらいなら、初めから仲間に入るな言うとるんや!」
ワイの言葉に、ミオが目を見開く。
ミオ「ワイ…私は、みんなを巻き込みたくなかったの…」
ワイ「アホ!そんなん、お前が勝手に決めつけとるだけやろ!」
ワイは怒りに任せて、ミオに食ってかかる。
リナ「ちょ、ちょっとワイさん!言い過ぎです!」
ゴウ「ワイ!落ち着けって!な!」
ゴウとリナが必死にワイを止めようとするが、ワイの怒りは収まらない。
ワイ「お前な、仲間言うのはな、苦しみも喜びも分かち合うもんやで!」
ワイ「一人で背負い込むから、つらくなるんやろが!」
ミオ「わ、ワイ…私…」
ワイ「黙って聞いとれ!ワイらな、お前が転生者やろうが何やろうが、仲間やねん!」
ワイ「一緒に戦うって決めたんや!なのに、お前は…!」
ミオ「ご、ごめんなさい…私、間違ってた…!」
ミオが泣きそうな顔でワイに詫びる。それを見て、ワイの怒りもようやく収まる。
リナ「ワイさん…ミオさんも、辛かったんですよ…」
ゴウ「ああ、ミオの気持ちもわかるわ。一人で戦おうとしたんやろ」
ワイ「…わかっとる。ワイが言い過ぎたわ。すまん、ミオ」
ミオ「ううん、謝るのはワイじゃないわ。ごめんなさい、みんな」
ミオが深々と頭を下げる。
ミオ「私、本当はずっと言いたかったの。でも、みんなを危険に晒したくなくて…」
リナ「もう、ミオさんったら…私たち、仲間じゃないですか」
ゴウ「そうやで。苦しみも喜びも、全部分かち合うのが仲間ってもんや」
ミオ「リナ、ゴウ…ありがとう」
ミオの目から、涙がこぼれ落ちる。
ワイ「…よっしゃ、ミオ。決まりやな」
ミオ「え…?」
ワイ「お前の宿命、ワイらで打ち破ったるで。絶対に、魔王を倒したるわ」
ワイの力強い言葉に、ミオの表情が輝き始める。
ミオ「ワイ…!私…!」
リナ「ええ!みんなで力を合わせましょう!」
ゴウ「ああ、ミオ一人に背負わせるわけにはいかんからな!」
ミオ「みんな…ありがとう…!」
ミオが、ワイらに感謝の涙を流す。
ワイ「よーし、気持ちを新たに、戦いに向かうで!魔王のヤロー、覚悟しとけや!」
リナ「私たちの絆の力、見せつけてやりましょう!」
ゴウ「ああ、ミオの宿命、俺らが必ず打ち砕いたるわ!」
ミオ「みんな…心強いわ。私、もう迷わない。みんなと一緒に、必ず勝つわ!」
力強い宣言が、ワイらの胸に響き渡る。
…しかし、ミオの秘密の暴露は、ワイらに予想外の影響を及ぼしていた。
村人A「あの娘、転生者やって?前の世界の記憶があるんやろ?」
村人B「魔王と戦ってたって…もしかして、あの魔物の襲撃も、アイツが呼び寄せたんちゃうか…?」
村人C「い、いかんぜよ!転生者なんて、信用でけへん!」
ミオへの疑惑の目が、村人たちの間で広がっていく。
ミオ「ち、違うの!私は村を守りたくて…!」
村人A「ほな、なんであんな魔物が現れたんや!お前が呼んだに決まっとるやろ!」
村人B「村が壊れたのも、お前のせいやないのか!?」
ミオ「そ、そんな…私、そんなつもりじゃ…」
ミオへの心無い言葉が、容赦なく飛び交う。
ワイ「コラ!お前ら、何言うとんじゃ!ミオが何したっちゅうねん!」
リナ「そうよ!ミオさんだって、必死に戦ってくれてるじゃない!」
ゴウ「てめえら、ミオをバカにすんじゃねえ!話も聞かずに決めつけやがって!」
ワイらは必死にミオをかばうが、村人たちの怒りは収まらない。
村人C「お前ら、転生者の仲間なんやろ!?だったら、村から出ていけ!」
村人A「せやせや!お前らのせいで、村は大変なことになったんや!」
村人B「魔物に殺された仲間の恨み、忘れたらあかん!出てけ!」
さらなる罵声が、ワイらに浴びせかけられる。
ミオ「私のせいで…みんなまで…」
ミオが、打ちひしがれそうな表情を浮かべる。
ワイ「ミオ、お前は悪くない。全部、ワイらが悪かったんや」
リナ「そうよ、ミオさん。私たち、あなたの味方だから」
ゴウ「ああ、ミオが転生者だろうが何だろうが、俺らの仲間や。誰にも渡さん」
ワイらの言葉に、ミオは涙を堪える。
ミオ「ワイ、リナ、ゴウ…私…」
だが、村人たちの剣幕は収まらない。
村人A「こいつら、村の仇よ!絶対に許さん!」
村人B「追い出さな、村が危ないで!」
村人C「みんな、武器を持ってこい!こいつらを村から叩き出すんや!」
事態は最悪の方向へ向かっていた。
ワイ「くそっ…!このままやと、村が二つに割れてまう…!」
リナ「ど、どうしましょう…!このままじゃ、手痛い争いになっちゃう…!」
ゴウ「ちくしょう…!俺らだけでどっか行くしかないのか…!?」
ミオ「私のせいだわ…私さえいなければ…!」
ミオが、悲痛な表情で呟く。
ワイ「ミオ…お前だけは責められへん。ワイらが…」
リナ「そうですよ、ミオさん…!あなたは悪くない…!」
…その時、ワイの脳裏に、老賢者の言葉が蘇る。
『魔王を倒すためには、村人たちの協力が不可欠じゃ。力ずくでは、真の平和は訪れん』
ワイ「今は、村を割ることは避けなアカン。でも、このままでは先がない…」
ワイ「ミオ、すまんが、一旦離れるしかないかもしれん」
ミオ「え…!?」
リナ「ちょ、ちょっとワイさん!どういうこと!?」
ゴウ「おい、ワイ…!本気で言うとるのか…!?」
ワイの提案に、一同が驚きの声を上げる。
ワイ「今、ワイらがここにおると、事態がこじれるだけや。ミオを犠牲にするわけにはいかん」
ワイ「一度身を引いて、冷静になるんや。そしたら、また村人たちを説得できるかもしれん」
ミオ「で、でも…!私一人で行けば…!」
ワイ「バカ言うな。ワイら、お前を一人にはせえへん。絶対に守り抜く」
ワイの強い意志に、ミオの瞳が潤む。
ミオ「ワイ…ありがとう…!」
リナ「…わかりました。ミオさんを守るためなら、一旦離れるしかないですね」
ゴウ「ああ、それしかないか…けど、絶対にまた戻ってくるからな!」
ワイ「よし、決まりや。ほな、今のうちにこっそり村を抜け出すで」
一同、うなずく。
こうして、ワイらは村を後にすることになった。
ミオの秘密は、予想外の亀裂をチームにもたらした。
村人たちの反発、ミオへの疑惑、ワイらの決別…。
かつての絆は、引き裂かれてしまったかのようだ。
しかし、ワイらの信頼は揺るがない。
ミオを、仲間を、絶対に守り抜く。
そして、必ず村の平和を取り戻す。
魔王を打倒し、ミオの宿命を断ち切るために…!
今ワイらにできるのは、戦い続けることだけや。
ミオの涙を、村人たちの怒りを、全てを背負って…。
ワイは仲間を信じ、再び立ち上がる!
めげずに、あきらめずに、戦い抜くんや!
そう心に誓い、ワイは村を後にするのやった!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます