第12章「和解」- ワイの活躍でミオとチームの和解が成立。絆が深まる

ワイらは村を離れ、森の奥地で野営している。

ワイ「ったく、ろくでもない状況やな…」

リナ「でも、ここまで来たら、もう後戻りはできないわ」

ゴウ「ああ、俺らがミオを信じてるのに、村の連中ときたら…」

ミオ「…ごめんなさい、みんな。私のせいで…」

ミオが申し訳なさそうに、うつむく。


ワイ「お前らな、人聞きの悪いこと言うな。ミオは悪くねえって」

リナ「そうよ!ミオさんは頑張ってくれてるんだから!」

ゴウ「ああ、ミオの気持ちはよくわかる。一人で戦おうとしたんやろ?」

ミオ「みんな…優しいのに、私…」

涙をこらえるミオ。ワイは思わず立ち上がり、ミオの肩に手を置く。


ワイ「ミオ、お前な。仲間を信じられへんのは、自分を信じられてへんからや」

ミオ「え…?」

ワイ「お前はずっと一人で戦ってきた。でも、もう一人じゃない」

ワイ「ワイら、お前の仲間や。一緒に戦うんや」

リナ「ワイさん…」

ゴウ「ワイ、お前、いいこと言うやん」

ワイの言葉に、ミオの瞳からこぼれる雫。


ミオ「ワイ…私、みんなを信じたい。でも、私のせいでみんなが危険に晒されるのは…」

ワイ「バカ言うな。お前を守るのがワイらの役目や。一緒に戦うから、仲間なんや」

リナ「そうよ、ミオさん!私たち、あなたのためならなんだってする!」

ゴウ「ああ、俺らはお前の力になりたいんや。だから、俺らを頼ってくれ」

ミオ「みんな…ありがとう…!」

ミオが涙を流しながら、ワイらを見つめる。


ワイ「よっしゃ、決まりや!このままじゃ、村は魔物に壊滅してまう」

リナ「ええ、このままじゃダメ。私たち、村を守らないと」

ゴウ「けど、村人はミオを信用してへん。どないしたらええんや?」

ワイ「ワイに案がある。村人に、ミオの真の姿を見せるんや」

一同「「「え?」」」


ワイ「ミオの力を、村人の目の前で見せつける。そしたら、ミオが敵やないってわかるやろ」

リナ「で、でも、村人たちが聞く耳を持ってくれるかしら…」

ゴウ「いや、やってみる価値はあるで。ミオの人となりを知ってもらわな」

ミオ「私…みんなを守れるかな…」

ワイ「大丈夫や。ワイらがついとる。お前の力を信じろ、ミオ」

ワイの力強い言葉に、ミオが頷く。


こうして、ワイらは村に戻ることを決意する。

村の入り口に立つワイら。村人たちが、敵意の眼差しを向ける。

村人A「なんや、お前ら帰ってきよったんか!」

村人B「転生者の仲間は、出ていけ言うとるやろ!」

村人C「お前らのせいで、村が荒れ果てたんや!」

ワイ「ちょっと待ってくれ!ワイらの話を聞いてくれ!」


ワイが必死に訴えるが、村人たちは聞く耳を持たない。

その時、ミオが前に出る。

ミオ「お願いです!私の話を聞いてください!」

ミオの必死の形相に、村人たちもつられて静まり返る。


ミオ「私は確かに転生者です。前の世界で、魔王と戦って敗れました」

ミオ「だから、もう二度と、大切な人を失いたくないんです」

ミオ「この村の平和を、みんなの笑顔を、私は守りたい」

ミオ「たとえ、私の命を投げ出してでも…!」

ミオの真摯な思いが、村人たちの心に響く。


村人A「お、お前…本気で言うとるんか…?」

村人B「今までの魔物の襲撃は、お前が呼び寄せたんとちゃうんか…?」

ミオ「違います!私は絶対にそんなことしません!」

ミオ「私がほしいのは、平和な村…みんなの幸せなんです…!」

その時、ミオの体が光り始める。


ワイ「み、ミオ…!お前、体が…!」

リナ「ミオさんの体から、光が…!」

ゴウ「これは…ミオの力か…!?」

ミオ「私の力は、みんなを守るためにある…決して、傷つけるためじゃない…!」

ミオの体から放たれる光が、村を包み込んでいく。


村人A「な、なんやこの光…!?」

村人B「温かくて、優しい光や…」

村人C「これが、ミオの力…!」

光はさらに強くなり、村の周りに防壁を作り出す。


ミオ「私の光の防壁で、魔物は近づけません…!村は安全です…!」

村人たちは、驚きと感動に包まれる。

村人A「ミオ、お前…私らを守ってくれよったんか…」

村人B「ほんまや…お前は村の恩人や…!」

村人C「ごめんな、ミオ…勘違いしとった…」

村人たちが、次々とミオに詫びる。


ミオ「いいえ、私こそごめんなさい…もっと早く、私の思いを伝えるべきでした…」

ワイ「ミオ、よくやったで。お前の思い、みんなに届いたわ」

リナ「ミオさん、あなたは本当に優しくて、強い人…」

ゴウ「ああ、俺らがミオを信じてて良かったぜ」

ワイらも、ミオを称える。


村人A「ミオ、それに転生者の仲間の皆…私らこそ、仲間に入れてくれ」

村人B「ああ、これからは力を合わせて、村を守っていこう」

村人C「若い衆の力、借りるわい。共に戦おう」

村人たちが、ワイらに協力を申し出る。


ワイ「よっしゃ、決まりや!みんなで力を合わせて、魔王を倒すで!」

一同「「「おー!!」」」


こうして、ミオと村人たち、そしてワイらの和解が成立した。

ミオの真の力と、ワイらの固い絆が、村を一つにしたのだ。

これからは、心を一つに、共に戦っていく。

魔王打倒のために、村の平和のために…!

ワイはミオの手を取り、力強く握りしめる。

ワイ「ミオ、もう一人で戦わんでええんやで。ワイらがついとる」

ミオ「…ありがとう、ワイ。私、もう迷わない。みんなと一緒に、戦い抜くわ」

二人は固く手を携え、再び戦いの旅路に向かうのだった。

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