第10章「真実への一歩」- 森の異変の真相に近づくため、情報収集に努める。

ワイは目を覚ます。

意識が戻ってきたんや。

周りを見渡すと、そこは見知らぬ小屋の中やった。

ワイ「うーん…ここ、どこやねん…」

体中が痛むが、なんとか起き上がる。

リナ「あ、ワイさん!目が覚めた!」

ミオ「良かった…本当に心配したのよ」

ゴウ「ったく、ワイのヤツ、死んだかと思ったぞ」

ワイを心配そうに見つめる仲間たち。

ワイ「お、おう…心配かけて悪かったな。でも、ワイはなんともないで」

リナ「よかった…ほんとによかった…!」

リナが泣きそうな顔でワイに抱きつく。

ワイ「お、おい、リナ!離れぇやー!」

ミオ「もう、リナったら…ワイの傷に障るでしょ」

ゴウ「ははは、相変わらずやな」

ワイ「…ってか、ワイらここどこなん?確か、森で…」

一同の顔が曇る。

リナ「…わたしたち、あの魔物に敗れちゃったんです」

ミオ「気がついたら、この小屋にいたのよ」

ゴウ「誰かに助けられたんやろうが…正体はわからん」

ワイ「そ、そうか…クソッ、ワイは情けないで…!」

悔しさに拳を握り締めるワイ。

と、その時、小屋の扉が開く。


???「おや、お目覚めかな、若者」

現れたのは、よぼよぼの老人やった。

ワイ「あ、あんたは…?」

老人「わしは、この森に住む者じゃ。ワシが助けたんじゃよ」

リナ「あの、ありがとうございます!助かりました!」

ミオ「でも、どうしてあの場所に…?」

老人「わしは森の異変に気づいておってな。そこで若者らを見つけたんじゃ」

ゴウ「まさか…あんたにも、森の異変について何か知ってるのか…?」

老人の顔が真剣なものに変わる。

老人「…実はな、この異変の原因について、わしなりの考えがあるんじゃ」

ワイ「ほ、本当ですか!?教えてください!」

一同、身を乗り出して老人の話を聞く。

老人「わしの推測では…この異変の裏には、人間の悪意が隠れておる」

ワイ「人間の悪意…?どういうことですか…?」

老人「この森には昔から、人と自然が共存しておった。しかし、ある時を境に、人が自然を壊し始めたんじゃ」

老人「森を切り開き、動物を追い出し、魔物を呼び寄せた…まさに、人災というやつじゃな」

ワイ「そ、そんな…人間のせいで、こんな異変が…?」

リナ「ひどい…!自然を大切にしないなんて…!」

ミオ「でも、どうしてそんなことを…?」

老人「金や欲のためじゃろう。この世の中、そういう輩は少なくないからのう」

ゴウ「ちっ、ろくでもねえヤツらだな…!」

ワイ「…わかりました。人間の悪意が原因なら、ワイらで正してみせます」

ワイは力強く宣言する。


老人「うむ、その意気じゃ。わしも協力させてもらおう」

ワイ「え?じいさんが?」

老人「わしも昔は、立派な戦士じゃったからのう。森を守るため、共に戦おうぞ」

リナ「頼もしいですね!ありがとうございます!」

ミオ「これでまた心強い味方が増えたわ!」

ゴウ「よっしゃ、早速真相を暴くで!」

ワイ「うん!みんな、行くで!」

こうして、ワイたちは老人を仲間に加え、森の異変の真相に迫ることになった。


まずは、村で情報収集をすることにする。

ワイ「すんません、ちょっと聞きたいことがあるんですけど」

村人A「あん?何や、よそ者」

ワイ「この森で、なんか変わったことないですか?」

村人A「変わったこと?何が言いたいんや」

ワイ「だから、森の動物が減ったとか、魔物が増えたとか…」

村人A「知らんがな。俺は森なんか、関係ないし」

ワイ「はぁ…参ったな」

村人の態度は非協力的やった。

リナ「ワイさん、私からも聞いてみましょう」

リナが別の村人に話しかける。

リナ「あのー、ちょっとお聞きしたいんですけど」

村人B「はい?何でしょう、お嬢さん」

リナ「実は、森で異変が起きてるって聞いたんです。何か知りませんか?」

村人B「異変…?ああ、たしかに最近、森の方がざわついてるって話は聞くね」

リナ「本当ですか!?詳しく教えてください!」

村人B「うーん、俺もよく知らないんだけどね。ただ、この村の長老様なら何か知ってるかもよ?」

リナ「長老様、ですか?」

村人B「ああ。長老様なら、村の東の大きな屋敷に住んでるはずだよ」

リナ「わかりました!ありがとうございます!」

情報を得たリナが、ワイのもとに戻ってくる。

リナ「ワイさん!手がかりが見つかりました!」

ワイ「ほんまか!?何や!?」

リナ「村の長老様なら、森の異変について何か知ってるみたいです!」

ワイ「おお!よっしゃ、長老の屋敷に行くで!」

ミオ「待って。その前に、村の人たちからもっと話を聞いておいた方がいいわ」

ゴウ「そうやな。一軒だけじゃ、情報が偏るかもしれん」

老人「うむ。できるだけ多くの人に話を聞くのが賢明じゃ」

ワイ「あ、ああ…わかった。もうちょい村で情報集めするか…」

ワイらは手分けして、村人たちに話を聞いて回る。


ワイ「で、結局どうやった?」

一通り情報収集を終えたワイらが、村の広場に集まる。

ミオ「私が聞いた話では、やっぱり森の異変は最近起きたものらしいわ」

ゴウ「俺も同じ話を聞いたで。ここ数ヶ月のことらしいな」

老人「わしが聞いた情報でも、原因は人間の仕業らしい。村の誰かが森に何かをしでかしたんじゃとか」

リナ「村の誰かって…まさか、村人が森を荒らしてるってこと…?」

ワイ「そんな話、聞いた覚えないけどな…誰も教えてくれへんかった」

ミオ「みんな、知ってるけど黙ってるのかも…」

ゴウ「隠蔽ってやつか…面倒くせえな」

老人「隠されとる真実こそ、明らかにせにゃならんのじゃがの」

ワイ「…よし、長老の屋敷に行くで。真実を聞き出したるわ」

一同、うなずく。


村の東にある、立派な屋敷。

ワイらは緊張した面持ちで、その門をくぐる。

ワイ「あ、あのー!長老!会えますかー!?」

メイド「あら、どなたでしょう?」

出てきたメイドに、事情を話す。

メイド「ああ、異変の件ですね。かしこまりました。長老様にお取り次ぎしますので、こちらへ」

ワイら、メイドに案内されて長老の部屋へ。

ガラガラ…

長老「ほう、若者たちに、わしの知り合いのロウじゃな。よく来たのう」

ロウ「久しぶりじゃの、アンデルセン」

ワイ「あ、あの!長老!森の異変について、何か知ってることないですか!?」

アンデルセン「ふむ、森の異変とな…そのことで、わしに聞きたいことがあると」

リナ「はい!森が荒れてるのは人間の仕業だって聞いたんです!」

ミオ「村の誰かが、何かをしでかしたって噂なんですけど…」

ゴウ「あんた、何か知っとるんとちゃうか?」

アンデルセンの顔色が変わる。

アンデルセン「…その件については、わしも噂で聞いておる。じゃが、詳しいことはわからん」

ロウ「本当かの、アンデルセン。お主なら、何か知っておるじゃろう」

アンデルセン「…。」

ワイ「頼みます!真実を教えてください!ワイら、この森を助けたいんです!」

ワイの必死の訴えに、アンデルセンは観念したように溜息をつく。

アンデルセン「…わかった。わしの知っていることを、話そう」

一同、息を飲んで聞く。


アンデルセン「この異変の発端は…村の若者たちの仕業なんじゃ」

ワイ「村の若者たち…?」

アンデルセン「奴らは金儲けのために、森の資源を乱獲しておった。木を伐採し、鉱石を掘り尽くし、挙げ句、魔物を呼び寄せた…」

リナ「ひどい…!自然を破壊して、魔物を呼ぶだなんて…!」

アンデルセン「じゃが、奴らはすぐに魔物に襲われ、全滅したらしい。魔物に魂を奪われ、操られる者も出たとか…」

ミオ「魔物に操られる…まさか、あの巨大魔物も…!」

アンデルセン「あれは、奴らを束ねていた長の息子…一番の切り込み隊長じゃったらしい。もはや、人の心は失っておる…」

ゴウ「ちっ、自業自得だな…」

ワイ「…それで、村の人たちは知ってて黙ってたんですね」

アンデルセン「うむ…こんな恥ずかしい話、他所者に知られたくなかったんじゃろう。わしも、口止めされておってな…」

ロウ「しかし、事態を放置すれば村も危ない。このままではいかん」

ワイ「…わかりました。長老、ロウじいさん、ありがとうございます」

アンデルセン「うむ。わしからもお願いじゃ。どうか、この森を、村を救ってくれい」

ワイ「任せてください。ワイら、全力で戦います。必ず、平和を取り戻してみせます!」

リナ「そうですね!自然と人が共存できる世界を!」

ミオ「私たちの力を、存分に使わせてもらうわ!」

ゴウ「よっしゃ!魔物退治の前に、作戦会議や!」

ロウ「うむ、よい心意気じゃ。わしも戦うぞい!」

アンデルセン「皆の者、悪を挫き、正義を示してくれい!」

ワイ「よーし!みんな、森に乗り込むで!真実を胸に、立ち向かうんや!」

一同「おー!!」


こうして、ワイらは真実の一端を掴んだ。

しかし、これは闘いの始まりに過ぎない。

人間の欲望が生んだ異変。

それを正すのは、ワイら次第や。

この手で、森に、村に、平和を。

そう誓って、ワイらは再び、魔物の待つ森へと足を踏み入れる。

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