第9章「森の危機」- 森の異変に気づくが、原因を突き止められない

ワイらは、いつものように旅を続けとる。楽しい日々や。

リナ「ねえワイさん、今日はどこで休憩する?」

ミオ「そうね、そろそろ一休みしたいわ」

ゴウ「けっ、お前らは体力ないのう。ワイはまだまだ元気やで」

ワイ「おいゴウ、無理すんなや。適度な休憩は大事やぞ」

ゴウ「何やワイ、いつからそんなに大人ぶっとんねん」

ワイ「は?ワイはいつだって大人やわ!」

リナ「はいはい、二人とも喧嘩しないの!」

ミオ「ほんと、仲いいんだから、もう」

こんな会話を交わしながら、森の中を進んでいく。

だが、不思議なことに、森が静まり返っているのに気づく。

ワイ「おい、なんか変やない?」

リナ「え?どこがですか?」

ワイ「いつもなら、鳥の鳴き声とか虫の声とかうるさいはずやのに、全然せえへん」

ゴウ「言われてみれば、そうやな。不気味やわ」

ミオ「なんだか嫌な予感がするわね…」

ワイらは身構える。

と、その時、

「ギャオオオオン!!」

「キャアアア!!」

甲高い叫び声が、森に響き渡る。

リナ「な、なんの声!?」

ミオ「人の悲鳴のようだけど…」

ゴウ「ワイ!どうする!?」

ワイ「決まっとるやろ!助けに行くんや!」

迷わずその声のする方へ駆け出す。


悲鳴のした場所に着くと、そこには恐ろしい光景が広がっとった。

「ギャオオオ!」

「た、助けて!」

魔物の群れが、一人の少女を囲んで襲っとる。

リナ「ひ、酷い…!あの子、食べられちゃう!」

ミオ「そんなの、見過ごせないわ!」

ゴウ「助けるぞ!武器を構えろ!」

ワイ「うおおお!魔物めええ!」

ワイは真っ先に飛び出し、魔物に斬りかかる。

「ギャオオ!?」

一匹の魔物が斬られ、のたうち回る。他の魔物が、ワイに気づく。

「ギャオオオオ!!」

魔物の群れが、一斉にワイに襲い掛かってくる!

ゴウ「ワイ!危ない!」

ゴウが割って入り、魔物をなぎ払う。

リナ「私も!『エクスプロージョン』!」

ミオ「私も負けないわ!『デュアルスラッシュ』!」

リナの爆炎魔法と、ミオの二刀流が、魔物を薙ぎ倒す。

ワイ「よっしゃ!みんな、あと少しや!」

力を合わせ、なんとか魔物を退治することに成功する。

少女「あ、ありがとうございます…!助けていただいて…」

ワイ「ああ、もう大丈夫や。怪我はないか?」

少女「は、はい…なんとか無事です…」

リナ「良かった…でも、どうしてこんな森の中に?」

少女「わ、私、村から森の様子を見に来たんです…いつもと様子が違って…」

ミオ「いつもと様子が違う?どういうこと?」

少女「動物たちの声が聞こえないんです…それに、魔物が増えてるみたいで…」

ゴウ「なるほど、それで魔物に襲われたのか」

ワイ「ちょっと待ってや。その話、詳しく聞かせてくれへんか?」


少女の話では、ここ最近、森の動物たちの姿を見なくなったらしい。

少女「鳥も、リスも、ウサギも…みんな、どこかへ消えてしまったんです」

リナ「まるで、何かから逃げ出したみたいね…」

ミオ「それに、魔物が増えたっていうのも気になるわ」

ゴウ「あの魔物のような化け物、俺らが旅してる間にも出くわしたことなかったしな」

ワイ「これは、何かがおかしいで…森に異変が起きとるんとちゃうか?」

ワイの言葉に、一同は重い空気に包まれる。

少女「お、お願いします!私の村を、この森を助けてください…!」

ワイ「ああ、任しとき。ワイらに調べさせてもらうで」

リナ「そうですね。私たちの力を貸します」

ミオ「異変の原因を突き止めないと」

ゴウ「よし、早速動くぞ!」

ワイらは力を合わせ、森の異変の調査を開始する。


まずは、魔物の痕跡を探ることにする。

ワイ「これや!魔物の爪痕、ここにもあるで!」

リナ「こっちにもあるわ!どうやら、北の方から来たようね」

ミオ「じゃあ、北の方に向かいましょう。何か手がかりがあるかも」

ゴウ「よし、そこにキャンプ張って、偵察や!」

北へ進んでいくと、徐々に魔物の爪痕が増えていく。

ワイ「ますます怪しいな…この先に、何かあるんとちゃうか…?」

と、その時、

ゴウ「み、みんな、これ見てみい!」

ゴウが指差す先には、巨大な魔物の死骸があった。

リナ「ひいい!な、なんてデカい魔物なの!?」

ミオ「まるで、山のような大きさね…!」

ワイ「これを倒したヤツ…いったい何者やねん…」

死骸を調べるが、致命傷がどこにあるのかわからない。

ワイ「クソッ、わからん…!これじゃ、手がかりになりそうにないわ…」

リナ「待って、ワイさん!これ、見て!」

リナが死骸の下から、何かを取り出す。

ミオ「これは…鱗?」

ゴウ「いや、違う。これは…鎧の欠片や!」

ワイ「鎧…?まさか、この魔物を倒したのは…人間!?」

衝撃の事実に、ワイらは絶句する。


更に奥へと進んでいくと、不気味な空気が漂い始める。

リナ「なんだか、おかしいわ…魔力を感じるわ…」

ミオ「私も感じる…この先、何かいるわ…!」

ゴウ「みんな、気をつけろ!武器を構えとけ!」

ワイ「ああ、来るで…!」

ワイらは身構える。

すると、突如、地面が揺れ出す。

「ズズズズズ…!」

リナ「な、なに!?地震!?」

ミオ「ちがう、これは…!」

ゴウ「出てきやがった!」

地面から、巨大な魔物が姿を現す。

「ギャオオオオオ!!」

それは、今まで見たこともないほど巨大な魔物だった。

ワイ「ば、化け物や…!」

リナ「キャア!」

ミオ「この魔力…今までの比じゃないわ…!」

ゴウ「けっ、でかい面するなや!」

魔物は、あまりの巨体で、一撃でワイらを吹き飛ばす。

ワイ「ぐはっ!」

リナ「きゃあっ!」

ミオ「くっ…!」

ゴウ「がはっ…!」

ワイらは、なすすべもなく、あっけなく沈められてしまう。

ワイ「ち、ちくしょう…こいつ、強すぎる…!」

リナ「もう…だめ…かも…」

ミオ「ここまで…なのね…」

ゴウ「まだや…!立てるか…!?」

だが、全身傷だらけで、立ち上がることもできない。

絶望的な状況に陥るワイら。意識が遠のいていく。

(くそっ…このまま、終わりか…!?)

(頼む…誰か…誰か、助けてくれ…!)


…しかし…

誰も助けに来ることはなかった。

巨大魔物は、ワイらを嘲笑うかのように、大口を開けて笑う。

「ギャオオオオ!」

(あ…あかん…もう、終わりや…)

(ごめん…みんな…ワイの力不足や…)

目の前が真っ暗になっていく。


こうして、ワイらは森の異変を調査する中で、巨大魔物に敗れ去った。

調査は失敗。原因を突き止められないまま、力尽きてしまった。

森は、いまだ異変に見舞われたまま。

そして、ワイらの冒険は、ここで幕を下ろすことになる…。


なんて、ことになるはずがない。

ワイはここで諦めたりせえへん。

仲間を、この森を、絶対に守り抜くんや。

たとえ命を落としたとしても、ワイの意志は消えない。

次の世代に、必ず想いは受け継がれる。

いつかまた、平和な日々が戻ってくる。

そう信じている。

だから、ワイは…。

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